足利市立美術館が指定管理者制度廃止

6月24日の日経新聞の記事(文化往来)から

足利市立美術館,3年で指定管理者制廃止
全国の公立施設に指定管理者制度の導入が広がっているが,栃木県足利市は2006年度に制度を採り入れた市立美術館を09年度から自治体直営に戻すことを決めた。管理者を見直す契約更改期を前に,制度そのものを取りやめた。吉田哲也館長は「導入は,はやり病のようなものだったのかもしれない。見直しは英断であり,市に感謝したい」と話す。
指定管理者制度は・・・足利市は体育館や公園など百以上の施設に導入済みで,今後も制度活用の方針に変わりはない。だが,教育委員会が美術館の運営状況を見て検討を重ねた結果,「長期的な研究や,準備に年月を要する企画展を開く美術館には,短期間で運営主体を見直すこの制度はそぐわない」(熊井佳壽裕・教育総務課長)と判断した。
美術館の指定管理者は,1994年の開館時から運営を一部受託していた財団法人。09年度からは,この財団に出向していた県採用の学芸員らを中心に,運営体制を整える。吉田館長は「制度導入後は作品購入の手続きが煩雑になり,必要な作品の収集も難しくなっていた。今後は改善が期待できる」とも。指定管理者制度のあり方を問う先行事例になりそうだ。

教育委員会の会議録はインターネットでは見つからないので,公式には確認できていないところですが,記事にある市の教育総務課長のコメントはそのとおりだと思います。
継続的な取組みがあってこそ,資料自体の価値も,博物館・美術館の価値も増大してくるものだと思うからです。

7月22日追記

7月19日の日経新聞の文化面に関連記事が出ています。7月22日のエントリーで紹介しています。

11月7日追記

公式発表はずいぶん前に行われていました。
2008年3月24日の市長定例記者会見において,「指定期間が満了する指定管理施設の見直し等について」と題して,足利市立美術館を直営に戻すことが発表されています。