淡路ファームパーク イングランドの丘続編&ハーベストの丘&卑弥呼の庄

2008年5月14日のエントリー「飛騨市の山之村牧場他」に,淡路ワールドパークONOKORO,広島ニュージーランド村,卑弥呼の庄とともに,イングランドの丘についても追記してきました。
しかし,どうやら,はてなダイアリーの1エントリーの限界字数を超えてしまったのか,さらに追記しようとしても,文章が途中以後反映されなくなりました。
 というわけで,新しいエントリーです。 もう,あまりこの話題は伸びないでほしいと思いますが。


4月3日の毎日新聞淡路版の記事から

淡路ファームパーク:混乱なく三セク移行 契約打ち切り反発の運営会社が撤退
南あわじ市八木養宜上の農業公園「淡路ファームパーク イングランドの丘」の運営を巡り、指定管理者の第三セクター「南淡路農業公園」(社長・川野四朗副市長)が運営会社「ファーム」(愛媛県西条市)との業務委託契約を3月末で打ち切った問題で、三セクによる新体制での運営が4月からスタートした。契約打ち切りを巡る衝突から、当初予想された混乱もなく、スムーズな船出となった。【登口修】
この問題では、昨年12月に開かれた三セクの取締役会で、ファームとの業務委託契約を結ばない議案を可決したのに対し、ファーム側が「契約拒否は無効」と反発。中田勝久市長が契約を1年間延長する折衷案を提案したが、ファーム側が受け入れを拒否し、先月17日に神戸地裁洲本支部に地位保全を求める仮処分を申請している。
一連の騒動で、同公園の従業員53人が同31日付で退職届を提出したことから、ファームは同27日に他の施設から従業員約40人を急きょ招集。今月1日以降も業務を続ける準備を進めてきたが、先月31日に三セク側からの申し入れで両社の社長が話し合い、ファームが撤退することで、ひとまず決着が付いた。
1日には同公園で三セクの従業員への辞令交付式があり、川野社長は「ファームと話し合い、自主的に退去してもらった。パークは市の観光拠点、宝でもあり、多くの方々に来てもらえるよう盛り上げたい」とあいさつ。一方、ファームの森貞幸浩社長は毎日新聞の取材に「衝突で混乱が生じないよう、苦渋の決断で施設の明け渡しを決めた。裁判で当社の権利を主張したい」と話した。

これまで,指定管理者の第三セクター南淡路農業公園株式会社が−不適当な表現かもしれませんが−,まるで中抜けしているように,(株)ファームがイングランドの丘の運営を実際に担ってきました。
両方の会社の間の関係は業務委託。南淡路農業公園株式会社については,地方自治体が出資していますし,指定管理者にもなっているということで,監査や議会での議論の対象となります。しかし,もう一つの会社の(株)ファームについては,地方自治体とは直接の関係はほとんどない状態。議会にとっても,おそらく行政にとってもなかなか目が届かない状態だったようです。
もともと兵庫県の施設として1985年に開園した淡路ファームパーク。2001年に旧三原町が整備したイングランドエリア(三原町農村型体験交流施設)と一体となって,現在の淡路ファームパークイングランドの丘となりました。公の施設ですが,それ以来"実質",(株)ファームが運営してきたということのようです。
さて,10年たって2011年4月。第三セクターを指定管理者としているということで,見かけ上は変わりませんが,実質的には南あわじ市が,より主体的に運営に関わることとなります。
幸い,これまでの従業員53人が引き続き運営に携わるわけですから,それなりにスムーズな運営が最初は行われるでしょう。しかし,問題はその後。
施設運営のコンセプトは何か。交流施設か,娯楽施設か,観光施設か。どんな夢を利用者に提供するのか。地域にとってどんな意味合いを持つ施設なのか。
(株)ファーム運営時代は,やはり運営会社にそれなりのノウハウもあり,地域にとっての価値はともかく,一定のコンセプトがあったように思います。しかし,今後,従業員53人は引き続き携わるとしても,業務を行うにあたり,ベースとなるコンセプトについての共有は欠かせません。第三セクター南淡路農業公園株式会社が,どのようにそれを打ち立てるのか。 

2011年4月14日追記

4月9日の毎日新聞奈良版の記事から

大和さくらい:土地代金滞納問題 桜井市、2社相手に支払い求め提訴
桜井市倉橋の農業公園「大和さくらい 卑弥呼の庄」を運営する農業生産法人大和さくらい」が土地代金を滞納している問題で、同市土地開発公社(理事長・箕輪周治副市長)は8日、同法人など2社を相手取り、土地の明け渡しと損害金約530万円の支払いを求めて奈良地裁に提訴した。
他の1社は業務委託している「倉橋」。市によると、大和さくらいは一昨年3月、同公社の土地約4ヘクタールを2億円で購入する契約を結んだ。代金は500万〜9000万円の5回分割払いとしていたが、昨年10月末になっても全額滞納のうえ、督促にも応じなかった。市は同年11月25日、「債務不履行」を理由に同土地の売買契約を解除した。
同公社は、大和さくらいが農業公園として使用している土地(約2・8ヘクタール)の原状回復と明け渡し、それまでの使用料相当損害金の支払いを求めている。同法人の債権者らが設立した「倉橋・くらはし農村公園」の山本善彦支配人は、「経営困難な農業公園を立て直し、地域活性化に役立とうと頑張っている矢先に提訴とは残念だ」と話している。提訴について、大和さくらい経営者と、連絡はとれなかった。【稲田敏雄】

農業生産法人「株式会社 大和さくらい」の代表取締役は久門渡氏かと思います。「株式会社倉橋」は,大和さくらいに対する債権者が立ち上げた会社で,公園施設の経営を引き継いでいます。
記事中「業務委託している『倉橋』」という表現が出てきますが,これは「大和さくらい」が「倉橋」に業務委託しているという意味でしょうか。
それとも,経営を引き継いだ「倉橋」が,実際のオペレーションを「大和さくらい」に業務委託しているという意味でしょうか。 (前者のようです。求人も「倉橋」が実施しています。)

2011年4月24日追記

堺市議会会議録から
1 平成22年11月10日都市魅力・観光文化対策特別委員会(2010年11月10日)

◆加藤 委員
 ・・・ ちょっとお聞きするんだけど、きょう農水来てないんだよな。観光だけど。ハーベストの丘は2年間、入場料払ってないんやろ、堺市に。大変な金やろ。それは、あなた方観光、関係あるんかね。関係ないんかね。だから僕は観光行政というから、当然、お出になってると思ってたけど。
○宮本 委員長 
 どなたがお答えになりますか。(「来てないんだから、しようがない」と呼ぶ者あり)
◆加藤 委員 
 だけど観光でしょう、ハーベストの丘というのは、農水がやってるんだけども、観光事業の一端じゃないのかしら。お客さんが来て、入場して、入場料取っていろいろやるわけでしょう。これは堺市に2年間、金をためてるだけじゃないんですよ。よその県でもおためになって、僕のところへ言ってきて、調べてみたら、堺市も2年間一銭も入ってないということですよね。しかも、あなた方が観光に力を入れると言うけど、大変な、初め、100万ぐらいあったそうですが、今年間30万ぐらいまで落ちてきたんだね。だから、そうしたら、それなんかでも、どうやって手入れをしてやって、客をふやして、一日も早く堺市にお金を払ってもらえようかという議論をせないかんわな。ただ、おまえ、困るよ、金払えって言ったんじゃだめなんで、やっぱり時の流れがあるんだから、流れに合ったように商売してもらわなきゃいけないんでね、そういうことは、どこがコントロールするの。それは観光、関係ないんか。
◎北田 商工労働部長 
 済みません。商工労働部の立場なんですが、私ども、産業振興局ということで、以前も少し御指摘いただきましたハーベストの集客魅力ということにつきましては、今、御指摘のように、当初、九十数万人の入場客があったのが、最近三十五、六万人というふうにお聞きしております。これはやはり50万人ぐらいまで戻していきたいというふうなことの中で、農政部、それと私ども、商工労働部と観光部、そういった中で協議をしまして、できるだけその集客魅力を高めるべく、今、庁内で協議を始めているところでございます。よろしくお願いします。
◆加藤 委員 
 それから、もっと驚くことは、これは何年か前に松田君がここで局長をやっていらっしゃるときに、総務委員会なんかで大議論をやったことがある。それは半年前から彼に言って、いろいろ先方と交渉をさせて、結論を出した経過があるんですね。だから、もう大丈夫だと思ってたら、また違うんだよね。調べてみると、ハーベストの丘がやっている会社が、何か市がやるところがあるんだよね、横に。やっているところがあるんですね。それを指定管理者を随契でとってるんやな。前のときも入場券のことで問題があって、いろいろやって詰めて、やり方を改善させた経過があるんです。この間も、それはきょうここで言う必要はなかったんだけど、もう大分前にそれを指摘してるけど、報告に来ないよ。安心していらっしゃって、ちゃんとできるんなら、それでいいけど、それは全然違うところから私のところへニュースが入って、御指摘して、早くしなさいよと言ってある課題ですけどね。だから、どうぞ帰ったら言ってやってください。



堺市議会 平成22年度第6回定例会(12月9日)

◆35番(加藤均君)
 (登壇)皆さん、おはようございます。自由民主党・市民クラブを代表いたしまして、本定例会に提案された議案に対して質問をいたします。・・・
 それから、その次であります。ハーベストの丘であります。
 これは何か聞くところによると、既に1億円近くの堺市に払わなきゃいけないお金が滞納されているというふうにお聞きしております。まあ通常、2年間も払わなきゃいけないお金を払えないということは、私は正常の経営ではないと思うわけであります。私はただそれは企業に言うだけではなくて、やっぱり市もあそこを観光施設であるとか、誘客するんであるということであるなら、やっぱり市も挙げて協力する姿勢が必要ではないかと思うわけであります。
 例えば聞いてみると、入場料は900円です。この間聞いてみますと、1日何ぼ入ったのかねって、資料を持ってこられたら、200名を割る数字を持ってこられました。そんなことであの大きな土地を運営できるわけはないわけであります。いつの日かもたなくなると思うんですね。しかも、もっと私がお尋ねしたのは、あの中には30億円近くの堺の資産が入っているわけです。聞くと、何か指定管理者の制度でお任せしているということでありますが、それじゃあ、年間幾ら入るのというと、ゼロだというんですね。私は役所の方に申し上げたんですが、もしもあなたが30億円の資産を持っていて、これを運用するというときにゼロということで、あなた投資するんですかねというふうに言いました。もしも自分のものであるなら、もっと真剣に、いや、それなら少なくとも運営だけでもうまくいくようにという努力をするということが必要だと思いますが、何か聞いておりますと、まるで他人事のようであります。
 私は非常に残念に思うんですが、一生懸命努力してるんでしょう。だけど、それは努力してるの何かというと、1億円をどうやって回収するかということの努力はされているようです。だけどそれを取ったと仮定しても、あと運営ができなきゃどうにもならないんで、私はここらあたりは、それで聞いてみると、例えばここにチラシ、きょう、市長、持ってきましたがね、例えば旧市内の観光のパンフレットはすばらしいものができているわけです。これはインバウンドを連れてくるとか、これはインバウンドの材料の1つになると思うんです、材料にね。だけど、この程度のものしかやってない。しかもそれじゃあ、これをホテルの中に置いてあるかといったら、ホテルの中にも置いてない。
 この間、チンチン電車に乗ったら、あそこに堺の観光のいろんなものが入ってた、これがちょうど入ってた。ちいちゃいから見えないんですよね、ほとんど。どうぞ行ってみていただくとわかります。ですから、私はそんな無神経なことで、観光の事業なんていうのはなかなか難しいんではないかと思うんです。
 やはりここらあたりは、1つお考えいただく課題と思いますが、そこでこのハーベストの丘については、約1億円の未収の金については、どういうふうに回収されるんですか。堺市は30億円ぐらいの投資をしていらっしゃるわけですが、これはもう全然何も入ってこないということでありますから、これはどういうふうに努力をして、相手と堺市が努力をして改善をしていくのか、もしも改善していかないということであるなら、いつの日かこれは倒産するということに私はなると思う。今のままでいけば。正常じゃないんですから、2年間も金払わないで1億円たまっているわけですからね。どんな事業でもそんなことはあり得ない。そこでどうかこの問題については、どのようにされるのかお答えをいただきたいと思います。・・・
◎産業振興局長(戎野隆君)
 ・・・ 次に、ハーベストの丘の件でございます。先ほど議員より1億円の回収ということがございました。これ、1回5,000万円、4回分が滞納してございますので、約1億9,000万円の滞納となってございます。その1億9,000万円の滞納回収につきましては、現在、弁護士数名を含めまして、相談を行っておりまして、でき得る限り速やかに解決できるよう検討を重ねているところでございます。
 また次に、ハーベストの丘の経営そのもののお答えになろうかと思いますけども、経営を改善するにあたりましては、ハーベストの丘の集客対策というのが肝要だというふうに考えてございます。御承知のとおり、平成12年4月に開園し10年が経過をいたします。オープン当時の開園時の集客97万人をピークとし減少し続けておりまして、17年度には40万人を割り、21年度には35万人ということで経過をしてございます。御承知のとおり、ハーベストの丘は屋外型の施設でございまして、天候や季節に左右されること、特に集客が見込まれる夏休み期間の入園者数が少ないことが課題となっており、夏場の集客に向けたイベントや施設の整備が必要であると考えてございます。
 また、議員よりございましたPR、情報発信につきましては、民間事業者との連携のもと、ホームページを初めパンフレットやチラシ、デザインを定期的に更新し、内容の充実を図る必要があると考えてございます。また、刃物会館など旧市街地の観光施設やホテル、駅などパンフレットの設置場所の新規開拓、そういったものにも取り組んでまいりたいと考えてございます。さらには、旅行社との連携をし、ハーベストの丘を組み込んだツアーの実施、そういったものにも働きかけてまいりたい、このような対策を進めてまいりたいと思っております。
 次に、関係部局との連携でございます。ハーベストの丘は本市最大の体験型観光施設でもあります。本市では堺の歴史文化をテーマに、大仙公園周辺や旧市街地を中心とした観光振興施策を展開をしておりますが、経済効果の高い滞在型観光の増加を図るためには、今後多彩な観光メニューの開発が図られる必要があると考えてございます。そのような中で、南区の実り豊かな南部丘陵やハーベストの丘は、他の区にない魅力を有する新たな観光資源として期待されるものであります。ハーベストの丘を魅力ある施設にするため、農政部、観光部、商工労働部が連携し、新たな活性化対策を検討の上、民間事業者とともに取り組んでまいります。
◆35番(加藤均君)
 ・・・ それから、ハーベストの丘のことでいろいろ御返事をいただきました。私は今まであなた方に聞いているのは9,000万円と聞いた、1億9,000万円、なおそれでは経営危機ですよね。
 実際にはお調べになっているのかどうか、ハーベストの丘ではリピーターがどのくらい来てるんでしょうか。例えば、これはあなた方も御調査しておわかりだと思いますが、ディズニーランドがあれだけ人が来るというのは、リピーターが来るからなんですね。じゃあ、リピーターが来るのはどうしたらいいのかと、私は向こうの副社長に聞いたことがあります。すると彼が言うのに、1年に1割ずつ変えていくんだよと、そうするとリピーターが来てくれるんだと。だから、うちはおかげさまでというんですが、ハーベストの丘ではどういうふうにして集客をやっているんでしょうか。
 今の話は1億9,000万円、あなた方が回収する、弁護士に頼んでいるということですね。これはもう僕らに言わせれば、弁護士に頼んで、債権を回収しなきゃいけないというのは正常な営業ではないと私は思うわけでありますが、だからそれは一体どういうふうに解決するのか、やはりもしも手じまいするとするなら、一日も早く手じまいされるのがいいし、いやいや待てと、もう一回みんなで努力して、せっかくやってきた仕事だから頑張ろうというのなら、やっぱりだれが見ても頑張ってる姿を見せてやらないとだめだと思いますし、積極的な営業をしなきゃいけないと思います。
 そこで私は、官の役割と民の役割があるはずでございますね。あなた方は民の人には民の役割はしっかり果たせと、あなた方は官の役割を果たしていただくということをやっていただきたいと思います。ここで今すぐ答えるのはあれでしょうから、一日も早くその手を打たなければ、もう1億9,000万円も金が未払いになってて、弁護士に頼まなきゃいけないというところに、指定管理者を任せてるのもいかがなものかと思います。ぜひですね、至急御検討をいただいて、みんなが納得するような方法で、やめるんならやめるで納得する方法、残すんなら残すで、もう何かずるずる、ずるずるいくんじゃなくて、きちんと先方と話し合いをして、今後こうやってやっていこうよ、それを皆さんに発表していただいて、みんなが納得できるように、ひとつしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
◎産業振興局長(戎野隆君)
 ・・・ 次に、ハーベストの丘の件でございます。約2億円の割賦が市のほうに入っておらないという状況の中で、やはり集客増を考えていくということで、1つは先ほど申し上げましたPR、宣伝、そういったものに強化をしていく。そして今、入場者につきましては、1日券900円とパスポート券というのを発行してございます。パスポート券は年間、1年間利用ということで、この辺の利用の促進含めてやることにより、会員をふやしていくということで、リピーターをふやしていくということになろうかと思います。
 施設改善につきましては、先ほど申し上げましたように、夏休みという一番集客の可能な時期ではございますけども、屋外施設ということで、やはり陰とか水とか、そういうふうな設備配置を含めて、今後検討し、夏休みも入っていただけるような施設改善を図っていく必要があるのかなというふうに考えてございます。そして、やっぱり収益に基づく集客の増には、やっぱり官民役割分担の上、おのおのにできる部分について明確にしながらやっていく必要があるというふうに考えてございます。その辺につきましては、民間事業者ともども、また庁内、皆様方と連携をしながら進めてまいりたいと考えてございます。その改善のために、再度頑張る必要があるというふうに考えてございます。以上でございます。

大阪・堺市ハーベストの丘については,2006年10月16日のエントリーで触れたことがあります。
ハーベストの丘は街のエリアと村のエリア及び交流施設に分かれています。街のエリアは(株)堺ファームが土地建物を所有し運営。村のエリア及び交流施設は堺市が土地建物を所有というのが基本になっています。村のエリア及び交流施設が市の施設である堺市立農業公園と位置づけられます。つまり,(株)堺ファームの公園と,堺市の公園が一体的にハーベストの丘として運営されているような形になります。
さらに,村のエリアにある加工体験施設については(株)堺ファームが,交流施設については堺市農業協同組合が指定管理者になっています。指定管理料(委託料)はいずれも0円。指定管理者としての主な収入は加工体験施設は入園料及び専門加工工房,交流施設は販売代金及び販売手数料となります。
ハーベストの丘の入園ゲートは街のゾーンにあります。ハーベストの丘への入園料は堺市と(株)堺ファームが折半との約定になっているようですので,その入園料を折半し,街のエリア分の半分は直接(株)堺ファームの収入となり,村のエリア分の半分は指定管理者としての(株)堺ファームの利用料金となることになります。
なお,堺市立農業公園条例によると入園料は大人1回1,000円,小人1回600円。他に年間パスポート料金が定められています(交流施設:総合交流ゾーンは無料)。ハーベストの丘全体での入園料大人1回900円,小人1回500円と少しお安くなっています(堺市立農業公園部分の入園料は実質大人450円,小人250円と考えられますね)。このあたりの関係は良くわかりません。なお,条例第23条(利用料金)では,「利用料金の額は、別表に定める額の範囲内において、指定管理者があらかじめ市長の承認を得て定める。」となっています。
 いずれにせよ,運営体制がなかなか把握しづらい形になっています。
このような複雑な運営体制となっている背景には,1998年2月4日に堺市と(株)ファームが(仮称)緑のミュージアムを協同して設置し,農業をテーマとする健全で良質なレクリエーションの場を提供することなどを目的に相互が協力して事業を推進するという基本合意が結ばれたこと。同年11月23日に堺市と(株)ファームが「(仮称)緑のニュー時編むの設備運営に関する基本協定」を締結したこと,2000年4月1日に堺市立農業公園を運営するために一時期設置されていた堺市第三セクター堺農業公園(株)(2006年3月に解散)が(株)堺ファームと「堺・緑のミュージアムの管理運営に関する協定」を締結したことなどがあります。施設の設置から運営まで全てが協同事業のような形です。
そのため,建設にあたっても,(株)ファームが98%,堺市が1%,堺市農業協同組合が1%出資している(株)堺ファームが50億円(用地費20億円,施設建設費30億円)を負担,堺市が50億円(用地費25億円,施設建設費25億円)を負担という形で折半して負担しています。なお,施設用地については,堺市が農家等から買収し,街のエリア部分については(株)堺ファームに20億円で売却したということですが,土地割賦代金の一部が未払いとなっています。
これらのことから,議員が指摘した未納金は,「入園料」ではなく「土地割賦代金」ではないでしょうか。


議員や市の監査委員が言いすぎではないかと感じる部分もあります。
議員は,市の30億円の資産を運用して,お金のリターンはゼロということに異議を申し立てているようですが,そのロジックはおかしいのではないでしょうか。観光なり農業なり,教育なり,市民の福利につながるのであれば,お金のリターンはゼロでも何らかまわないでしょう。 もちろん,契約上入るべきものが入らないのは困りますが。
また,市の監査では,指定管理に係る利益剰余金についての意見も書かれています。しかし,一度,市行政として指定管理者制度を導入したのであれば,それぐらいは,指定管理者のインセンティブにしなければならないのではないでしょうか。そこまで市が指示するぐらいなら,直営でやるべきでしょう。

4月25日追記

2011年1月18日の堺市庁議資料(産業振興局長)に滞納の件が出ていました。

○土地売買代金の滞納
平成12年2月15日 (株)堺ファームを買受人とする土地売買契約を締結
・土地の表示 堺市鉢ヶ峯寺2047番1 外11筆 36,560.93㎡
・売買金額 665,408,926円
・売買方法 元金3年据置後、7年の半年分払い(20回払い)
*第17回(納付期限H20.4.1)〜第20回(納付期限H21.10.1)の4回分が未納

ということですね。
対応として,約1万㎡の土地売買を取り消し,(株)堺ファームの未納料金を軽減するとともに,遅延利息約6000万円を一括で支払うという提案を市議会に行うとなっています。
来場者が減っているということも話し合われています。夏と冬の集客対策として,ハード面,ソフト面を整備するということのようです。 まあ,うまくいけばいいんですが,大体,夏冬に一定の資源を投じて集客を図るよりも,もともと多い春秋に同じ資源を投じる方が入場者数は多くなる可能性もあり,そのあたりの見極めは難しいところですね。

5月28日追記

5月17日の毎日新聞奈良版の記事から

桜井・農業公園訴訟:請求棄却訴え答弁書 初弁論で2社側
農業公園「大和さくら卑弥呼の庄」(桜井市倉橋)の土地購入代金2億円を全額、滞納しているとして、桜井市土地開発公社農業生産法人大和さくらい」(同)と観光サービス会社「倉橋」(同)に対し、土地の明け渡しと損害金の支払いを求める訴訟の初弁論が16日、奈良地裁(藤野美子裁判官)であった。2社側は請求棄却を訴える答弁書をそれぞれ提出した。
訴状などによると、大和さくらいは同公社の土地約2・8ヘクタールを2億円で購入し、大和さくら卑弥呼の庄として昨年3月、オープンさせた。しかし、代金は現在、全額滞納の上、督促にも応じていないという。損害金は年間約530万円の計算で、2社それぞれに明け渡し日までの使用料として請求する。
同公社は昨年11月25日、「債務不履行」を理由に土地の売買契約を解除したが、大和さくらいから業務委託を受けた倉橋が飲食店などの営業を続けている。【岡奈津希】

7月22日追記

南あわじ市議会本会議(2011年3月25日)会議録から議案第37号、公の施設の指定管理の指定について(淡路ファームパークイングランドの丘)の討論

○16番(蛭子智彦君) 私は、議案第37号、公の施設の指定管理者の指定について(淡路ファームパークイングランドの丘)について、決して認められない立場からの討論を行います。
この議案は、期限の迫る淡路ファームパークイングランドの丘の指定管理を、継続して南淡路農業公園株式会社と結ぶことを決める議案であります。南あわじ農業公園株式会社は、南あわじ市が出資の内51%を保有、株式会社ファームが23%、淡路島農協が18%、淡路島酪農農業組合と南あわじ市商工会がそれぞれ4%の出資をしているいわゆる第3セクターの株式会社です。南淡路農業公園株式会社は、設立以来、旧三原町の時代から、兵庫県及び三原町からの委託を受けファームパークの運営にかかわってきました。この間、実際上はただの一人も職員がおらず、すべての業務を株式会社ファームにほぼ丸投げでファームパークイングランドの丘経営管理を任せてきています。南淡路農業公園株式会社と株式会社ファームは、つい最近まで友好的な関係の中ファームパークイングランドの丘の業績を順調に向上させておりましたが、南淡路農業公園株式会社は昨年12月の取締役会で、平成23年3月の業務委託契約の契約完了をもって、南淡路農業公園株式会社からファームへ委託していた業務のすべてを契約更新せず、南淡路農業公園が直接経営すると決定し、その蜜月振りは破綻し、現在株式会社ファームから南淡路農業公園株式会社代表取締役、川野四朗に対抗して、地位保全の仮処分申請が神戸地裁洲本支部に提出されています。3月23日の産業建設常任委員会での副市長からの説明では、地裁から申請書の副本は届いていないが、その仮処分申請の内容は、2011年4月1日以降も株式会社ファームに淡路ファームパークイングランドの丘の経営権が存在することを確認する仮処分の申請だとされています。このように、株式会社ファームと南淡路農業公園株式会社は現在紛争中であり、今後イングランドの丘周辺でのさまざまな混乱が想定されます。南淡路農業公園株式会社とこのまま指定管理の継続を行うことは、さらに混乱を拡大しないかとの懸念が広がっています。
 その理由の第1は、たとえ指定管理の契約を更新しないとしても、現在イングランドエリアにあるファーム所有の遊具などの問題をめぐり、市の撤去指示に対し応じる気配を株式会社ファームは見せておらず、今後そのエリアは、最悪の場合長期に渡って事実上の閉鎖状態におかれることです。イングランドエリアでは、市がファームとの間で市の所有する土地を年間185万円の使用料で賃貸借契約を結び、ゴーカートなどの遊具施設を株式会社ファームが直接経営しています。現在の状態が続けば、このエリアは使用不可能になり、その遊具で遊ぶ子供たちを初めとして、入園客の減少につながらないかとの指摘も産業建設常任委員会でされました。紛争が長引けば長引くほど、ファームパークのイメージがダウン、入園客が減少し経営収支に悪影響を与えるのではないでしょうか。市が、直接賃貸契約を結んでいるイングランドエリアの株式会社ファーム所有の施設の撤去を一方的に市が主張し迫ったとしても、中々簡単に撤去に応じないでしょう。
 また第2には、ファームの持つ企業の秘密情報の漏えいをめぐっての刑事事件化も心配されます。3月11日付で株式会社ファームの取引先の皆様へと題した文書が、川野四朗名で80社を超える株式会社ファームの取引先に送付されました。その内容は、イングランドの丘の管理運営を南淡路農業公園株式会社が直営するとし、取引条件などの説明を3月17日に行うとしたものであります。それに対して株式会社ファームからは、同じく取引業者あてに、各取引業者の名前や取引条件は一切部外に口外しないものなのに、先のような文書が届けられたことは誠に遺憾であるとの内容の抗議文書が送られたものであります。この主張から類推するなら、ファームからの刑事告発の懸念が生まれてまいります。情報漏えいに絡む刑罰法規には、ファームの社員に対しては背任罪、特別背任罪、窃盗罪、横領罪、不正競争防止法違反、個人情報保護法違反、また農業公園株式会社の関係者らに対してはそれらの教唆などが想定されます。仮にファームからの告発があればどうなるのか、混乱の上にさらに混乱とならないか、南淡路農業公園株式会社取締役が刑事事件の被告にもなりかねない状況です。ファームとの間で契約解除が円満にできることを強く望みます。執行部としては、争うことのメリット、デメリットの比較考慮はできていると思いますが、争えば争うほど痛手を受けるのではないでしょうか。こうした紛争状態を引き起こした責任の一端は、南あわじ市と南淡路農業公園株式会社にもあるとあえて指摘をいたします。ファームとの間の業務委託契約については、予てより議会においてたびたび疑問が出されていました。不安定な経営基盤、各地での失敗などの事例情報が寄せられるたびにその疑念は膨らんでいましたが、執行部、とりわけ南淡路農業公園株式会社代表取締役、川野四朗副市長は、株式会社ファームをかばい続け、一貫して議会に対しての情報提供を、相手のあることとしてかたくなに拒み続けてきました。そのような執行部の姿勢、業務委託契約の内容の公表など、一番基本的な情報についても明らかにせず、すべての問題を隠し続けてきたことは、今日の紛争の遠因となってきたことは明白であります。もっと早くから議会への情報提供をつまびらかに行い、議会の協力を得て事実に照らしての契約変更を行っていれば、こんなぎりぎりの極限での選択に追い込まれることなく、適切な対応が可能であったと確信をいたします。みずからにも落ち度があることを考慮した対応、1日も早く和解、円満解決を強く望むものであります。
 今、動物飼育員、遊具補助員、売店従事者など、すべてのファームパークイングランドの丘で働くスタッフは大変な不安の中におかれています。この紛争状態が終息しないとき、その被害者はだれでしょうか。そこに働くスタッフであり、コアラなどの動物であり、何より入園者であります。国際的信頼関係にも傷がつきます。この際、南淡路農業公園株式会社の代表取締役、川野四朗副市長はその責任を自覚し、みずからその職を辞し、新しい態勢のもとで淡路ファームパークイングランドの丘の経営再出発を行うべきであります。現在の取締役執行体制のままの南淡路農業公園株式会社に指定管理をゆだねることは、さらに紛争の拡大を招くことを懸念し、議案第37号についての反対を表明をいたします。委員の皆様におかれましては、御賛同賜りますよう心からお願いを申し上げます。

討論がいうような最悪の事態にはならず,とりあえず,いい状態を保っているわけです。ただ,当時としては杞憂とは言えなかったろうと思います。今後は今後で,まだまだ課題がでてまいるとは思いますが。
とりあえず,イングランドの丘の公式サイトはこちらに移っています。

9月1日追記 倉橋農業公園

8月27日の毎日新聞奈良版の記事から

桜井・農業公園訴訟:元市幹部、訴訟先の役員に 市の農業委員にも ◇「誤解招く」市長言及
桜井市土地開発公社が、同市倉橋で農業公園を運営する農業生産法人と企業の2社に、土地の明け渡しと損害金を求め係争中のさ中、同市を退職した元幹部職員が、このうち1社の役員に就任、市の農業委員にも選ばれていることが分かった。【稲田敏雄】
26日、谷奥昭弘市長が定例記者会見で、「市の訴訟相手への役員就任は、誤解を招き、好ましくない」としたうえで、元幹部職員に対して「自己の立場を良くわきまえるよう」、厳しく言及したことを明らかにした。谷奥市長は「市職員の再就職先について、規定の策定か、チェック態勢を検討したい」と述べた。
 指摘された元市幹部職員は取材に対し「農業公園は、農林業の活性化のために設けた特定農山村法に基づく企業だ。市は支援義務がある」などと強調。「この企業が農業生産法人格を取得するため、協力を求められて役員になった。農業委員としても、この企業が業務を続けられるよう、努力したい」と話した。
 市によると、同農業公園の「大和さくらい 卑弥呼の庄」は一昨年3月、運営する農業生産法人が同開発公社から約4ヘクタールの土地を約2億円で購入する契約を結び、昨年3月、開園した。
 代金は5回分割払い契約だったが全額滞納し、督促にも応じず、公社は同11月、同土地の売買契約を解除した。公園は法人の債権者らが設立した企業が業務を引き継いだ。今年4月、公社は同法人と企業の2社に「土地明け渡しと損害金の支払い」を求めて奈良地裁に提訴した。現在、公園施設は、債権者らが設立した企業がレストラン、観光サービス営業などを続けている。

企業2社は,株式会社「大和さくらい」と株式会社「倉橋」ですよね。そして,農業生産法人格を取得しているのは大和さくらいだったはず。

!

参考:2008年5月14日のエントリー追記部分。平成21年12月定例会。


なんだ。産経新聞には、すでに特定できる形で記事が掲載されていました。
8月27日の産経新聞奈良版の記事から

桜井市元部長、訴訟相手に天下り 卑弥呼の庄問題
桜井市倉橋の農業公園「卑弥呼の庄」(現「くらはし農村公園」)をめぐり、市土地開発公社が同公園を経営していた農業生産法人と事業を引き継いだ会社に土地の明け渡しなどを求めている問題で、同公園の誘致を担当した元市産業経済部長(61)=昨年3月退職=が同社の役員に就任していたことが26日、わかった。谷奥昭弘市長は同日、「道義的に極めて問題。自ら身を処すべきだ」と退任を迫り、不快感をあらわにした。
市によると、同法人は土地代金を滞納し、市が昨年11月に土地売買契約を解除。同法人は経営から退き、債権者らで設立した会社がレストランなど農業公園の運営を引き継いだが、市は今年4月、同法人と同社を相手取り、土地の明け渡しと1年分の土地使用料の支払いを求めて奈良地裁に提訴し、現在係争中。
一方、元部長は市が提訴する前の4月にこの会社の役員に就任。さらに7月には同公園の事業も審査する市農業委員にも当選している。元部長は「協力を求められてこの企業の役員に就任した。業務を続けられるよう努力したい」と話し、役員を続ける意向を示している。

平成21年12月定例会で,倉橋農業公園問題について答弁を行っている森北元産業経済部長(桜井市三輪)のことですね。ただ,記事だけでは,役員としての報酬をもらっているのかどうかなどはわかりません。

9月2日追記

しばらく前のものです。上の記事のフォローとして。8月12日の毎日新聞兵庫県淡路版の記事から

淡路ファームパーク:イングランドの丘 契約打ち切り有効 仮処分申請を却下
南あわじ市八木養宜上の農業公園「淡路ファームパーク イングランドの丘」の運営を巡り、市の指定管理者の第三セクター「南淡路農業公園」(社長・川野四朗副市長)から業務委託を受けていた運営会社「ファーム」(愛媛県西条市)が今年3月末で契約が打ち切られたのは無効として、地裁洲本支部に地位保全を求める仮処分申請をしていた問題で、同支部は10日付でファームの申請を却下した。市が11日、発表した。
川野社長は「当方の主張が認められて安堵している。今後は県民の憩いの場として愛される公園になるよう努力したい」とコメントを発表した。森貞幸浩・ファーム社長は「当社が被った損害の回復を目指すべく、近日中に損害賠償等請求訴訟を提起する」としている。【登口修】


9月13日追記

9月13日の毎日新聞兵庫県淡路版の記事から

淡路ファームパーク:受託会社が賠償提訴 「契約打ち切り、違法」
◇5億2000万円 元従業員らは未払い金求め、訴訟合戦に
南あわじ市の農業公園「淡路ファームパーク イングランドの丘」の運営を巡り、今年3月まで市の第三セクターから業務を受託していた「ファーム」(愛媛県西条市)が「契約打ち切りは違法」として、三セクに計約5億2000万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁洲本支部に起こしたことが分かった。一方、同社元従業員で4月から三セクで働く30人が同社に未払い賃金計約5921万円の支払いを求めて同支部に提訴し、対立は訴訟合戦に発展した。【登口修】
農業公園は県と市が所有。約54ヘクタールの敷地に池や散策道、遊具、菜園などがあり、収穫や動物との触れ合いができる施設などもある。コアラ舎が有名。
訴状などによると、同社は全国で農業公園を展開しており、01年4月から社員を派遣するなどして業務を支援。07年4月に三セク「南淡路農業公園」が市の指定管理者になった。08年4月からは三セクが同社に入園料収入の96%を支払う内容で運営を業務委託していたが、契約期限切れを理由に今年3月末で委託を打ち切り、現在は直営している。
同社は「更新が予定された継続的な契約であり、一方的な更新拒絶には正当な理由がない」と主張。三セクが指定管理者となる残り3年間に得られるべき利益相当額などを請求した。
元従業員30人は訴状などで「今年3月までの2年間の残業代と休日出勤手当が未払いのまま」と主張している。

未払い賃金に関する訴訟は初耳。求めている未払い賃金が30人で約6000万円。一人平均200万円。残業代と休日出勤手当ということだが。

10月6日追記

少なくても,先月10日時点で,(株)ファームの代表取締役社長は佐藤昭夫氏になっています。
とうほくニュージーランド村(岩手県),赤城高原牧場クローネンベルク(群馬県),江戸崎農業公園ポティロンの森茨城県),長井海の手公園ソレイユの丘(神奈川県),信州塩尻農業公園チロルの森(長野県),奥飛騨 平湯大滝公園(岐阜県),平成記念公園 日本昭和村岐阜県),滋賀農業公園ブルーメの丘滋賀県),堺・緑のミュージアム ハーベストの丘大阪府),丹後あじわいの郷(京都府),淡路ワールドパークONOKORO (兵庫県),岡山農業公園ドイツの森クローネンベルク(岡山県),美濃加茂サービスエリア(岐阜県)が関係施設ということのようです。 

2012年6月6日

くらはし農村公園のホームページに次のお知らせが出ていました。コンセプトはおもしろいと思っていたのですが。

くらはし農村公園完全閉園のお知らせ並びに御礼
長らくのご愛好(ママ)、皆さまへはこころよりスタッフ一同御礼申し上げます。
平成22年10月より、リニューアル開店をいたしまして、1年と8カ月、まだまだ未完成な状況でもありましたが、楽しく、お食事を召し上がって頂き、これから益々努力を重ね、改善を重ね、園内の充実も含め進めていく所存でありましたが、いろいろと諸事情があり、やむなく完全閉園へとなりました。
皆さまへは、期待感等をもって頂き、温かく見守ってい頂き(ママ)ましたこと、深く感謝いたします。
このような結果になり、誰よりも従業員一同が残念でありませんが(ママ)、一区切りということにいたします。
今まで、ご声援・ご支援・ご愛好頂きまして本当にありがとうございました。

平成24年5月31日          
(株)倉橋 くらはし農村公園 支配人

2012年9月28日追記

2011年9月8日の桜井市議会平成23年第3回定例会から

◯10番(土家靖起君)(登壇) 私は、次の2点について、市長のお考えをお聞きいたしたいと思います。
 まず、1点目でございますけれども、倉橋農業公園、いわゆる卑弥呼の庄問題に対する市長の政治責任についてであります。
 倉橋農業公園につきましては、長年の懸案事項であった土地開発公社の塩漬け土地を有効活用するべく始められた事業であることは、行財政改革の取り組みとの関連で評価できることでありました。また、特定農山村基盤整備計画に基づき、桜井市の農業振興や遊休農地の有効活用、観光の振興につながるものとして期待されたところでございます。
 しかしながら、その後の売買契約における5年をかけての土地代金の支払いや、契約当初に設定されていた連帯保証人を途中で外すという通常では考えられない手続が行われたことに対し、私自身も何度も指摘し、理事者側の見解を求めてまいりました。
 この農業公園構想につきましては、市が農業公園の誘致を図ったのか、大和さくらいの代表から申し出があったのか、市民にはわかりづらい面がございます。また、大和さくらいの代表から申し出があった場合、愛媛県の事業者が桜井市にこのような塩漬けの土地があることをどのように知り得たのかも明らかではありません。
 いずれにいたしましても、市がこの構想に何らかのかかわりがあるものと理解し、施設のオープンに当たり、個人所有の土地についても売買契約を締結し、一部は既に決済がなされ、大和さくらい名義に変更されるも、いまだ売買代金が支払われない地権者もおられます。登記名義が変更されていないにもかかわらず、農業公園の敷地として使用されている現状に対する対応も市としてどのように行うか検討する必要があると考えます。
 また、大和さくらいの経営が成り立たなくなった後は、大和さくらいの債権者である法人2社が新たな法人を設立して、無断で土地開発公社や市所有の土地、大和さくらい所有の建物で営業を続けるという異常な事態にも陥っているところであります。
 このようにさまざまな問題が生じているわけでございますが、要所要所で行政の最高責任者としての市長の判断というものが当然なされたわけであります。そういう意味では、市長の政治責任というものが厳しく問われるものと思いますが、この問題に対する自身の政治責任に対する市長の見解をお聞きいたしたいと思います。
 2点目は、・・・
◯市長(谷奥昭弘君)(登壇) 10番土家議員さんの1点目のご質問について、お答えいたします。
 土家議員さんもご承知のとおり、この事業の取り組みに関しましては、大きく二つの視点から取り組みを始めたものでございます。
 まず、土地開発公社健全化の取り組みといたしまして、遊休先行取得用地の整理、そして、桜井市中山間地域の活性化の2点でございます。加えまして、民間活力の導入という観点から、本来公共事業用地として取得した用地でありますが、昨今の財政状況から直営による事業展開は困難と判断をいたし、企業の誘致を試みたものでございます。
 また、個人所有の用地に関しましては、この事業が特定農山村法に基づく、市が定め、知事が承認した桜井市特定農山村地域農林業等活性化基盤整備計画に沿っての事業でありますことから、ご協力いただきました所有者の方には大変ご心配をかけておりますが、直接的に民民間の契約には踏み込めない状況もございます。
 現在、この件に関しましては、株式会社大和さくらい及び株式会社倉橋に対しまして、原状回復等の請求事件として係争中でありますことから、裁判の行方を見守りながら、一刻も早い問題解決と、今後におきます当該用地の利活用による地域振興を進めていく中で、あわせて当該問題につきましても検討してまいりたいと考えておりますので、さらなるご理解とご協力をお願いいたしたいと思います。
 続きまして、2点目の・・・
◯10番(土家靖起君) 市長、まず1点目の問題ですけども、私は、今回の卑弥呼の庄の問題につきましては、たびたびこの議会、あるいは各議員も、この問題につきましてはご指摘なり異議を申し上げてまいりました。先般、7月あるいは8月に奈良日日新聞に掲載された記事に基づいて、市民の皆さん方の中では、大きな反響と申しますか、このことについて疑問がたくさん出てきております。特に、私は、9月1日に市長が庁内の部課長会議において、この新聞の記事を取り上げて、当然9月1日ということになりますと防災の日でもございますし、あるいは、議会がございますものですから、管理職につきましては、これの準備等はきちっとやっていけと、これは当然なんです。あえて部課長会の前で、今回の新聞報道された記事を引用して、この新聞記事は、市長選挙をにらんだ私に対する誹謗中傷する記事だと、マスコミの私に対する取材内容も正しく掲載されておらない、こういう問題とか、あるいは、卑弥呼の庄の用地は、平成6年に長谷川市長が当時簡保施設を誘致された用地がいまだうまくいかなくて、そのまま残っておる遊休地であると、こういうことで名前を出されて、言われておる。また、私は、私というのは市長ですよ、市長が就任当時、この遊休地をどのように図っていくかということで、4月に担当部長を呼んで指示したところが、今回の卑弥呼の庄の用地を持ってきた。そういうことで、当時の担当部長あるいは係が持ってきたことによって、これが用地買収に入っていった、こういうような問題とか、担当元部長を市長室に呼んで、今回、この元部長が農業委員になられた、あるいは、被告である倉橋の取締役になっておることについて、即刻疑惑を招くので辞職を勧めた、こういうような問題ですね。
 私は、こういうことですべて奈良日日新聞に暴露しているとか、また、元部長に対して、辞職した後でも公務員法の第34条による守秘義務があるので、これについて法的な手続をしていくとか、読売新聞については、会見内容がおおむね正しく掲載されているとか、こういうような問題、そして、元部長については、今後市として法的な面を含めて適切に対応していきたい、この問題につきましては、私は、この後、担当部のある部署へ行ったときに、部課長の報告をなされておったんです、担当課長が。そこで私がメモした内容ですので、私が間違っていたら、間違っておったでよろしいんですよ。しかし、おおむね間違いないと思うんです。こういう中で、市長はあくまでも市の部課長にこれらの問題を月のはじめにするときは、桜井市の今後の進んでいく方向をきちっと説明していくのが首長の使命だと思うんです。私も公務員当時は、いつも、毎月のこの1日に出ます市長の訓示をきっちり聞いて、職員にはその旨をきっちり届けてきたつもりなんです。そういう意味で、この大事なときにそういう説明をなされた。ということは、これは職員、あるいは、元市長とか、職員とか、元部長とか、他人のことを言って、あなた自身が、実際買収してきた保証人を抜いたとか、市長の責任だとか、そういうことは一切触れておられないんです。
 したがって、ここで、私は、こういう意味からして、このような問題が管理職になされたかどうか、私が間違っておるかどうか、その点をまず市長にお尋ねします。
◯市長(谷奥昭弘君) 土家議員さんのご質問にお答えいたします。
 まず、私が就任してから、担当部長なり担当課を呼んで、これを処理するようにというような趣旨でございましたが、それはございません。私は、逆に、担当部長に聞きました、そのときに。そしたら、これは担当部としてみんなで相談して持ってきた結論であるから、ぜひ企業誘致を考えていきたいと。全国的には、この種の農山村振興法で5カ所だったと思いますが、やっているところもありますと。そのうちの3カ所ぐらいまでが公でやっていると。あと1〜2カ所が民間だと、そのような記憶、しっかりした記憶ではないかわかりませんが、そんなようなことも担当部として申しておりましたので、私から申し上げたわけではございません。
 それから、どなたに聞かれたのかわかりませんが、私が9月1日に申し上げたのは、若干の経過は合っているところもございますが、私は、役所においでいただきました。そして、私は、第三者からの情報では、4月1日付で桜井市と裁判をやっている、それもあなたが担当部長であった一件についてやられているわけですから、はじめて聞いたわけでございますので、取締役になぜなったんですかというようなこともお聞きさせてもらいました。彼は、産業の育成、あるいは、あそこで何かのやつが完成できたらいいという思いで依頼されてやりましたとおっしゃったものですから、それはそれで彼の考え方でございますが、私は、長らく公務員をしていて、そしてそれを担当していた部長さんがそういう市と係争中の会社の取締役になるのは、いろいろ世間の誤解なりを招く可能性があるので、ご自身で、僕はやめよとは言いませんでしたよ、ご自身でお考えになって、ご進退をお考えになったらどうですかと、その程度でございまして、それから、そのことを1日の日に披露いたしました。それは事実でございます。
 なお、農業委員の問題もそうでございます。ご案内のように、農業委員会はこの問題の特定農山村法の審査機関でございまして、審査機関の委員になって、彼は、うまいこといくように、役に立つようにというようなお話もございましたが、私は同じような意味で、審査機関の委員さんということについては、それはいろいろ問題があるんじゃないですかと。だから、それも含めて、彼には、ご自身でよくお考えいただいたらいかがでしょうかというようなことも申し上げたことも事実でございます。
 それから、一番間違っている、聞き違いなさっているんだと思いますが、法的措置がどうのこうのということがございましたが、ご本人の。私はそんなことを申し上げませんでして、地方公務員法によりまして、退職されてからも守秘義務はあるんですよと、だから、それに触れないように、ぜひしていただきたいと、そのように本人さんには申し上げましたので、そのとおり9月1日の会議で申し上げました。
 以上です。
◯10番(土家靖起君) 市長、たまたまいま守秘義務があると言われましたけど、あの新聞記事だけを見ると、公務員法の第34条にいう守秘義務には当たらないんです。守秘義務というのは、私あえてここで、時間もあるので申し上げませんが、こういうことなんです。公的な秘密については原則として法令又は上司の命令によって定められるが、法令の定めや上司の命令がない場合には、そのことを一般に知られることにより地方公共団体がいかなる不利益を受けるかによって判断されるとなっておるんです。しかし、今回のように、あの程度の記事で、あの程度の記事ということは、何ら公務員法に抵触しないと思いますよ。そういうことでひとつご理解をしておいていただきたいと思います。
 それと、部課長会で申された新聞社に対して誹謗中傷しているのであれば、現に言われてまんねや、それ。だから、そういう事実があると言われたとするならば、この新聞社を訴えるのかどうか。その点ちょっとお答えください。
◯市長(谷奥昭弘君) 守秘義務については、ちょっといま資料を持ってまいれたら、お答えいたしますが、私が彼に申し上げたのは、ちょっとお聞き違いになっていらっしゃいますので、訂正させていただきたいと思うんですが、触れる可能性があるので、気をつけていただきたいと。(発言する者あり)いやいや、それはちょっと後でします。
 それから、新聞社に対して申し上げましたのは、違っている部分もございますと。それは申し上げました。だから、あとどうのこうのという話は一切しておりません。ちょっと待ってくださいね。(「それはよろしいねん」と土家靖起議員呼ぶ)よろしいの。(「それはわかってますねん」と土家靖起議員呼ぶ)
◯10番(土家靖起君) それでは、進めたいと思いますが、訴訟されている内容については、あなたも先ほど朝の藤井議員の答弁もなされたように、市民の皆さん方に十二分に説明のできるような、報告のできるようなきちっとした説明をしてほしい、市民の方もそういう思いなんです。それから、これについてのいま市長の政治責任はどのようにとるんだと言われている問題、これは当然問われてくると思います。したがって、私も同じ思いなんです。
 先般、3日前に、私のところへこんなはがきが来たんです。このはがきを見ますと、卑弥呼の庄、清掃公社と新聞紙面をにぎわした上に、裁判ざたとなり、さらにグリーンパークの黒いうわさ問題といい、桜井市民であることが情けない。しかも市長は、私たちに対して、個々の事項について何の説明も、その後の経過報告もしてくれない。市民あっての行政なのに、これでいいんですか。私に対して、以上3点を知る権利があります、ぜひとも議会で徹底的に追求してください、お願いしますと。これは桜井市戒重在住とこうなったはがきなんですけど、こういうはがきが4通ほど来ておるんです、手紙も。したがって、市民の皆さん方は、これについては非常な関心をお持ちなんです。
 そこで、いままでの話をさらに戻しますと、市長、今回のこの卑弥呼の庄について、市の担当窓口はどなただったのか、もう一度お答えください。担当者。責任者の部長でもどなたでも、担当の窓口、卑弥呼の庄にかかわる。
◯市長(谷奥昭弘君) 卑弥呼の庄の担当窓口は、いま現在の産業建設部でございまして、その当時は産業経済部の部長なり担当課長ということになります。
◯10番(土家靖起君) その部長が今日までの金額、土地の価格の決定について、私は昨日もこの元部長について、聞いたんです。そうすると、土地の価格については、私は一切かかわっていないと。土地は当然総務部のほうでお決め願う、決めてもらっていますからということなんですよ。したがって、この話は担当部長が、それぞれの開発公社の理事会で、あるいは、政策会議の場で当時の担当部長が土地の単価も含めて説明していたのと違いまっか。説明していたと思いますよ。その金額の決定なりを事前に話をされ、決裁されているのは、市長しかいないんです。したがって、3億8,000万円の土地価格を決めた経過について、市長と担当部長だけで決められたのか、ほかの部長はほとんど知りません。だから、その点、いま部長も退職されておる、ついていた担当次長、課長もかわられておる。そういう中で、決められた経過もまず先に教えてください。3億8,000万円の決まった経過。
◯市長(谷奥昭弘君) 土家議員さんもご承知で発言なさっているんだと思いますが(「いや、知りまへんで」と土家靖起議員呼ぶ)いやいや、土地開発公社の所有地でございまして、それで、外に出ておりますから、それで結構でございますけど、4億数千万で昔、平成6年ですか、に買っております。それと同時に、これは土地開発公社の持ち物でございますから、その当時の担当部長と土地開発公社とのあいだで当然話し合いがゼロやったということはないと思いますね。していることはあると思います。それで、結局、それではとてもいけないということで、私ども土地の鑑定をいただきました。それはご存じだろうと思いますが、平成20年代だろうと思いますけど、土地の鑑定をとりました。そしたら、七千数百万、8,000万を切っていたと思います。しかし、それでは8,000万を切っていたということになりますので、私どもとしても、何ぼ塩漬けの土地でもそんな形でということになりまして、再度鑑定はとらなかったと思うんですが、鑑定士さんに開発行為が行われて、なったら、大体見込み地としてどのぐらいのものなんでしょうかということもご相談を申し上げていたら、2億円ぐらいやったらいいんじゃないですかというお話でございましたので、土地の契約が2億円になったわけでございます。
 ただ、効力がないやないかとよく言われておるわけなんですが、向こうさんから申し出によって、1億8,000万円ほどの寄附金を出したいというようなお話もあったんですが、議会でもご質問していただいたこともあると思いますが、拘束力がないやないかと言われて、おしかりを受けた経過がございます。
 ですから、私とやめた担当部長と2人で決めたわけではございませんでしてね。当然、開発公社の理事会の、私は理事会に入っておりませんが、理事会の中でもそれぞれのやりとりを披露して決められたと思いますし、政策会議でもそれらを担当の部から提出して、説明した上で、最終的に決めたと、そういうことでございますので。
◯10番(土家靖起君) 市長、私は当時、これは一番ファームと話をする前段は、市長と担当部長と久門氏と大阪で話を決めたんでっしゃろう。当初は、一番先は。だから、20年の7月15日に株式会社ファームの社長、代表取締役から市長あてに、桜井農業公園の企画についてということで、桜井市が誘致しにいっているようになっておるんです、これを見たら。桜井市がね。したがって、貴市から桜井農業公園についての要請を受け、以来、農地の現地調整や協議を重ねてまいりましたと。1300年祭に合わせてこの事業を進めていきますということで、ファームの社長から桜井市長に来ておるわけやね。その後、ファームと桜井市と市長と協定を結んでおるんです。結んでおるんです、ファームと。
 したがって、今回、ファームの保証人を抜いた、保証人を抜いたことも、既にあのときは、21年の8月ということになれば、ファームの社長が、まほろばセンターである団体の人の話し合いのとき、ファームの社長が来ていて、もう大和さくらいになっていますけど、そこで私はファームから解任されてまんねんと。新しい社長ができてまんねんというような段階で、そのときに、保証人を抜いてくれという話が出ていたんです。だから、桜井市は、21年の8月に保証人を抜いてくれという話が既に出てきていますねん。そのときに、市長は、我々に対して、議会に対して、21年の12月8日にこのように言われておるんですよ。連帯保証人の削除については、私としては苦渋の選択という形になるのですが、私の責任において認めるということでさせていただきました。ただし、その際、大和さくらいの社長のほうから誠実かつ確実に履行していただく旨の確約を私あてにいただいていると、こういって市長、言うてまんねんで。この確約というのは、そうしたら、どんな確約でしたんですか。ちょっと答えてください。当時の確約。保証人を抜いた確約。
   (「議長、暫時休憩」と呼ぶ者あり)
◯副議長(万波迪義君) 暫時休憩します。
○午後2時11分休憩
○午後2時14分再開
◯副議長(万波迪義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
◯市長(谷奥昭弘君) ご指摘の点でございますが、21年11月19日に株式会社大和さくらいの代表取締役に就任した久門さんから、これは土地売買契約書及び寄附採納に係る誓約書をいただいておるわけでございます。書類としてはございます。
◯10番(土家靖起君) そういう確約書をいただいているということをこのときは言ってんねんから、当然あるように思いました。
 しかし、これ、また元の部長と話をしていくと、3億8,000万円の用地買収を決めた。後、2億円と1億8,000万円の寄附金に割った。この割った理由は、担当部長は、開発公社の理事会なり、あるいは政策会議なりには説明する段階の以前は、市長とこの部長と話ができてなければ、割る理由がどこにも出てこないんです。したがって、向こうのファームの社長が当時売買契約するとき、3億8,000万円やったら、こんなもの鑑定価格にしたら高いと、本社としては同意できないと。だから、売買価格を2億円にしてもうて、あと1億8,000万円で寄附しますわと、こういう話があったのかどうか。推定でっせ。そういう話があって、市長が2億円と1億8,000万円に割って同意されたのかどうか、その点ちょっと答えてください。
◯市長(谷奥昭弘君) いまのご質問でございますが、確かに私どもは、土地のその当時の帳簿価格が、議員さんもご存じとは思いますが、6億円台に16年間ほっておいたためになったわけでございまして、それは全体協議会でも説明したところでございます。そんなようないきさつがございまして、せめて当初は五、六掛けぐらいで処理したいなという気持ちがあったんですが、鑑定がなんせ七千数百万円。1割ちょっとしかないというような状況が現実でございましたので、担当部長が向こうへ行って話をしてまいって、いわゆる売買契約は2億円程度しか、世の中として通らないということでございましたので、私ども3億8,000万円を突っぱねていたら、これはだめになるやろうということもございましたので、それでは2億円でやったらということで。ただし、それでオーケーするからには、土地開発公社の中で議決もしておかなあかんし、それから、政策会議にもかけておかなあかんので、それはそのような、もしそれでやるということになれば、政策会議なり、土地開発公社の議決も必要だから、それはそれ相当のことはしてくださいということで申し上げたと思います。
◯10番(土家靖起君) そういうことになってきたら、さきにも議論になっておりました、なぜ5回に分けたのか。売買契約をその5回に分けた理由、いま改めてちょっとお尋ねをいたしたいと思います。
◯市長(谷奥昭弘君) 5回に分けました経緯は、確かに議員さんご指摘のように、土地代金のことでございますから、分けたところで2回ぐらいまでやというようなお話だろうと思いますが、ちょうど土地の所有権の移転促進計画等の関係がございまして、分割も可能なんだということでございまして、そのような観点から、地域一体的になった施設をつくって、そして、農業振興並びに地域の産業の振興に役立てたいという気持ちもあったわけでございますので、そういうような形が大和さくらいのほうから申し出もあったわけでございますので、苦渋の選択でやむなく受け入れたというところでございます。
◯10番(土家靖起君) 市長、ちょうどこの問題は、20年の9月議会にはじめて私がこの議場でお尋ねしたんです。その当時は、当然3.7ヘクタールの土地を、4億7,000万円で買った土地を6億1,000万円に簿価がなっておると。これがだんだん1年間たっていくごとについて、1年に1,300万円の利息が要るというようなこと、これは差損が出ても、3億8,000万円やったらやむを得ないなということで、私自身も、あるいは議会も市長の報告を受けて、それを了承してきたんです。
 ところが、いま市民の皆さん方は、市長だけこんなん新聞に書かれているけども、議会も責任あるやないかと言われておるんです。市長からあった申し入れは、私たちも当然報告を受けたんです。しかし、議会は、開発公社の土地であって、売買契約されているのは、公社の理事長と大和さくらいと売買契約されておるものですから、議会としての私たちの責務は報告を受けて了とするか、既に決まったやつを市長から受けて審議する程度なんです。だから、いまこの場で市長の政治責任を問うているのはそれなんです。市長のいままでの説明の中で、当然私は、観光の振興と農業の振興、あるいは当時は雇用の促進も言われておりましたので、この事業が農山村特定法の法律に基づいて進むことによって活性化される、そういう思いで了承したんです。私自身も、先月もある地域に行って、そんなもの土家君、おまえも議会で承認したん違うかと言われておるんです。当然報告は受けて、そのとおりなんです。しかし、そういうお方がおられたら、私はきっちりそこへ行って説明もさせてもらいまっせと、そういう説明はしてまんねん。
 しかし、この事業に対するこのいまの批判というのは、いま訴訟は原状回復せい、店から撤退してくれ、利息、使用料520万円、払ってくれということでっしゃろう。これ、まともに撤退して、更地になったとき、市長の目的であったあの地域を、あの法律を使って、特定農山村の法律を使ってしたら、あの事業全体が何もならんようになるんでっせ。それこそ市長の責任もさらに大きくなってくると思いますよ。そういう意味も含めたら、原状回復するのもよし、しかしながら、同じ債権者であれば、向こうでいま経営されている2人、あの方も桜井市も債権者なんです。だから、訴訟するまでに、あの債権者に対して報告を、説明をしたいと市へ申し入れあったそうです。市は、かたくなに拒否して、そして訴訟に打って出たと、4月8日、訴訟してましたやろう。だから、向こうの業者はいまそういうように言っておるんです、私らにもそう言ってまんねん。したがって、この事業がうまくいくかいかないかは、桜井市の今後の事業の展開に大きく変わってきますので、市長、この点について、お答えください。
◯市長(谷奥昭弘君) 土家議員さん、向こうさんからお聞きになっていらっしゃるので、そのとおりおっしゃっていただいているんだろうと思いますが、かなり事実関係が違います。実は、前年の8月ごろ、代理人である弁護士が四、五人来ました。そのときに、いろんな条件を向こうが申し上げていたんですが、かなりいい条件で、当初はですよ、土地を買うからというようなお話でございましたが、私会ってないことないんです、3回ほど会っているんですよ。次、今度はお二人の方が来られたら、土地買われへんから、そこの土地だけ売ってくれということでございましたから、それはだめですよと。これは、議員さんが先ほどおっしゃったように、農山村振興法で全体を網羅しているから、出たところの土地だけではだめですよということで、都合そのようなことがございまして、次は貸してくれというふうに、回数を重ねるに当たって、だんだん中身が変わっていったわけでございまして、そんなんを私ども市としてできないから、議員さんにも私申し上げたと思うんですが、この所期の目的の達成というのは、ご存じのように、農業振興と地域経済振興をやりたいということで、先ほどもご答弁したと思いますが、私は、裁判の結果、どんな結果になるかわかりませんが、結果がもうしばらくしたら出ると思います。出ましたら、改めて議員の皆さん方及び地域の皆さん方のご協力をいただいて、再度農山村振興法に基づいてやり直しをさせてもらいたいと、そういうふうに考えておるわけでございまして、若干お聞き違いの点もあろうと思いますが、私の言うてるほうが、それは合っていると思います。
◯10番(土家靖起君) 市長、時間もないようになってきたけど、この問題ばかりはできませんけれども、市長、元部長と、そして市の言っていることがまだまだかみ合わない点があるんです。したがって、この際、この場でいろいろ議論しても、同じ答えしか返ってきません。議長、この際、私は改めて地方自治法の100条調査に基づく調査特別委員会をつくって、これに付託の上、審査していただくことを特に要望いたしておきたいと思います。この問題については、今日は多くの傍聴のお方もおられますけれども、今後もそういう意味で引き続いて審議し、調査していきたいと思います。

2012年12月12日追記 倉橋農業公園問題の判決

12月12日の毎日新聞奈良版の記事から

桜井・農業公園訴訟:農業法人に土地明け渡し命ず−−地裁判決
農業公園「大和さくら卑弥呼の庄」(桜井市倉橋)の土地購入代金2億円を滞納しているとして、桜井市土地開発公社農業生産法人大和さくらい」(同)らに対し、土地の明け渡しと違約金の支払いなどを求めた訴訟の判決が10日、奈良地裁であった。池上尚子裁判官は、建物などを撤去して土地を明け渡し、09年3月から明け渡しまで1年につき約530万円の支払いなどを命じた。
 判決によると、大和さくらいは09年3月、同公社から土地約2・8ヘクタールを2億円で購入し、10年3月、大和さくら卑弥呼の庄をオープンしたが、資金繰りに行き詰まり、同10月に営業を中止した。同公社は代金の支払いを督促したが応じず、売買契約は解除されていた。【村本聡】

被告側は農業生産法人「株式会社 大和さくらい」と「株式会社倉橋」なんだろうと思います。
2007年にファームが「桜井農業公園 大和・卑弥呼の里」を2010年にオープンする計画を発表して以来の経過に一定の結末が出たというところ。建物の撤去であるとか,1年に付き約530万円の支払いとかが実行されるかは,まだ不透明なところなのかもしれません。
特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律に基づく事業でもあって,それがどう絡んでいるのかは,依然よく分かっていませんが。