ぐんまフラワーパークが選挙の争点に?

来年の群馬県知事選挙に於いて,自民党群馬県連が新人の推薦候補(現県議会議長)を決定したとのこと。
県議会議長は,出馬宣言の中で,現在4期目の現職 小寺知事(前回の2003年県知事選挙では自・公・社・保推薦)に対して「ぐんまフラワーパーク問題など,知事の事態把握が不十分だった」と批判を表明したとのこと。
もうひとつの問題のぐんま国際アカデミーは,まさに小寺知事の立場が問われていたものであるが,フラワーパークはちょっと違うように思います。
いずれにせよ,指定管理者制度と行政のガバナンスの問題としては,興味深いところではありますが。

選挙:知事選 自民が大澤議長擁立 笹川会長、山本氏に断念促す姿勢も /群馬

 ◇来夏の知事選
 自民党県連は9日、前橋市群馬県政会館で、知事選挙対策委員会を開き、県議会議長の大澤正明氏(60)=4期=を来夏知事選の同党推薦候補とすることを正式に決定した。大澤氏は「知事と県職員との意思疎通が十分でない、閉塞(へいそく)感のある現県政に風穴をあけるため出馬する」と、出席者を前に力を込めて決意を述べた。大澤氏は党籍を離脱し、無所属での出馬となる。これまで知事選には、5選を目指す小寺弘之知事(66)と自民党前県議の山本龍氏(47)が出馬を表明している。【藤田祐子、木下訓明】

 「ここに来るまでにはいろいろあったが出馬を決断した」。出馬会見で大澤氏は、ぐんま国際アカデミーへの私学助成問題やぐんまフラワーパークの経営問題などを具体的に挙げ、「小寺知事の事態把握が不十分だった」と批判した。
 会見に同席した県連会長の笹川尭・元国務相は「長い間お待たせした」と安堵(あんど)の表情を見せた。笹川会長は今年6月に「11月(26日)の県連政経セミナーまでには必ず官僚でない知事選候補者を披露する」と候補者条件や期限を設定しており、「(約束を守れなければ)会長を辞めるつもりだった」と述べた。
 候補者選定に時間を要した同県連。今夏までには県連と県市長会との間で、伊勢崎市出身で総務省審議官の岡崎浩巳氏(53)を知事選候補にする方針で一致。その後、県連幹部や市長らが“岡崎詣で”を繰り返したが、岡崎氏は最後まで態度を留保し続けたという。
 「白紙手形では会社(党県連)の経営はできない」。候補者選定の遅れは県連内部にいら立ちを広げ、県連幹部らは岡崎氏擁立を断念せざるを得なかった。こうした中で若手県議の間には官僚擁立への不満が出始め、大澤氏擁立への機運が高まり、「大澤氏なら県連内を一本化できる。議長であり『議会対知事』の構図は県民にも分かりやすい」(金子泰造県連幹事長)との声が大勢となっていった。今月5日、大澤氏は笹川会長に出馬の意向を伝えたという。
 山本氏と大澤氏の出馬に、県連内に共倒れ懸念があることについて、笹川会長は「山本氏には大澤氏と政策協定してもらい、我々と一緒になるよう話す」と述べ、山本氏に出馬断念を促す考えを示した。
 ◇知事「私は県民党」
 小寺知事はこの日、大澤氏の出馬について「知事は議員によって決まるのではなく、県民によって選ばれる。私は『県民党』です」とコメントを出した。
 山本氏は同日、ブログ(簡易型ホームページ)に「尊敬する大澤氏と政策議論が行えることは名誉。信念に従い堂々と議論を挑む」と記載した。山本氏は毎日新聞の取材に「4カ月の遊説で多くの県民の思いを背負った。信念を貫く」と出馬辞退を否定した。
毎日新聞11月10日朝刊

淡路ワールドパークONOKOROの運営を(株)ファームが 11月24日追記

淡路っ子さんからいただいた情報について,毎日新聞の同日記事から

淡路ワールドパークONOKORO:民間業者に運営委託−−経営悪化で県 /兵庫

 ◇34億円の回収不能
 県は17日、入園者の低迷で経営が悪化しているテーマパーク「淡路ワールドパークONOKORO」(淡路市)の運営を民間業者に委託すると発表した。同園を運営する県出資(53%)の第三セクター「おのころ愛ランド」が多額の債務を抱えており、運営継続が困難と判断した。三セクは08年までに任意で解散するが、県は出資金と貸付金計34億円の回収が見込めないとしている。
 同園は85年に建設された公園を明石海峡大橋の開通に合わせ再整備し、98年にオープン。世界遺産のミニチュアや大観覧車、旅の資料館などを備えている。県企業庁によると、入場者はピーク時(98年度)に100万人に上ったが、05年度は24万人に激減。オープン時から単年度赤字が続き、05年度末で債務超過は約27億円に上る。
 委託先は、淡路島など全国18カ所で観光施設を展開する「ファーム」(本社・愛媛県西条市)。県が黒字化まで施設を無償で貸し付ける一方、同社が経営責任を負う「公設民営方式」に移行する。
 同社は来年10月にも一時休園させ、釣り堀や新規遊具を導入して施設を整備。08年4月の再オープンから最低5年は運営を継続し、3年目以降の黒字化を見込んでいる。
 県は三セクの解散、清算に伴い、回収不能となる18億円の貸付金を債権放棄、出資金の16億円は特別損失として処理する方針。【竹内良和】
毎日新聞〔神戸版〕 11月18日朝刊

文化施設社会教育施設と言うよりは,完全に観光施設ととらえるべき施設のようですね。
出資金・貸付金の回収は見込めないながら,7年間の地域への経済効果を測定すると,実際の「黒字」「赤字」が明らかになるものととらえられるでしょう。
県にとっては,テーマパークを存続させることで,指定管理者への富の流出はあるものの,地域への経済効果を期待できる上に,当面,取り壊し料はいらない。一方,(株)ファームは,初期投資を軽減して得意な?ファームパーク運営を担うことができる。
県としては,県有施設の無償貸与のため,機会費用として行政サービス実施コストは生まれるが,指定管理料のようにそれ以上の支出はないため,表面上は望ましい形かもしれない。
ただ,県有施設を無償貸与する以上,県の責任は大きい。被委託者の責による損害を県民が被らないよう,適切な契約が行われることが必要であろう。

2007年8月21日追記

ぐんまフラワーパークで事故。産経新聞の記事からです。

ショー出演の着ぐるみスタッフ死亡 熱中症

 「ぐんまフラワーパーク」(前橋市柏倉町)で14日行われたキャラクターショーに着ぐるみを着て出演していた男性スタッフが突然倒れ死亡していたことが18日、分かった。群馬県警大胡署では熱中症の疑いもあるとみて、男性の詳しい死因などを調べている。
 同署などによると、14日午後3時5分ごろ、同パークイベント会場でアニメキャラクターの着ぐるみを着て、ショーに出演していた40代のイベント会社の男性スタッフが突然倒れた。男性は電気ショックで心臓を正常に戻す自動体外式除細動器(AED)による救命措置を受けた後、市内の病院に搬送されたが、間もなく死亡した。
 同市内はこの日、午後に入っても気温が上昇、最高気温35・5度の「猛暑日」だった。
産経新聞 8月19日

労災にはちゃんとするんでしょうが、健康管理責任、賠償責任が問われるかもしれません。

2008年5月14日追記 淡路ワールドパークONOKORO

2008年5月14日のエントリーで触れましたが,2008年3月15日に,県有施設ですが(株)ファームが県から借りて運営する公設民営の形で淡路ワールドパークONOKOROリニューアルオープンしました。