国立博物館等@総務省政策評価・独立行政法人評価委員会議事録から(9月10日)

政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会(9月10日開催)議事録から。興味を感じたところをいくらかメモ代わりに。

【伊藤審議官】…(国立科学博物館の)研究部の置かれております新宿分館、それから、日本橋の産業技術史資料情報センターの筑波移転、これは23年度に完了しますれば、新宿分館の跡地につきましては、処分する予定でございますし、産業技術史資料情報センター、こちらは賃貸でございますので、その契約を終了する見込みでございます。…

【野口臨時委員】…国立自然教育園なるものを科学博物館がこれからもずっと保有し続けることについてどういうふうに見直しをするおつもりがあるのかないのか…
【伊藤審議官】…自然教育園については、今申し上げたような観点から、研究の対象でもあり、また、社会教育施設としての性格も有していることから、科博のほうで引き続き管理していっていただくのがふさわしいのかなというふうには思ってございます。…

【吉田文化庁次長】…これはもう文化庁のほうの仕事になりますけれども、私どもとしては、この9月からそのような国立美術館や博物館に適した新しい法人類型のあり方について検討会をスタートさせる…

【野口臨時委員】…東京国立近代美術館で民間競争入札を導入したと。…今後一層の推進を検討とされていますが、それは具体的にはどういうスケジュールで、どのように考えられているのか…
【丸井独立行政法人支援室室長補佐】…そもそも導入したところは、業務の範囲としましては、施設設備の維持管理や清掃業務で、あと廃棄物の処理、それから、環境衛生の管理業務とかでして、あと一番大きなところが会場管理業務、これを統括管理業務一体として市場化テストを導入したわけでございまして、…さらにこの範囲をどこまで拡大できるかというところで今検討しているところでございます。
【野口臨時委員】…美術館活動の活性化を損なわない形というのは、具体的にどういうことを想定されているんでしょうか。
【高比良独立行政法人支援室長】…指定管理者制度の問題等々も、御存じかもしれませんが、いわゆるナショナルセンターとして、本来業務である学芸、展示、研究、そういうコアとなる部分については、きちんと独自に職員を配置して、運営をしていかないといけないだろうと思っています。そういうことで、その美術館活動すべてを民間競争入札ということではなくて、可能な範囲で民間競争入札は入れていきますと、ただし、一番コアになる部分については、きちんと美術館が、国立として運営していきます

学芸,展示,研究には市場化テスト指定管理者制度を導入すべきではなかろうとの文化庁官僚の発言。もっと声を大にして言って欲しい。

【吉田文化庁次長】…国際貢献ということでは、…カテゴリー2センターといったものを、この文化財機構に設けるという予定でございます。このカテゴリー2センターというのは、ユネスコに関係をするものでございます。カテゴリー1というのが、これはユネスコが直轄する研究所やセンターのことでございまして、カテゴリー2は、ユネスコの組織ではないけれども、ユネスコの賛助する研究所、あるいはセンターという位置づけでございます。このカテゴリー2センターの運営経費は、その設置する国が持つわけでございますけれども、ユネスコの名称ですとか、ロゴですとか、ユネスコ活動との関連について幅広く活動することができます。今回設立を予定しておりますものは、無形文化遺産条約との関係でございまして、アジア太平洋地域の無形文化遺産の保護に関する調査研究の場として、国立文化財機構がカテゴリー2センターを設置するということでございます。これは日・中・韓共同で行うものでございます。中国が人材育成、韓国が情報ネットワーク、そして我々が調査研究というような形で役割分担をして進めようとしているものでございます。…組織の見直しでございますが、これは先ほど申し上げましたカテゴリー2センターの設置というのがございます。ユネスコと日本政府との協定の中では、23年中に設置するという形になっております。また、組織の関連では、専門スタッフでございますけれども、今の現状としましては、学芸員がさまざまな業務を一手にやっているという状況がございますけれども、エデュケーターですとか、コンサベータですとか、そういったある程度専門的な事柄を担当するような専門職を順次配置をしていきたいと考えております。

【浅羽臨時委員】…統合によって少なくとも一般管理部門についてどれぐらいの合理化が図られたのかということについて説明をいただければと思います。…人員配置的にはどうなのでしょうか。
【高比良独立行政法人支援室長】いわゆる本来業務の研究部門、学芸部門は、やはり削減することがなかなか難しいです。中には退職後補充をしていないという部分も若干ありますが、基本的には研究部門、学芸部門の本来業務のところについてはできるだけ削減をしない。そのかわり、例えば守衛さんとか、事務部門については削減をしていっております。…一般管理部門は確実に人数も減ってございます。
【浅羽臨時委員】…今の不補充のことについて追加で教えていただきたいのですが、国家公務員同様に、文化財機構さんでも技能労務職員の方はもう退職者不補充でやっているということでよろしいでしょうか。そういう認識で、もう補充しないという方針でやっているということで。
【高比良独立行政法人支援室長】…確かに国家公務員は、守衛さんとか、自動車運転手さんは、基本的に不補充ということだと思います。しかし、博物館においては、やはり守衛さんですね、特にセキュリティーの問題がございますし外注だけで24時間きちんと対応できるかという問題もあり、やはり臨機応変に、入館者のサービスも含めて、どうしても必要な部分が残っておりまして、完全に不補充ではないということでございます。やはり博物館を運営するためにはどうしても必要な部分については、補充をするということで考えております。
【浅羽臨時委員】具体的には守衛さんということですか。
【高比良独立行政法人支援室長】はい、守衛さんだけです。
【浅羽臨時委員】守衛さんだけ。
【高比良独立行政法人支援室長】はい。
【浅羽臨時委員】それは退職者不補充ではやはり無理だという御判断でということですか。
【高比良独立行政法人支援室長】そうです、はい。
【浅羽臨時委員】…国家公務員のほうでもずっと不補充でやってきていて、例えばこの2号館の合同庁舎も、守衛さんがどんどんどんどん入れかわっていて、…やはりそれとはもう根本的に何か違うことがあるということでしょうか。
【高比良独立行政法人支援室長】…やはり警備については、外注しているところの人たちの教育も含めて館としてきちんと対応もしないといけませんので、そういう人たちを確保した上で、その外注の方々の指導に当たらないといけないと思っています。帝室博物館の歴史も持っておりますし、特に東京国立博物館、それから、京都国立博物館等々、奈良博もそうですけれども、皇室関係の方々も相当頻繁に観覧にも来られますので、やはり国立文化財機構として、重要な部分については必要であるというふうに認識をしております。

守衛さんを外注にできないかという趣旨でしつこく浅羽臨時委員の側は問いかけているようですが(「守衛さんがどんどんどんどん入れかわっていて」という問いかけを見ると,実はこの人も守衛さんは外注すべきではないと思っているようにも思う),もし,盗難があったら,こういう人は全く責任は取らないし,まあ,取れるわけでもない。博物館としては,身をけずってもセキュリティーには気をつけなければならない。それがあたりまえ。