飛騨市の山之村牧場他

5月3日の中日新聞岐阜版の記事から

山之村牧場、連休営業できず 市と主張食い違い
冬期休業中だった飛騨市神岡町森茂の農業公園「奥飛騨山之村牧場」が5月の連休になっても今季の営業を開始できないでいる。運営する第3セクター会社内で運営方針が食い違っているためという。市は今月中の開業を目指し調整している。
 牧場は、過疎の進む地域の活性化を図ろうと、旧神岡町が標高800−1000メートルの高原地にある山之村地区の20ヘクタールに約20億円かけて動物とのふれあい広場やソーセージ工場などを整備し、2004年4月にオープンした。
 3セク会社・奥飛騨山之村牧場の株式は市が51%、全国で農業公園を運営する会社「ファーム」(愛媛県西条市)が46%を保有し、実質的にはファームが牧場を運営している。2004年度に10万7000人だった来場者は07年度は2万人と5分の1に減少したが、ソーセージなどの生産・加工部門は好調で07年度経常収支は20万円の黒字だった。
 ファームの久門渡社長は、生産部門中心の運営に変更するなどの方針を昨年秋に市側に伝え、了承を得ていると主張。市は「観光、生産一体でお願いしたい」との姿勢で、両者の折り合いがついていないという。
 3セクの社長は前市長の船坂勝美氏が務めていたが、2月の市長選敗北後に退任し、空席のままだ。
 井上久則市長は2日、ファーム社を訪れ、久門社長と協議した。井上市長は「1日も早く開園できるよう最善の努力をする」としている。
 (古池康司)

ファームパーク関係のエントリーは,これまでもいくつか書いてきましたが,実は奥飛騨山之村牧場の件は,このブログでも初出です。
昨年9月の市議会定例会での議員の質問によると,2006年度の経常収支についても,観光,製造部門合わせて20万1千円だったとのこと。入場者数については,2004年度が約11万人,2005年度が約6万人,2006年度が約4万人で,今回の報道では2007年度が約2万人ですから,製造販売部門の頑張りなどで何とか黒字を出しているにしても,よほど苦労して支出を抑え,何とか運営できているところだったと思います。
市の答弁は,2004年に(株)ファームの運営する「チロルの森」(西条市)が台風による集中豪雨で被害を受け,(株)ファームとしてそちらに注力せざるをえないという事情があって,山之村牧場へのてこ入れが遅れたという点もありつつ,山之村牧場は雇用と観光,地域振興の面で一定の役割を果たしてきており,まだスタート間もない時期なのでもう少し見守っていただきたいというもの。
その流れの中で,今回の報道は,第三セクター内での運営方針の違いが明らかになったということです。
今こそ,施設を所有し,また指定管理者である(2006年度から2008年度の3年間)第三セクター筆頭株主でもある飛騨市としては,市長が交代したという状況の変化のなかで,行政として,この施設をどう考えていくのかが問われています。「共同運営者」である(株)ファームとの協議は当然必要ですが,そもそも市の財産,市民の財産をどうしていくのかということが根底になければなりません。
飛騨市としては,2009年度から指定管理者を公募するという考えも持っているようですが,そうであるならば,なおさら,施設の目的や要求水準を市としてどう考えるのかが問われるところです。

5月29日追記

5月29日の毎日新聞岐阜版の記事から

奥飛騨山之村牧場:「赤字撤退はない」 株主社長、住民に説明
飛騨市神岡町郊外にある標高約1000メートルの山之村地区に4年前オープンした第三セクター奥飛騨山之村牧場」の今期の開園が遅れている問題で、株主の「ファーム」社(本社・愛媛県、久門渡社長)が27日夜、同地区公民館で住民説明会を開き、久門社長は「生産計画は出来上がっており、市の人材協力があれば早く再開したい」などと語った。
 同牧場は総面積13ヘクタール。飛騨市が、若者の流出や農業生産者の高齢化が進む同地区の活性化を目的に、国・県の補助事業を受けて整備。飛騨市日本昭和村美濃加茂市)などを経営する「ファーム」社などが出資、第三セクター会社「奥飛騨山之村牧場」として04年春にオープンした。放牧場のほか、肉製品と乳製品の加工施設などがある。山之村は中河与一の小説「天の夕顔」の舞台で知られる。年間15万人の観光客が予想されたが、半年間は雪で閉鎖されることもあり、入場者は初年度の10万7000人をピークに減少の一途。昨年度はわずか2万人だった。
 例年ならゴールデンウイーク前の開園が遅れていたことについて久門社長は「食肉加工者が退職したことが遅れの理由。牧場を肉・乳製品の生産拠点にしたいという思いに変わりない。全国に20の公園を持っているが、赤字だからと言って撤退するようなことはしない」と説明。これに対し、山之村振興協会の下梶勝彦副会長(56)は「地元民の雇用の場で山之村のシンボル的存在。牧場を盛りたてて行く気持ちに変わりない」と一日も早い再開を期待していた。【奈良正臣】

株式会社奥飛騨山之村牧場が運営する施設「奥飛騨山之村牧場」が営業できていない問題の続報でした。
記事のタイトルにもありますが,「株主社長」が説明とのこと。株式会社奥飛騨山之村牧場は51%が飛騨市,46%が(株)ファームが出資していて,筆頭株主でこそありませんが,(株)ファームの意向は経営上極めて重要なことですね。
でも,なんだか,飛騨市所管の第三セクターは資金管理等を表面上担当するトンネル会社で,実質は(株)ファームに運営を丸投げしているように思えてしょうがありません。実態のはっきりしない第三セクターを指定管理者とするよりも,(株)ファームを指定管理者とした方が,市の責務と,指定管理者の責務の範囲が明確になるかもしれませんね。ただ,第三セクターの意向?もあるでしょうし,今後指定管理者を公募するときに,(株)ファームが応募してくるかどうかも別問題ですが。

ONOKORO再開

同じく(株)ファームつながりで。
しばらく前ですが,3月16日の神戸新聞淡路版の記事から

ONOKORO再開 新遊具「芝すべり」に歓声
昨秋から休園していた「淡路ワールドパークONOKORO」(淡路市塩田新島)が十五日、リニューアルオープンした。駐車場を無料化し、子ども向け遊具を設置するなど一新。オープン初日は島内外の子ども連れら家族でにぎわった。(高森 亮)
 ONOKOROは、県の公園を第三セクターが継承して一九九八年にオープンした。しかし入園者数の伸び悩みで昨年十月に休園。「淡路ファームパーク・イングランドの丘」(南あわじ市)などを手がけるレジャー会社「ファーム」(愛媛県)が運営を引き継いだ。
 開園前に入園ゲート前でオープニングセレモニーがあった。井戸敏三県知事が「淡路島の観光拠点となる地域密着型の施設にしてほしい」と再出発を祝い、テープカット。園内では、長さ四十五メートルの芝生の上を滑走する「芝すべり」など新設の遊具に人気が集中。子どもたちは列を作り、晴天のなかを気持ちよさそうに滑っていた。
 オープニングイベントとして、十六日は先着三百人にイングランドの丘の招待券や飲料水(先着五百人)のプレゼントがあるほか、よさこい踊り(十六日午前十一時、午後一時半)や無料お菓子まき(二十日午前十一時、午後一時半、入り口ゲート前)などがある。
 入園料は、中学生以上八百円▽四-十二歳四百円▽三歳以下無料。年中無休で営業時間は午前九時半-午後六時(十一-三月は午後五時)。問い合わせはTEL0799・62・1192

淡路ワールドパークONOKOROについては,2006年11月24日(11月14日のエントリーの追記欄参照)に,兵庫県が(株)ファームに運営を委託するということがニュースとなっていました。
それまで運営していた兵庫県の三セク「おのころ愛ランド」を清算し,施設を,黒字になるまでは無償でファームに貸し付ける(公募:淡路ワールドパークONOKORO 施設活用事業者選定委員会で選定)公設民営方式で開園するというものでした。
議会では,なぜ無償で貸し付けるのだという声もあったようですが,今回施設が再開し,春休み,ゴールデンウィークとたくさんの人が訪れ,好調なスタートとなったようです。県施設として,地域,県民に親しまれた施設としての今後を期待いたします。
 

2007年7月23日追記 広島ニュージーランド村と大和・卑弥呼の里

ファームが運営する「広島ニュージーランド村」(広島県安芸高田市高宮町)が2008年8月末日をもって休園とのこと。残念です。
7月19日の中国新聞の記事から

広島NZ村、集客減で休園へ
安芸高田市高宮町の農村型観光施設「広島ニュージーランド村」を運営するファーム(愛媛県西条市、久門渡社長)は、集客減や施設老朽化などを理由に、8月末での休園を決めた。
 広島ニュージーランド村は事業費約30億円で1990年7月に開設。約100ヘクタールの敷地に観光牧場や食堂、ソーセージ工房を持ち、ヒツジの毛刈りなど動物との触れ合い行事で人気を集めた。中国地方一円から入場者を集め、初年度(9カ月11日間)は無料開放などを除き36万人、2年目に最多の 57万人を記録した。しかし、国営備北丘陵公園庄原市)など競合施設の増加と原油高による行楽控えが響き、昨年度は約10万人に落ち込んでいた。
 ファームでは「開業18年で、施設の老朽化が進み行楽ニーズも変化した。入場の伸びは見込めず同村は役割を終えたと判断した。休園し今後の展開を考えたい」としている。

旧高宮町時代の1988年に「高宮虹の家族村構想」を町が策定しています。ここはその中心的な施設であり,また高宮町がニュージーランド・セルウィン町と姉妹提携を締結したきっかけとなったりしていたんですけれども。



一方,7月18日の日経新聞の記事から

ファーム、2010年に奈良・桜井市に農業公園開設
農業テーマパーク運営のファーム(愛媛県西条市)は17日、奈良県桜井市に「桜井農業公園 大和・卑弥呼の里」を2010年にオープンする計画を発表した。桜井市と市有地約3.7ヘクタールの売却を受けることで基本合意。古代米や雑穀などを「古代食」として売り物にし、年間50万人の集客と15億円の売上高を見込む。
 開設予定地は倉橋ため池の西岸。ファームなどが出資して農業生産法人を設立し、市と今秋をメドに土地売買などの正式契約を結んで09年9月に先行開業、10年3月に全面開業する計画。
 古代米やアワ、キビなどを栽培する棚田約2ヘクタールや人工水生空間(ビオトープ)を中心に、物販施設や休憩所を設ける。駐車場は大型バス150台、乗用車500台を収容可能。古代米や雑穀のほかアワもちやキビ団子などの加工品を販売する。

同じく18日の産経新聞の記事から

「農業公園・卑弥呼の里」整備へ 邪馬台国候補地の桜井
弥生時代の首都・邪馬台国の候補地の奈良県桜井市で、農村型テーマパークを全国展開する開発会社が、弥生時代の主食とされる赤米などを栽培して観光客らに提供する「桜井農業公園大和・卑弥呼の里」(仮称)を整備する計画を打ち出し、17日、同市内で発表した。長年“塩漬け状態”だった同市倉橋の市所有の雑草地で棚田に整備し、来年9月のオープンを目指すとしており、ユニークな事業として注目されそうだ。
 計画を打ち出したのは、愛媛県西条市に本社を置く「ファーム」。同社は岩手や岐阜、広島など全国20カ所で欧州や昭和30年代の日本の農村風景を再現し、動物とのふれ合いや農作物の生産加工を中心としたテーマパークを展開している。
 今回の公園予定地は、市土地開発公社が平成6年度に、ため池を中心とした公園整備のため約4ヘクタールを先行取得したが、計画が頓挫したまま放置されている。桜井市が今年4月、市有地の活用を持ちかけたのを機に、同社が本格的に事業を計画したという。
 構想では、約4ヘクタールの市有地を同社が購入し、2ヘクタールの棚田を整備して赤米や粟などを栽培。もちやだんごに加工して販売するという。栽培は地元の農家に協力してもらい、農業体験コーナーも計画。花火大会や棚田のライトアップも行い、年間50万人の来場と3〜5億円の収益を見込んでいる。
 ただ、同社が展開した「山口ニュージーランド村」(山口県)など数カ所は、ここ数年で相次いで休園している。同社は「台風などで施設が損壊して休園したが、桜井ではそういうことはない」と強調し、久門渡社長は「古代国家発祥の地から、古代米を桜井ブランドとして全国発信したい。農業に付加価値をつけることで、多くの観光客が呼び込める」と意欲をみせた。
 谷奥昭弘市長は「土地の売却価格や地元住民の合意など条件が整えば市としても協力したい」と話した。

箸墓古墳(倭迹迹日百襲姫命大市墓)のある桜井市ですね。予定地は箸墓からは5kmぐらい離れているようですが,周囲には古墳も多い場所です。予定地は東に面した斜面でしょうが,そういう場所はどうなんでしょう。

7月18日の朝日新聞奈良版の記事から

桜井市南部に農業公園 ◆市の打診受け整備構想提示 ◎愛媛の会社「ファーム」
農業公園などを運営する民間会社「ファーム」(本社・愛媛県西条市)は17日、桜井市南部に農業公園を整備する構想を発表した。市有地を買い取って棚田を整備し、古代米やアワなどを栽培。団子などの加工品を「桜井ブランド」で売り出し、公園内や同社が全国20カ所で運営する施設で販売するという。市は「合意できるか条件面などを詰めたい」としている。
 市内で会見した同社によると、同市倉橋に市土地開発公社が所有する約3・7ヘクタールの土地を買い取り、約2ヘクタールを棚田に整備し、古代米などを栽培。大型バスや車計650台分の駐車場を整備し、農産物直売所も設ける。同市に卑弥呼の墓との説もある箸墓(はし・はか)古墳や古代の交易の場「海柘榴市(つばいち)跡」があることから、「大和・卑弥呼の里『平成の海柘榴市』」(仮称)とし、運営主体として農事組合法人を設立する。
 来年9月の試験オープン、10年3月の正式オープンを目指す。市内農家と契約し、最終的に栽培面積を50ヘクタールに増やしたいという。
 この土地は94年、大型公園用地として同公社が先行取得したが計画が頓挫。その後、かんぽ保養所の誘致など様々な活用策が浮上したがいずれも実現せず、現在は荒れ地で雑草が茂っている。今年4月、市担当者が農業公園の整備を同社に打診し、同社がこの日、市に構想を提示した。久門渡社長は「歴史のある桜井であれば、年間50万人の来場と5億円程度の売り上げは見込める。11月までに市と基本合意したい」と話した。
 谷奥昭弘市長は「構想にマイナス面はないが、県の許認可や土地の売買、地元の協力などを詳細に検討したい。合意できるようならば市として協力したい」と話した。

7月29日追記 山之村牧場からの撤退がほぼ確定

7月29日の中日新聞の記事から

夏休み中開園は絶望的 3セク山之村牧場
閉園状態が続く飛騨市神岡町森茂の第3セクター農業公園・奥飛騨山之村牧場の運営をめぐり、市と3セクに加わる「ファーム」(愛媛県西条市)との対立が深刻化している。ファームは運営からの事実上の撤退を市側に通告して従業員を引き揚げており、夏休み中の開園は絶望的だ。
 市やファームによると6月下旬に市役所であった株主総会は、本年度の運営方針をめぐり市の「生産、観光一体」と、ファームの「生産特化」という主張が平行線をたどり、昨年度決算を承認しただけで終わった。
 ファームはその後、牧場の管理運営を停止すると市に通告。今月12日までに、従業員3人を同社の別部署へ異動させ、飼育する牛5頭を売却した。牧場は無人状態で雑草が伸び放題になっている。3セクの指定管理契約は来年3月まで。市は3月を待たずに指定管理を解除することも検討している。
 牧場は旧神岡町が地元の雇用創出や活性化を目指し、総事業費約19億円で開設。小動物ふれあい広場や食材加工体験施設などを整備し、2004年春にオープンした。来場者は初年度は当初見込みの10万人を超えたが、07年度は2万人まで落ち込み、累積赤字は2200万円に膨らんだ。運営方針の対立で今季の開園が春以降、延期になったままだ。
 ファームの総務担当者は「半年前からの提案が市に受け入れられなかった。運営から距離を置く」と述べた。井上久則市長は「事実上ファームに運営を丸投げし、あいまいなままにしてきたのが問題だった。地元住民には申し訳ないが、市の方針ははっきりと貫く」と話している。
  (古池康司)

同じく,7月29日の岐阜新聞の記事から

奥飛騨山之村牧場」今季の営業再開は困難
飛騨市神岡町森茂の第3セクター農業公園「奥飛騨山之村牧場」が、施設の運営方針をめぐって最大株主の市と民間会社のファーム(本社愛媛県)との間で調整がつかず今季の営業が開始できない問題で、ファームが市に「7月12日をもって牧場の管理運営を停止する」と文書で申し入れていたことが28日、分かった。ファームは12日以後、牧場から3人の社員やジャージー牛を引き揚げ、今季中の営業再開は絶望的な状況となった。
 同牧場は、旧神岡町が約20ヘクタールの高原に動物とのふれあい広場やレストラン、肉、乳製品の加工場、農産品販売所などを整備し、飛騨市が誕生した2004(平成16)年にオープン。市が51%、ファームが46%を出資する3セク方式で運営していた。
 オープン当初、約10万7000人だった年間入場者は、05年度は約5万人、07年度は約2万人と急激に減少。4年間の経常収支は約2200万円の赤字。昨年秋から、生産部門の特化を求めるファームと、レストランや物販事業の継続を主張する市との間で交渉が続いていたが、双方の溝は埋まっていない。
 井上久則市長は「このまま牧場を閉鎖するつもりは全くない。1日も早い再開に向けて何らかの手を打たなければならない」と述べた。ファーム関係者は「交渉過程で提案や希望が受け入れられなかった。けじめをつける意味でも、牧場の運営から手を引かざるを得ないと判断した」と話している。

おそらく,当初から(株)ファームが実質運営することを前提として,山之村牧場事業がスタートしたんでしょう。
 市(神岡町)としては,土地を所有したままでの事業展開,(株)ファームとしては初期投資を節減しての事業展開という点で,両者の利益が一致してスタートしたものの,(株)ファームが運営から撤退するだけで,事業はストップしてしまう。
いわゆるPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)のあり方としては,典型的な失敗例とも言えるかもしれません。
 特定の企業の運営を前提とした場合には逃れようのないことなのか(違約金その他を設定しても,もし当該企業が倒産すれば損失は免れない)。
 さらに,今回の場合は,第三セクター運営とした時点で,当該企業の責任が不明確となってしまいます。
地方自治体と企業との「パートナーシップ」,語感は素敵ですが,住民としては要チェックですね。

8月31日追記 平成の大合併がどう山之村牧場に影響する?

8月30日の中日新聞岐阜版の記事から

飛騨市政懇が紛糾 古川と神岡、地域で温度差
飛騨市の市政懇談会が28日夜、同市神岡町東町の町公民館であった。古川対神岡という地域対決の構図になった2月の市長選以来、初の開催。住民から市政批判が相次ぎ、選挙のしこりが今なお大きいことを印象づけた。
 会場には住民ら約380人が訪れ、立ち見も出た。井上久則市長は、市の財政状況や重要課題などを一通り説明した上で、地元の懸案である神岡鉄道については「黒字にならない以上、列車を走らせるわけにはいかないが、一方的に(レールなどを)撤去するつもりはなく、利用法を考えたい」と述べた。
 市側の説明後、住民10人ほどが次々と意見を表明。井上市長の進める「政策総点検」を挙げて「対等合併の基本理念が守られていない」「市長自身の主体性が見えない」「市長自身が意見を聞きに出向くべきだ」と批判をぶつけた。意見が出るごとに、賛同の大きな拍手がわいた。
 今月8日に住民有志がつくった「地域自治・自立の会」のメンバーも市政批判を展開。井上市長は「自立の会とは話し合いの場を設け、互いに理解を深めたい」と応じた。
 運営再開のめどがたっていない奥飛騨山之村牧場についても市への不満が噴出。井上市長は「運営会社を解散させ、新たな指定管理者を探し来年度には再開させる」と答えた。懇談会は予定を30分超えて、午後10時に終了。井上市長は「活発な意見が多く出たと受け止めている。今後も必要なら、このような機会を設けるよう検討したい」と述べた。・・・

市が51%出資して設立した第三セクターの運営会社「株式会社奥飛騨山之村牧場」を解散するとの市長の意向ですね。
それにしても,来年度には再開させるという前に,市として,この農業公園「山之村牧場」をどう地域で位置づけるか,十分な検討が必要です。現市長は,もと古川町収入役だったようですが,神岡地域にある市の施設「山之村牧場」にどういうスタンスであたるのか,ちょっと興味深いですね。

10月12日追記 飛騨市は指定管理を取消

10月12日のエントリーで続報を追記しています。

2009年1月21日追記

1月20日の中国新聞の記事から

安芸高田市に産直市開設へ
レジャー施設運営のファーム(愛媛県西条市)は、安芸高田市八千代町に農産物の直売所を開設する。地産地消ニーズを受け、農村型観光ビジネスの新業態として全国展開する計画の一環。地元の農家に、農産物などの持ち込みを呼び掛ける。
 直売所は、国道54号沿いのJA広島北部(安芸高田市)などの所有地約8000平方メートルを賃借して建てる。木造平屋で売り場面積は約1100平方メートル。農産物やヨーグルトなどを販売する。テナントとして精肉店鮮魚店も予定。230台収容の駐車場も設ける。
 建設予定地にある既存施設の解体を今月から始め、4月中旬の営業開始を目指す。
 予定地では地元農家約100人でつくる出荷協議会が約10年前から、仮設テントで「八千代産直市」を運営。施設の老朽化など改善が必要となっていた。市の紹介でファームが協議会と話し合い、店舗を建設して運営することで合意した。

安芸高田市広島ニュージーランド村は2008年8月末で閉園となっていましたが,地産地消をコンセプトに「八千代産直市」を引き継ぐ形で施設を作ると言うことですね。
(2010年6月22日追記 2009年4月にオープンした産直市場市倉八千代店のことでしょうか。そこの運営は株式会社市倉です。)

2009年4月7日追記

「株式会社大和さくらい(桜井農業公園)」(住所:奈良県桜井市大字倉橋1115番地桜46)が職員を募集しています。
事業内容が書かれています。

この施設は古代農業をテーマにし、日本の食文化の原点を来園者に提供するものです。古代米を使った食品、土産品を園内レストラン、売店で販売します。

これまでのヨーロッパ風のファームパークではありませんが,前の報道では,2ヘクタールを棚田に整備するという記述もあり,楽しみなところです。

2009年11月5日追記

株式会社ファームの大和さくらい農業公園開設準備室が職員やアルバイトを募集しています。2010年3月にオープンのようです。

2010年2月23日追記

2010年1月29日の読売新聞関西発の記事から

桜井に体験型農業公園…古代米収穫や牛と触れ合い−3月20日オープン 地元農家ら運営
桜井市倉橋に、地元農家らでつくる農業生産法人が運営する農業公園「大和さくらい 卑弥呼の庄」が3月20日、オープンする。約4ヘクタールの園内では、収穫した古代米や特産の野菜などをレストランで味わうことができ、牛乳を煮詰めて作る古代のチーズ「蘇(そ)」の実演販売なども行われる。
農業公園は、各地で農業公園の運営などを手掛ける「ファーム」(本社・愛媛県西条市)が市有地を購入。現地法人として設立された農業生産法人「株式会社 大和さくらい」が運営する。
 800席ある大型レストランでは、園内の棚田(約1・3ヘクタール)などで栽培する古代米「赤米」や大和野菜を食材に、一流シェフによるバイキングが楽しめる。農作物の収穫、牛や羊と触れ合う体験型イベントも開催。わら細工や吉野杉の民芸品の展示即売など物販コーナーもある。
 日本書紀万葉集などに登場し、市内にあった日本最古の市場とされる「海石榴市(つばいち)」にちなみ、同法人は「平成の海石榴市」として観光交流拠点を目指しており、社長の笹本猛さん(55)は「森に囲まれた農業公園の近くには貯水量180万トンの農業用ため池があり、まさに緑と水にあふれた環境の中で、『癒やし』を感じてもらえれば」と話している。
 JR桜井駅から車で約10分。駐車場は、乗用車400台、大型バス50台が収容可能。問い合わせは、同法人(0744・46・5511)。

地元農家などでつくる農業生産法人「株式会社 大和さくらい」が運営とのこと。
牛や羊とふれあうイベントは何だか余分な感じもしますが,棚田を活かして古代米を栽培するというのは興味深いです。

2010年3月22日追記

大和さくらい 卑弥呼の庄」が3月20日(3月14日に内覧会)にオープンしたとのことです。運営は「株式会社 大和さくらい」で代表取締役は久門渡氏(久門氏は(株)ファームの代表取締役を退任したという噂もある)。
利用案内チラシはこちらこちら
入場無料の農業公園(ただし,駐車場料金が2時間500円(300円の金券付き))と,バイキングレストランで構成しているようです。
なお,「特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律」に基づく事業という側面もあるようです。「特定農山村地域における農林業等活性化基盤整備促進事業」とか,「農林業等活性化基盤整備計画」とか,「農林業等活性化基盤施設設置事業計画」,「所有権移転等促進計画」など,いろんな言葉が出てきます。必要に応じて調べてみたいとは思いますが。

2010年6月22日追記

6月22日の奈良新聞の記事から

土地代金 未払い - 農業公園「卑弥呼の庄」
桜井市倉橋の市有地約4ヘクタールを2億円で購入する契約を結び、今年3月に農業公園「卑弥呼の庄」をオープンさせた農業生産法人「株式会社大和さくらい」(久門渡代表取締役)の土地代金支払いが滞っていることが21日、市議会の一般質問で明らかになった。
卑弥呼の庄」は、市特定農山村地域農林業等活性化基盤整備計画に基づき、県の開発許可を得て、レストランや特産品販売所、ため池を活用したレジャー設備、菜園などを整備して開業した。
大和さくらいと桜井市土地開発公社が昨年3月に交わした契約では、土地代金は、昨年10月から5カ年で、5回に分けて 500万円〜9000万円ずつ支払われることになって…

奈良新聞のサイトでは途中までしか読めません。奈良新聞本紙にはもう少し詳しく載っているのでしょう。後日桜井市議会の本会議の会議録でも確認できるかとは思いますが。
1回目,昨年10月のものが未払いなのか,2回目が未払いなのか,ここまでの情報ではよくわかりません。
まだオープンして3か月。ぎりぎりと請求して農業生産法人内部留保を削るよりも,地元にも観光客にも魅力あり,集客力の施設になれば良いというのも一つの考え。とはいえ,契約の履行ができていないのも事実。う〜ん。

2010年6月22日追記

web上の読売新聞奈良版の記事にもう少し詳しく出ています。

卑弥呼の庄 用地代2億円回収ピンチ − 桜井市誘致 農業法人が1000万円滞納
桜井市が農林業の振興策として誘致し、3月に開園した同市倉橋の農業公園「大和さくら卑弥呼の庄」を運営する農業生産法人が、市から購入した公園用地(約4ヘクタール)の代金を滞納していることが21日、明らかになった。分割払い初回分の1000万円が未納で、購入額は2億円に上ることから、今後さらに滞納額が膨らむ可能性もあり、市は回収に向けて対応を検討する。
この日の市議会本会議で、土家靖起議員の一般質問に、谷奥昭弘市長が答えた。谷奥市長は「さらに強く契約履行を求める」と述べた。
卑弥呼の庄」は、全国で農業公園などを展開する民間会社「ファーム」(愛媛県西条市)に市が呼びかけ、同社と地元農家などでつくる農業生産法人「株式会社大和さくらい」(久門渡代表)が運営。市内の観光交流拠点を目指し、大和野菜を使った料理の提供や土産物販売、動物との触れ合いイベントなどを行っている。
市によると、同法人は昨年3月、市有地を2014年までの6年間に500万〜9000万円の5回分割払いで購入する契約を市土地開発公社と締結。しかし、09年10月末が期限の初回分1000万円が未納となり、4月末までに延期しても支払われず、10月末が期限の2回目の支払いも具体的な説明がないという。
来園者は1日平均500人程度で、同法人が開園当初に見込んだ約1700人を下回っているとみられ、昨年12月には、「ファーム」が同法人の連帯保証人を解除する契約変更があり、代金の回収は難しい状況になっているという。
 同法人の広報担当者は「責任者が入院しており、今は説明できない」と話している。

未払い分は初回分の1000万円とのこと。
それにしても「連帯保証人を解除する契約変更」ってのが引っかかります。農業生産法人の出資者は?卑弥呼の庄建設を請け負ったのはどこ?なども疑問として出てきます。
卑弥呼の庄」は来訪者のブログを見る限りではまだまだ魅力にかけるようですが,せっかくの施設。単なるレストラン,どこにでもある公園ではなく,卑弥呼古代米といったテーマを全面に押し出した価値提供型のパークになれれば良いのですが。

桜井市議会の平成21年12月定例会から

東山議員
 市長は、倉橋農業公園についても、企業誘致の一つとして積極的に支援をしていきたいと発言しておられますが、今年の自治連合会でも「秋には仮オープンできる」とあいさつされていましたが、その計画が相当ずれ込んでいるようであります。また、先般の説明では、企業の契約を変更し、連帯保証人を抜いたと聞きましたが、なぜ当初つけていたものを契約変更までしなければならないのか理解に苦しむところであり、市長が苦渋の選択で決断されたことと聞きましたが、なぜそのようなことになったのかお聞きします。また、今年度10月に支払われる予定の土地代金の支払いも延びているようでありますし、契約通りに本当にこれからやっていけるのかと心配しているその2点をお聞きしたいと思います。
谷奥市長
 倉橋農業公園についての市のかかわり等の問題についてご回答申し上げたいと思います。ご承知のように、この事業は倉橋地区の活性化を目的として用地を取得したにもかかわらず、長年にわたりまして活用方法がないということで、今日まで塩漬けの土地になっておることはご承知だろうと思います。そこで、私たちは当初の目的を達成すべく、特定農山村法に基づきまして、桜井市林業等の活性化基盤整備計画を策定し、奈良県知事の承認を得た上で、事業の進捗を図ろうと取り組んでまいりました。本来は、桜井市の直接の事業として展開したらいいんでしょうけれども、それも財政状況だけではなしに、事業そのものがうまく当てはまらないということもございましたので、今日、桜井市の協力依頼に呼応していただけるような企業と出会うことができたわけでございます。議員も既にご承知のように、農山村の活性化のための実現を図るため、今後とも多くの方々のご理解をいただきながら、住みよい農山村の育成に寄与するために、この法の許される範囲内の協力を今後ともしていきたいと、かように思っております。同時にまた、契約の一部の点につきましては、私もこのあいだの説明で申し上げていたと思いますが、農山村振興法によりまして、本来はそこから始めたらよかったのですが、特に契約書をつけなきゃいけないということでもないようでございまして、私どものほうが3月に契約して、それから、逆に6月に、農山村のほうがおくれておりまして、逆な実態が出てしまったものですから、そういうようにちょっとギャップができてしまった。そういうことで、我々としては通常農山村のやつからやっていたらよかったわけでございますが、逆の形になったので、議員ご指摘の、あるいは私がこのあいだ説明したような形になったわけでございます。そういうことで選択をさせていただいたわけでございます。それから、お金の問題につきましては、農山村の振興法のほうが、県だけではないんですが、全体的に半年ぐらいおくれてしまったということで、あそこで農地をあんな形で利用するというのは、現在かけております農山村振興法の法律を使わなければなかなか実現性が薄いということでございますので、かけさせていただいた。しかしながら、初期は8月中ぐらいに何とかなるんじゃないかなということもあったんですが、それがだんだんおくれまして、日時ははっきり忘れましたが、かなり期間が空いてしまったということもございまして、そのような今日に至っておるわけでございまして、東山議員さんいろんな多方面でご心配いただいておることは私もよく存じ上げておりますが、私といたしましては、何が何でも完成させたいというふうな気持ちでおることはいまも変わりございません。同時にまた現場を見ていただいたかどうかわかりませんけれども、既に造成工事も完成して、基礎工事もほぼ、いまの工事に関しては終わっているんじゃないかなと思うんですが、今後とも、先ほど申し上げましたように、農山村の整備計画の許される範囲内では十二分に協力もしていきたいとかように考えておるところでございます。細部につきましては、私もちょっとわからない点もございますので、もしあれでしたら、担当の部長にもお答えさせていただきたいと思います。
東山議員
 私は、市民からよく聞きますけども、土地を売ったら売っただけで、その相手が県からの認可がおくれようと、売る場合、販売するだけやから、そういうのは関係ないだろうと、市長はよくそういうような形でこの事業に直接かかわっているのかというような話を聞くわけです。桜井市としたら、その土地を売却するという形の中で、相手が県の認可がおくれようが何をしようが、契約したら、契約通りに10月に1,000万やったら1,000万をもらうべきではないかと思うわけです。それが相手の気を酌んで、同じように契約をまた交わして、来年3月にするとか、そういうようなことは市長、間違っているのと違いますか。その辺もう一遍お聞きします。
谷奥市長
 先ほどからも申し上げておりますように、これは桜井市で農山村法に基づきまして活性化基盤整備計画を策定して、県に届けております。それがまた、あの土地を、先ほども申し上げましたように、この種のような形で開発をかけようと思ったら、それしか手段がなかったわけなんです、方法しかね。ほかの方法やいうたかて、ご存じのように、農業振興区域や農用地がかかっているところでございますし、とてもとてもほかの方法では大変難しいということで、こういう方法があるということでさせていただいた。同時にまた、ずっと古い昔でございますが、あの辺一帯がそれらの事業に適するような指定を受けていたものですから、たまたまそういうことになったわけでございまして、確かにおっしゃるように、あの事業は桜井市とファーム社の関係会社である大和さくらいという会社で同時に県へ出しております。ですから、どちらも、あそこの会社だけが出しておるわけではないんです。うちも同じように申請している、そういうシステムになっておるわけでございまして。詳細にわたりますので、私よりも担当部長のほうがよく説明できると思いますので、かわらせて回答させていただきます。
森北産業経済部長
 お答えさせていただきます。市長がご説明しておりますように、特定農山村法に基づいて、県との連携のもとに確認し合いながら、いま議員おっしゃった土地の売買につきましては、遺漏のないように努力してまいりたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
東山議員
 わかりました。また、土地売却に関連してですけども、土地開発公社保有地も整備されており、新規取得もない状況の中で、現在財政危機のある中で、公社の廃止は無理かと思いますが、もっと経費を縮小する必要があると思いますが、市長の考えをお聞きしたいと思います。
谷奥市長
 ただいま公社のことに触れていただきましたが、おっしゃるまでもなく、私どもとしては考えの中に一つ入れておりまして、内部的にはいまいろんな話、どうしたらいいかということを考えておる、いわゆるアイ・エヌ・ジーの状態であるというふうにご理解をいただきたいと思います。
東山議員
 長らく活用されず、遊休土地になっていた土地を、市として有利な価格で売却され、有効に活用され、地域振興に役立つならまことに結構だと思いますが、くれぐれも市民に不信感を持たれないよう、また、5年間に分割した土地売却が確実に納められ、市や地元に負担が残ることのないようしっかりと対応していただきたいと思います。

そういえば,西条市の石鎚チロルの森も2009年12月1日から休園中です。

6月23日追記

6月23日の朝日新聞奈良版の記事から

桜井市と公社が土地代金を督促
桜井市土地開発公社が持つ遊休地約4ヘクタールを購入契約し、3月に開業した農業公園「大和さくらい 卑弥呼の庄」(同市倉橋)を運営する農業生産法人が、土地代金の支払いを滞らせていることがわかった。2億円を5年間の分割払いにする契約だが、これまでに支払いがなく、市や同公社は契約の履行を求めている。
農業生産法人は、全国で農業公園などを運営する民間会社「ファーム」(本社・愛媛県西条市)の関係者らでつくる「大和さくらい」(久門渡代表)。大型公園用地として同公社が1994年に先行取得していた遊休地に、市のよびかけで農業公園を整備し、バイキング料理を楽しめるレストランなどを運営している。
同公社によると、昨年3月に大和さくらいと交わした契約は、土地代金を今後5年間で500万〜9千万円の5回に分けて支払うという内容。土地の所有権は支払い後に移るため、現在は使用貸借を認めている状況という。
最初の支払い(1千万円)は昨年10月の予定だったが、開園時期が当初より半年遅れたため、今年4月末に延期。しかし、同30日になっても支払いがなく、督促に対して明確な支払いの返事がないという。10月には次の500万円の支払いもあり、同公社は「代金支払いは当然求めていくが、今後事業が順調に展開されるかどうか、十分見極めたい」としている。
大和さくらいの久門代表は「開園直後で環境作りが出来ていない部分もあったが、ようやく経営が軌道に乗り始めている。次の支払期限の10月には、まとめて返済出来る予定だ」と話す。(渡義人)

全額払い終えて所有権が移転するという契約ですね。調べてみようと思ったら所有権留保とか担保的構成とか難しすぎる。

11月8日追記

11月6日の毎日新聞奈良版の記事から

大和さくらい:遊休市有地代金、桜井市が1500万円の督促送付 支払いない場合、売買契約を解除
桜井市の遊休市有地を活用した農業公園「大和さくらい 卑弥呼の庄」を運営する農業生産法人大和さくらい」(同市倉橋、久門渡代表取締役)が市に土地代金を支払っていない問題で、谷奥昭弘市長は5日の記者会見で、未払い分1500万円の督促催告書を送付し、支払いがない場合は売買契約を解除し、明け渡しを求めることをあきらかにした。
市によると、同法人は昨年3月、市土地開発公社から約4ヘクタールの土地を2億円で購入する契約を結んだ。代金は500万〜9000万円の5回分割で支払うことになっていたが、10月末までに1500万円が未払いになっている。市はこれまでに3回催告書を送付。谷奥市長は「今回は最後通告になる。年内に全部済ませるようにやっていきたい」と述べた。
同法人の久門氏は「最近は経営が順調になっており、年内には払えるようにはしたい。時期については市と相談したい」と話している。【高島博之】

11月6日の産経新聞奈良版の記事から

卑弥呼の庄」 滞納で土地明け渡し要求へ 桜井市が方針
今年3月にオープンした桜井市倉橋の農業公園「卑弥呼の庄」を経営する農業生産法人大和さくらい」(久門渡社長)が、桜井市に支払うべき土地代金を滞納している問題で、同市は5日、近く最終の催告書を同法人に発送し、支払いがなければ年内に土地の明け渡しを求める方針を明らかにした。
同法人は市有地約4ヘクタールを分割で2億円で購入する契約を結び、今年4月末までに1千万円、10月末までに500万円を支払うことになっていたが、いずれも未払いになっている。
売り上げの大部分を占める地場野菜を使ったバイキングレストランの集客が計画を大幅に下回っており、同法人は営業不振を滞納の理由としている。
この日会見した谷奥昭弘市長は「観光面などで非常に期待を寄せていたので、このような事態になったのは残念」と話した。



桜井市議会の会議録からメモ
平成22年度第2回定例会(2010年6月21日)

◯7番(土家靖起君)(登壇) 私は、次の4点について、市長及び教育長のお考えをお聞きいたしたいと思います。
 まず1点目でありますけれども、倉橋農業公園用地の売買代金未納問題等についてであります。
 株式会社大和さくらいが運営します倉橋の農業公園「大和さくら卑弥呼の庄」につきましては、周知のとおり、観光立市桜井市の新たな魅力創出とともに、集客施設としての魅力、地元雇用の創出や農業振興の新たな歩みとして市内外からも注目される施設として、本年3月にオープンいたしました。オープンに至るまでの関係部局の多大なるご尽力に敬意を表するものであります。
 しかしながら、一方で、以前より不安材料として指摘してきました次の2点が表面化してきているのも事実であります。
 一つ目は、公園用地の土地代金の未払いであります。土地開発公社所有の土地を株式会社大和さくらいが取得するに当たり、売買価格2億円のうち最初の1,000万円が昨年の10月末までに払い込まれるようになっておりましたが、本年4月末まで延ばされ、そして、5月末現在においても払い込まれていないとのことであります。土地代金が支払われなければ、桜井市所有の土地において民間会社が営利活動を行うという極めて不適切な状態にあるということができます。当初の1,000万円未払いですので、残りの1億9,000万円はどうなるのかと大変危惧するところであります。
 二つ目は、株式会社大和さくらいから市に対して1億8,000万円の寄附の申し出があり、その1回目の4,500万円が本年5月末までに寄附される予定であったが、いまだに入っていないということであります。寄附金につきましては、法人の善意によるものでありますので、強制することはできませんが、土地代金については早急に支払いを済ませていただきたい。このような現状に対して、市としてどのような対応をとるおつもりか。売買契約に関しましては、株式会社ファームが連帯保証人から抜けるということもありましたが、何らかの担保を株式会社大和さくらいから取る、場合によっては法的手段に訴えることも必要になってくるのではないかと考えます。このことについて、市長のお考えをお聞きいたしたいと思います。
 (略)
◯市長(谷奥昭弘君)(登壇) 7番土家議員さんの1点目、倉橋農業公園用地の売買代金未納問題等につきましてのご質問にお答えを申し上げたいと思います。
 土地開発公社との土地売買契約に基づきます第1回目の土地代金1,000万円につきましては、その後も支払いはございません。しかしながら、先日も申し上げましたとおり、いかなる理由がございましても、支払い遅延が許されるものではなく、催告書発送以降、継続的に強く履行を迫るとともに、その対応について、現在協議を行っております。
 また、寄附採納願いの出ております寄附予定の4,500万円につきましても、現在、納付されていない状況でございます。寄附金の性格から、ご指摘のように、強要はできませんが、こちらにつきましても、会社側へ強く促しているところでございます。
 なお、卑弥呼の庄は、農業生産法人株式会社大和さくらいが特定農山村法の手法により、桜井市特定農山村基盤整備計画に基づき運営を行っておりますことから、その対応につきましては、県とも十分協議を図りながら進めてまいりたいと考えております。
 なお、議員さんご指摘のことを踏まえ、今後の対応につきましては、現在協議中でございます。何とぞいましばらくお時間を賜りたいと存じます。
 議員の皆様方には、この問題で大変ご心配をおかけいたしまして、誠に申しわけございません。今後とも議員の皆様方にはその都度適切な場所でご説明を申し上げますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたしたいと思います。
 (略)
◯7番(土家靖起君) それぞれ4点について、市長及び教育長のほうからお答えをいただきました。
 市長、私ね、1点目の問題でございますが、倉橋農業公園の問題です。これにつきましては、否定的な考えだけでいま申し上げているわけではございません。当初から、平成20年から話が出ておりました事業が3月20日にグランドオープンして、現在まで来ておるわけでございますが、いままで桜井市の特定農山村地域、農林業等活性化基盤整備計画に基づいて、この中の内容を見てまいりますと、倉橋ため池の水辺や景観を活用し、農業振興を主目的とした農業公園を誘致します、地区ひいては本市全体の農業振興の中核的施設、及び、都市部や地区内住民との交流拠点施設として、農産物加工施設、農産物直売所、多目的交流施設等を整備し、地区農業者主体によります農産物等の生産、加工、販売までの一貫したつながりのある活動を広げて、地区の活性化を図りますと、こういうことを県の申請に対して出されております。
 そういうことの中で、1点、私が気になりますことは、昨年の12月8日に、市長のほうから土地売買契約に対する保証人を抜く話が提案されました。この市長の理由としては、株式会社大和さくらいの取締役から桜井市に対して、当初契約の変更の申し出があって、それで保証人の削除をしたい、その理由としては、保証人の削除につきましては、私としては苦渋の選択という形になるわけですが、私の責任において認めるということでさせていただきましたと。保証人を抜くことについての理由でございました。そのかわり、連帯保証人の削除につきましては、私の責任において認めるということになりましたけれども、相手の社長さんから誠実かつ確実に売買契約を履行していくという旨の確約を私あてにいただいておりますと、こういうことを申されております。それで、この確約については、その当時、どういう確約であったか、私は知りませんけれども、この点について、市長、その確約の内容について、わかっておればお答えいただきたいと思います。
◯市長(谷奥昭弘君) お答えを申し上げたいと思います。
 先ほどのご質問の中で、全協でだったと思いますが、私の責任でということで苦渋の選択ということは確かに申し上げました。そのときに、あわせて申し上げたのは、特定農山村法の中身の趣旨につきまして、不履行があった場合は、もちろん許認可権者は奈良県でございますので、奈良県知事との協議が必要になりますが、私どもとしては議員さんご指摘のときから、既に奈良県庁にも県知事あてにもいろんな善後策の問題につきまして、副市長に行っていただいておりますし、相談もしにまいっているわけでございます。いわゆる農業振興の立場から申し上げましても、順番というのもございますので、どういう方法がいいかはこれから奈良県とも、あるいは、当事者とも相談しながらやらせてはもらいたいなと、かように思っておるわけでございますので、先ほどのご答弁でもうしばらくの間時間をいただきたいということを申し上げたわけでございます。
 それから、少しおくれましたが、大和さくらいの久門社長のほうからの申出書というのは、いわゆる中身を申し上げますと、今般の土地売買契約及び寄附採納の変更に際しまして、桜井市及び土地開発公社に対するすべての債務及び寄附について、確実に履行することを誓約申し上げるということで、私あてと、当事者はその当時の土地開発公社の理事長の辻田でございますが、その者あてにまいっておりますので、そのことを申し上げたわけでございます。
◯7番(土家靖起君) 市長、あのときは、そういうことで、保証人を削除するかわりに、確約をいただいた。しかし、あのときの土地売買契約の保証人ということは、やはり、法的に基づいた保証人ですので、それを除外して確約だけでいくとするならば、何ら法的な拘束力が出てこないのと違うかなと思います。ただ、ほんまの書面で履行しますという程度でありますのでね。あの当時は、株式会社ファームとしての連帯保証人がついておったわけです。そのときは、その後、8月のある時期にファームの社長が解任されたというようなこともあって、抜いてくれということになったのと違うかということで、私も本会議あるいは委員会でもお尋ねしたんです。しかし、市長、いまインターネットで見ますと、株式会社ファームの関連施設、全国で当初20いってましたですやろう。この大和さくらいというのは入ってないんですよ。あのファームの関連の事業の中には、大和さくらいは入ってきてないんです。したがって、あくまでも当初の、途中から変わってきましたけれども、個人事業としてやられておるというようになってきています。したがって、その点はひとつご確認をしていただいたらわかると思いますが、そういうことになっております。
 それと、仮にこの事業者が撤退するというのがあった場合、市長は、このときも、全く相手方が撤退するというても、桜井市として双方合意しなければそれはできませんということを言われておるんです。向こうが万が一できないという場合でも、私どもは履行を求める権利もありますし、向こうからは破棄できないということになっています、それらのことも考えながらというような云々ということを言われておるんです。したがって、市長がいま県と協議するということを言われておりますけど、果たして事業計画を持っていったのは桜井市が協議する段階で桜井市が協議事項として検討、あわせて県が認可して工事しておるわけですやろう。それをいまから県と協議して対応していくということについては、私はどうかなと思います。
 それと、あくまでもこの土地売買契約につきましては、26年度まで5回で支払いすると、これははっきりなっておるんです。なっていますねや。それが遅れてくるということになれば、これは次の、今年の10月に500万の土地購入の2回目の金も当然不可能やと思いますよ、私は。まして、寄附金についても紙切れ同然になってしまいますわ。市長に対する覚書、市長に対する寄附採納についてというて、これ、3年で4,500万、4回に分けて納めていただくようになっていますけれども、これは書いた、これ、ほんまの書面でうまいこといかへんようになるのと違いまっか。
 だから、いま市長が言われたように、強力に相手方に対してこれからも求めていくと、県とも協議しながらやっていくというようなことも言われていますので、この点、もう1回はっきりとその点だけお答えください。
◯市長(谷奥昭弘君) 先ほどもご答弁申し上げましたが、これから時間を若干かけまして、当事者と市と、それから県と相談しながら、考えていきたいと。同時に、また、そのときの全協でも私申し上げたと思うんですが、特定農山村法の枠組みの中で、履行しなかった場合、私どものほうが契約解除を申請できるという項目がございますので、議員さんも大変ご心配をいただいておるわけでございますが、そんなことにならないような形で中身を履行できたら一番いいなと思っておりますが、いずれにしろ、いまの段階では全力を挙げて履行してもらえるように全面的な努力をいたしたいと考えております。
◯7番(土家靖起君) 市長、くどいようですけど、あの当時の出された資金計画、当初から出された農業経営改善安定計画書ですか、これによりますと、これは21年2月20日ですわ。これに提出されています。これによりますと、あこの1日の入場者数は1,730人ということを言われておった。ほんで、いま何人ぐらいいてんのと聞いたら、500人ということを聞いておるんです。1日平均して、今日までですよ。1日500人。それで、当初の資金計画からいくとしたら、あの総事業は6億8,000万の資金計画で、そのうち6億を借り入れするとなっておるんです。これは、当然、桜井市として、当初計画ですので、果たしてその借り入れされておるかどうかというのは、私はまだ定かでございませんが、始まって三月しかたっていないので、いまどうこうということは申し上げられませんが、これから1年の間に実際いま時点でそれを借り入れされているのかどうか、市長、それを承知されているか、その点をお答えください。
◯市長(谷奥昭弘君) 大変申しわけございませんが、あの会社が借り入れをしているかどうかというのを、いま現在私はわからないという答えしかできないと思います。
◯7番(土家靖起君) いま始まったばかりですので、その変更契約については、もうちょっと先になってくると思いますが、一切借り入れされていないということで、私は聞いておるんです。資金としてあの会社が一切借り入れしていないということになれば、当然、支払いみたいなんできまへんがな。だから、あこの借り入れが6億ということ、私間違っておったらまた訂正していただいて、6億なんです、借り入れがね。そのうちのレストラン経営として、総売上が4億6,000万という計画が出ておるんです。そのうち1億が収入ということになっていますねん。だから、そのうちの1億ということになれば、いままで、そしたら500人の入場者を見込まれて、すべてが平均何ぼというような計算をしたら出てきますけども、それだけでは到底あの事業目的の趣旨に反しているのと違うか。あこはもともと古代米をつくって、当初、あの棚田で2ヘクタールつくって、それから、3年で30ヘクタール、5年で50ヘクタールということで、古代米をつくって販売していこう。だから、もう1棟、加工所をつくって、体験コーナーをつくって、今年の計画としては、もう1棟つくる計画の予定だったんです、あれはね。だから、果たしてその事業が進むかどうか知りませんよ。
 そういう中で、いま聞くところによると、市の土地代も入っていない、寄附金も入っていない。それから、一方、個人の土地代は以前に担当部長が納められるということを聞いていますけど、聞くところによると入ってないというようなことも聞きますのでね。だから、その辺も含めて、借り入れをきちっとされていくのかどうかということを私、懸念するんです。いずれにしても、あの施設は、そういう施設をつくっていかんと、本来の目的はレストランだけ違いますのでね。古代米をつくって、そこで加工して、それで売るということ。
 それと、当初のときは、東京大学の、あこで一緒に事業をやって、あこで売ってもらえるねんとか言ってましたけど、ファームとも全然手を切ったら一切関係ありませんのでね。あの状態の中で、昨日、おとついも見た、田に水を張ってますけど、古代米、今年つくられるのかどうかというのは私もわかりません。しかしながら、そういう事業がこれからも展開されていくのかどうかね。そういう今後の見通しの事業が心配になってきまんねん。
 それと、あわせて、あの建物建っている土地は、いまだ未登記なんです、建物は。だから、所有権が移転されておりませんので、当然、1月1日になったら、固定資産課税していかんなんようになりますよ。だから、普通、来年1月1日に課税するとしたら、今年の7月か、早い時期に評価に行かんなん。この相手方の地主というのか、所有権移転登記されていた、だれに課税していくのか。まけたる、減免やというような話は出やへんと思いますよ。当初から、一切のそういう制度は適用しないと市長がおっしゃってましたのでね。だから、固定資産が出てきます。当然、それの売り上げの法人市民税も課税していかんなんようになってきます。売り上げなかったら出てきませんよね。そういう固定資産の問題について、まずわかれば、市長、その点だけちょっとお尋ねいたしたいと思います。
◯市長(谷奥昭弘君) いろいろご指摘をいただいたわけでございますが、いまの固定資産税の問題は、それは制度に基づいて、確かに土地は登記されておりませんし、当然のこと、建物も未登記でございますが、未登記物件でも固定資産の適用が現在まで行われていたケースはほかにもございますので、それは制度に基づいて粛々とやらせていただくということ以外にないと思います。
◯7番(土家靖起君) 私は、消極的な意見ばかりというようなことになりますけど、あの事業については、そういう懸念もしますんですわ。だから、いまこの際、市長、あの事業をこのまま継続していくのか、ある程度撤退して、県等の指導を仰ぎながら、新たな事業を求めていくのか、この点の選択を、いま時期はまだ早いか知りませんよ、早い時期にご決断をいただきたいなと、していくべきではないかな、このことを申し上げて、この質問については終わらせてもらいます。

平成22年度第3回定例会(2010年9月13日)

◯7番(土家靖起君) (略)
 それから、農業公園についてであります。
 これにつきましては、農業公園の利用者は増えてきているのかどうか。さらに、農業公園の利用者増に向けて、桜井市はどのようにさらに関係をなさっていくのか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
◯市長(谷奥昭弘君) (略)
 それから、農業公園の点につきましては、僕も細部についてはわかりませんのであれですが、全体的なことを申し上げましたら、たとえば、私どもとしては前の議会でご指摘をいただきましたように、いろんな問題点が残っているんですが、利用者が増えるための策をせよということで、一応会社のほうに対してはバス、いわゆるツーリストかバス会社を通じて普通の日の昼間の時間のお食事とかにもっと積極的にやらなあかんじゃないかということで申し入れもしております。
 最近の利用者の増加とか、あるいは原因とか、そのようなことについてはいまちょっと私わかりませんのでお答えできかねますが、一応バスなんかはかなり予定としては注文が来てるというふうなことはお聞きをいたしております。この点については、担当の部長に答えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
◯産業建設部長(藤田順久君) (略)
 続きまして、もう一つ、卑弥呼の庄、大和さくらいの件でございますけれども、6月以降でございますが、かなり入場者が低迷しておりました。しかしながら、6月、7月、8月とわずかなんですけれども、上向きになっております。
 取り組みにつきましては、まず、6月以降でございますけれども、夏休みを迎えることから営業時間の延長を行い、夜8時半までの営業というふうなこと。あるいは北海道の食材を取り入れた北海道フェアの開催とか、テラス席におきましては、大人から子どもまで楽しみながらバーベキューを味わっていただけるような企画をするというようなことで、盛況であったというふうに伺っております。
 また、7月24日と8月21日の土曜日には地元出身の演歌歌手である西本真詞さんでございますけれども、その方の歌謡ショーを開催し、あわせて花火大会も行っております。そのときには、駐車場が埋め尽くされるほどの人手でにぎわっておりました。
 6月以降につきましては、先ほど市長もちょっと申し上げたとおりでございますけれども、営業活動としてバスツアーを中心に昼食場所の提供を行うため、いろんな営業活動を行っておりまして、9月中旬以降からの乗り入れが開始されるというふうに伺っております。レストラン部分の変更としては、現在の洋食中心のメニューから、田舎料理などの和食も提供できるように、特に食材につきましては、地産地消の観点から地元食材のさらなる取り入れなどを行い、子どもからお年寄りの方々まで楽しめる憩いの場所の提供を行っていきたいというようなことでの計画を、いま、いたしているということでございます。
 以上でございます。

さて,卑弥呼の庄は10月16日にリニューアルオープンしていましたが,そのことについては,10月14日の奈良新聞に次のような記事があったとのことです。

債権者らが経営継承 - 桜井・卑弥呼の庄
土地代金未払いなどが表面化して運営継続が危ぶまれていた桜井市倉橋の農業・観光施設「大和さくらい 卑弥呼の庄」は、実質的な債権者でもある西上建設(堺市)の西上孔雄代表取締役と御所興産(御所市)の西本登美雄代表取締役が新会社を立ち上げて経営を引き継ぎ、16日から装いも新たに再スタートを切る。
新法人名は「株式会社倉橋」で屋号は「くらはし農村公園 卑弥呼の庄」。都市と農村との交流の場として位置づけ、中核施設の多目的交流棟内のレストランでは、大和野菜や地元産の食材をふんだんに使った「農村バイキング料理」をコストを抑えて格安価格で提供。秋の収穫期に合わせて、敷地内の棚田では古代米の刈り取りなどの農業体験も味わえる。
卑弥呼の庄」は同市倉橋のため池近くの約4ヘクタールの土地を久門渡氏が市から買い取り、農業生産法人「株式会社大和さくらい」を発足させて今年春に開園したが、期限が過ぎても土地代金が市に支払われていなかったため、議会で大きな問題となった。開発造成工事をした御所興産、建築工事を請け負った西上建設に対しても同様に工事代金が未払いとなっている。ただ、トラブルの間も営業は継続して…

農業生産法人大和さくらい」と桜井市の土地の売買契約が万が一解除された場合,施設設備の実質的な債権者である西上建設と御所興産が立ち上げた「株式会社倉橋」の業務はどうなるんでしょうか。株式会社倉橋が,土地を桜井市から借りれば大丈夫なんでしょうか。
 ただ,土地借料も含めたうえで日々赤字を生むようなら,そんなことをしてもしょうがない。
 また,「卑弥呼の庄」は「特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律」に基づく事業ということですが,そもそもこの事業はどうなるのか。複雑で良くわかりません。

2011年3月21日追記 淡路ファームパーク・イングランドの丘について

2011年3月20日の毎日新聞兵庫県淡路版の記事から

淡路ファームパーク:ファーム、地位保全求め仮処分申請 契約打ち切り巡り ◇三セク直営化方針
南あわじ市などが出資する第三セクター「南淡路農業公園」(社長・川野四朗副市長)が指定管理者になっている同市八木養宜上の農業公園「淡路ファームパーク イングランドの丘」の運営をめぐり、三セクが業務を委託している「ファーム」(愛媛県西条市)と3月末で契約を打ち切る方針を打ち出し、ファームが地裁洲本支部に地位保全を求める仮処分申請をしていることが19日、分かった。
同公園は01年4月、県が再整備した淡路ファームパークと農業体験ができる農村型体験交流施設を一体化した農業公園としてオープン。市が筆頭株主の三セクが運営している。ファームは全国14カ所で農業公園を運営しており、三セクには市の51%に次ぐ23%を出資。開園当初からノウハウの提供と従業員を出向させる形で運営に参画してきた。08年4月から三セクが指定管理者になり、ファームには入園料収入の96%を支払って業務委託している。しかし、開園から10年になるのを機に三セクが直営方式で運営する方針を打ち出し、3月末で契約が切れるファームとは再契約しないことにした。昨年12月の三セクの取締役会で再契約を結ばない議案を可決し、川野社長がファームに申し入れした。ファームが雇用している従業員53人は退職届を提出しており、三セクが全員を再雇用する。
ファームの森貞幸浩社長によると、川野社長の申し入れ後、三セクと契約の継続に向けて協議していたが、3月上旬に一方的に協議が打ち切られたため、17日に仮処分の申請をしたという。
森貞社長は「こういう問題は何年かかけて協議する内容。事前通告もなく、取締役会で突然、契約が打ち切られることが分かった。10年間も公園運営に協力してきて、いきなり契約解除されるのは納得がいかない」と主張。
川野社長は「当初から10年をめどに地元で運営することにしていた。公園を運営するノウハウも蓄積できたので、今後は三セクで直営して地域密着型の公園にしたい」と話している。【登口修】

南あわじ市民会議掲示板「市民会議」に関連した投稿がなされています。南淡路農業公園株式会社から株式会社ファームの取引先に送った文書らしきもの,また株式会社ファームから取引業者に送った文書らしきものです。

平成23年3月11日
 株式会社ファームの取引先の皆様へ

南淡路農業公園株式会社
 代表取締役 川野四郎

平成23年4月1日以降の「淡路ファームパークイングランドの丘」の
管理運営業務の変更について                  

平素は、淡路ファームパークイン−グランドの丘の運営にご理解、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、「淡路ファームパークイングランドの丘」管理運営につきましては、これまで弊社が株式会社ファームとの間に管理運営業務委託契約等を締結し、株式会社ファームにお願いしておりましたが、業務委託契約期間が満了したことから、弊社は「淡路ファームパークイングランドの丘」の更なる発展充実を目指し、初心に立ち返り直営を再開することに致しました。
この間、株式会杜ファームとの間で業務承継に関する覚書の締結などを協議して参りましたが、最終合意に達せず、十分な期間を設けて業務承継を行える事態にはならず、取引先の皆様にも突然のご案内を差し上げることとなりましたことはこの場を借りてお詫び申し上げます。
さて、平成23年4月1日以降の「淡路ファームパークイングランドの丘」の管理運営の体制、取引条件、株式会社ファームとの取引と弊杜との取引の区分けなどについて、ご説明させていただきたく、下記の説明会を開催させていただくことに致しましたので、お忙しいなか突然のご案内でありますが、多数ご参集いただきますようお願い申し上げます。
(以下略)

平成23年3月16日
 お取引業者 各位
株式会社ファーム       
 代表取締役 森貞 幸浩   
 代表取締役 久門 圭子   

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素より、格段のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
さて、今般、弊社のお取引先様から、「株式会社ファームの取引先の皆様へ」と謳った、「平成23年4月1日以降の「淡路ファームパークイングランドの丘」の管理運営業務の変更について」と表題する文書が届いた旨のご連絡を受けました。文書の作成日は平成23年3月11日付けで、差出人は南淡路農業公園株式会社 代表取締役 川野 四郎とのことでございます。
文書の内容については詳しくは存じませんが、聞き及ぶところでは、下記の概要であります。
1.株式会社ファームとの業務委託契約期間満了を期に、南淡路農業公園株式会社が「淡路ファームパークイングランドの丘」を直営で運営する。
2.平成23年4月1日以降の「淡路ファームパークイングランドの丘」管理運営の体制、取引条件、弊社との取引と南淡路農業公園株式会社との取引の区分けなどについて、南淡路農業公園株式会社が説明会を開催する。
弊社といたしましては、正に、晴天の霹靂ともいうべき内容が告知されているようでございます。
弊社は、お取引様との永年に亘るお付き合いを、貴重な財産と考え、お取引先様のお名前は勿論のこと、お取引内容につきましては、一切、部外に口外をいたしておりません。
今回、上記文書が、仮に、お手元に届けられたとすれば、貴社に大変な、ご迷惑をおかけすること、また無用のご懸念を生じさせることになると、強く遺憾に思っております。
弊社は、平成23年4月1日以降も、従来と何ら変わりなく、「淡路ファームパークイングランドの丘」の管理運営を続けて参ります。
これからも、今まで醸成されました貴社との相互信頼と取引信義に則り、一点の曇りも無くお取引を継続し、お互いに利のあるお付き合いが叶うよう、全力をあげて淡路ファームパークイングランドの丘」の管理運営に取り組む所存です。
貴社におかれましても、倍旧のご支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
なお、ご不明な点がございましたら、下記担当者までお尋ねいただきますようお願いします。

!(以下略)

3月23日追記

3月23日の読売新聞兵庫版の記事から

イングランドの丘 運営業者 地位保全の仮処分申請
南あわじ市の観光施設「淡路ファームパーク・イングランドの丘」の指定管理者の第3セクターが、施設運営を委託する「ファーム」(本社・愛媛県西条市)との契約打ち切りを決めたことに対し、同社が「一方的で到底納得できない」として、地位保全を求める仮処分を地裁洲本支部に申請していることがわかった。
同施設は2001年4月の開園当初から、市と同社、JAなどでつくる第3セクター「南淡路農業公園」が運営し、同社は従業員を雇用するなどして協力。08年度から、入園料の96%を委託料として支払うことなどを条件に、今年度までの3年期限で委託してきた。
同公園は昨年12月の取締役会で、「より地域密着の運営を目指す」として、来月からの直接運営を決定。「あまりに唐突」と反発する同社は、公園と協議を続けてきたが、17日、仮処分を申し立てた。
同社の森貞幸浩社長は「事前の説明は一切なく、取締役会で突然、契約解消を知らされた。3月上旬に協議は一方的に打ち切られ、話し合う十分な時間が与えられなかった」と憤る。
同公園側は「説明は尽くした」としており、同公園の社長を務める川野四朗・南あわじ市副市長は「1年間の延長も提案し、事業の円満な引き継ぎを図ったが受け入れてもらえなかった」と話す。
一方、同社が雇用する従業員53人は辞表を提出。同社は「各個人の意思を確認中」として受理していないが、同公園側は同じ待遇で再雇用する方針という。

3セク側から「1年間の延長」の提案があったことは初出。

3月31日追記

3月24日の毎日新聞淡路版の記事から

淡路ファームパーク:遊具、建物の撤去求める 南あわじ市、ファームに 
◇公園内のイングランドエリア
南あわじ市八木養宜上の農業公園「淡路ファームパーク イングランドの丘」の運営をめぐり、市などが出資する第三セクター「南淡路農業公園」(社長・川野四朗副市長)が今月末で「ファーム」(愛媛県西条市)との業務委託契約を打ち切る問題で、市がファームに貸している同公園内の市有地に設置した遊具や建物を1カ月以内に撤去するよう通告していることを、23日開かれた市議会産業建設常任委員会で川野副市長が明らかにした。
市によると、ファームは同公園のイングランドエリアの市有地6790平方メートルを有償で借りて子ども向けの遊びの広場などを開設している。広場にはゴーカートやおもしろ自転車、乗馬、グラウンドゴルフ、ファストフード店などの遊具や建物がある。
市公有財産規則に基づき、市が1年ごとにファームに使用許可を出しており、これまでは3カ月前までに申請を出してもらっていた。今回はファームとの業務委託契約が今月末で切れることから、市は中田勝久市長名で今月9日、ファームに対して市有地の使用許可を更新せず、遊具、建物については1カ月以内に撤去するよう通告した。市商工観光課は「いまのところファームから返事はない」としている。【登口修】
◇1年延長提案もファーム承諾せず−−副市長
また、この日の常任委員会では、川野副市長が「円満解決しようということで、設立者の市長から1年間の期限を切って引き継ぎをしてはどうかと提案があり、ファームに提示したが承諾していただけなかったので契約を打ち切ることにした」と述べた。

とりあえずメモのみ。

4月5日追記

文字数が上限に来たようです。
2011年4月5日のエントリー「淡路ファームパーク イングランドの丘続編」に続きを書きました。