ボンバルディア機のトラブル2010年

2009年6月以降のボンバルディア機の主として国内のトラブルについては2009年6月21日のエントリー「ボンバルディア機のトラブル」で継続的に追記してきたところです。(それ以前のトラブルについては,さらに昔のエントリーで触れています)。
年も改まりましたので,2010年は新たにここから列記いたします。


1月12日,全日空の中部国際発福岡行きのボンバルディア機(DHC8-400)が高度6700mを飛行中,発電機に不具合が生じたため,中部国際空港に引き返した。同機は欠航した。
1月14日,全日空の中部国際発仙台行きのボンバルディア機(DHC8-Q400)が離陸直後,機内の気圧を一定に保つ与圧系統に異常を感知したため,中部国際空港に引き返した。同機は欠航した。
1月14日,日本航空の県営名古屋発山形行きのボンバルディア機(CRJ200)が高度900mで,ブレーキ系統の不具合を示す表示が出たため,目的地を仙台空港に変更して着陸した。同機の乗客は陸路で山形に向かった。

1月19日追記

1月19日,日本エアコミューターの伊丹発松山行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が離陸直後,右側車輪を機体に格納するドアが閉じていないという表示が出た。乗務員が飛行中に窓から確認したところドアが開いたままだった。操縦士が閉める操作を繰り返したが、結局閉じなかった。同機は伊丹空港に引き返した。同便や折り返し便などが欠航した。

1月22日追記

1月21日,日本エアコミューターの伊丹発新潟行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が長野県上空を飛行中,左側エンジンにおいて,エンジンから抽出される圧縮空気系統で異常な高温を示す警告灯が点滅したため,伊丹へ引き返し着陸した。同便と折り返し便は欠航した。
1月21日,全日空の秋田発中部空港行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が離陸上昇中,客室の気圧を調整する与圧装置に不具合が発生したため,目的地を新潟空港に変更し着陸した。国土交通省によると,高度約3700メートルまで上昇した際に客室の気圧が十分に与圧されないという警報が出たという。

1月28日追記

1月27日,日本エアコミューターの伊丹発松山行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が小豆島上空付近を飛行中,前輪が格納されていないことを示す警告灯が点灯したため,伊丹空港に引き返し着陸した。同便と折り返し便が欠航した。
1月27日,アイベックスエアラインズの伊丹発福島行きのボンバルディア機(CRJ100)が岐阜県上空を飛行中,自動操縦システムの警告灯と水平尾翼の不具合を示すランプが点灯したため,伊丹空港に引き返し着陸した。

2月6日追記

2月3日,日本エアコミューターの鹿児島発沖永良部行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が離陸直後,エンジン又はプロペラに異常を示す警告が表示されたため,鹿児島空港に引き返し着陸した。右側エンジンへの燃料供給量を調整するコンピューターの不具合が原因だったと判明。同便と折り返し便が欠航した。

2月8日追記

2月7日,日本航空の伊丹発新千歳行きのボンバルディア機(CL-600-2B19)が県営名古屋空港付近上空8800メートルを飛行中,操縦席右側の窓を温めるヒーターが作動しなくなった。同機は目的地を県営名古屋空港に変更し着陸した。

2月22日追記

2月14日,日本エアコミューターの伊丹発屋久島行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が飛行中,管制との交信に利用する通信機器に雑音が入り,点検整備のため,目的地を変更して鹿児島空港に着陸した。

8月4日追記

2月18日,琉球エアーコミューター那覇久米島行きのボンバルディア機(DHC8-100)が離陸直後,電源系統の不具合を示す表示が出たため,那覇空港に引き返した。同機は,地上で部品を交換し,不具合を示す表示が出ないことを確認。
同日,琉球エアーコミューター那覇発南大東行きのボンバルディア機(DHC8-400)が離陸直後,電源系統の不具合を示す表示が出たため,那覇空港に引き返した。同機は,午前中,同様の不具合表示のために那覇空港に引き返し,部品交換した機体であった。

4月18日追記

しばらくブログの更新ができておりませんでした。どれだけ拾えるやら。
3月1日,日本エアコミューターの宮崎発大阪行きのボンバルディア機(DHC8-402)が飛行中,プロペラの防氷装置の不具合を示す警告灯が点灯した。着陸後の調査で,装置内の電線に不具合があることが分かった。
4月2日,アイベックスエアラインズの大阪発福島行きのボンバルディア機(CRJ100)が離陸直後,速度を感知するピトー管の以上を示す警告灯が点灯した。同機は大阪空港に引き返した。
4月5日,国土交通省所有のボンバルディア機(BD-700)が飛行中,コックピットの窓ガラスにひびが入った。離陸した空港に引き返した。
4月6日,日本エアコミューターの大阪発屋久島行きのボンバルディア機(DHC8-Q400)が飛行中,フラップの不具合を示す警告灯が点灯した。同機は鹿児島空港に目的地を変更し,着陸した。折り返し便は欠航した。
4月7日,国土交通省所有のボンバルディア機(BD-700)が飛行中,コックピットの窓ガラスにひびが入った。同機は急遽行き先を変更した。窓ガラスのヒーターが故障し,過電流が発生した記録があるとのこと。
4月10日,日本エアコミューターの伊丹発大分行きのボンバルディア機(DHC8-Q400)が出発前の点検中,右エンジンのエンジンオイルを冷やすための空気取り入れ口が閉まらなくなった。同機及び折り返し便は欠航した。
4月17日,全日空の伊丹発高知行きのボンバルディア機(DHC-8-D)が神戸上空を飛行中,機体の姿勢を制御するコンピューターの不具合を示す警告灯が点灯したため,同機は伊丹空港に引き返した。

5月7日追記

5月5日,日本エアコミューターの沖永良部発鹿児島行きのボンバルディア機(DHC8-Q400)が離陸直後,左エンジンのオイルの温度が右よりも高くなった。鹿児島空港に着陸後,点検した結果,オイルを冷やす装置に空気が流れていなかった。同機は,以後の運航をとりやめた。

5月28日追記

5月24日,日本エアコミューターの大阪発新潟行きのボンバルディア機(DHC8-402)が,滋賀県琵琶湖上空を飛行中気象レーダーが故障した。同機は大阪空港に引き返した。
5月26日,日本エアコミューターの大阪発宮崎行きのボンバルディア機(DHC8-402)が,兵庫県あわじし付近を飛行中,自動操縦装置が作動しなくなった。同機は大阪空港に引き返した。なお,同機は前々日にも気象レーダーが故障していた。

6月9日追記

6月5日,日本エアコミューターの鹿児島発奄美行きのボンバルディア機(DHC-8-400)が離陸から約30分後,補助翼の不具合を示す警告灯が点灯した。同機は鹿児島空港に引き返した。

6月21日追記

6月16日,日本エアコミューターの徳之島発鹿児島行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が出発直前,エンジンなどの不具合を示す警告計器が点灯したため欠航した。
6月17日,日本航空の大阪発福岡行きのボンバルディア機(CRJ200)が離陸直後,左エンジンに異常が生じたため,大阪空港に引き返した。
6月18日,エアーニッポンネットワークの大阪発高知行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が淡路島上空を飛行中,気象レーダーのモニターに映像が映らなくなったため,大阪空港に引き返した。

7月10日追記

7月10日,日本エアコミューターの鹿児島発徳之島行きのボンバルディア機(DHC-8-400)が離陸上昇中,機体内部のシステムを監視する装置の故障アラームが点灯したため,鹿児島空港に引き返した。

7月16日追記

7月10日,日本エアコミューターの鹿児島発沖永良部行きのボンバルディア機(DHC-8-400)が屋久島上空を飛行中,プロペラなどに着いた着氷を防ぐ装置の不具合を示すランプが点灯したため,鹿児島空港に引き返した。
7月12日,全日空の松山発大阪行きのボンバルディア機(DHC-8-300)が着陸しようとした際,車輪が出ていることを知らせるランプが点灯していなかったため,着陸をやりなおした。空港の管制官は車輪が出ていたことを確認していたが,操縦席のランプが点灯しなかったもの。
7月14日,全日空の札幌発中標津行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が飛行中,貨物室の扉の不具合を示すライトが点灯した。同機は緊急事態を宣言し,新千歳空港に引き返した。

7月18日追記

7月17日,全日空の中部発秋田行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が離陸直後,左エンジンの異常を示す警報表示が出たため,同機は中部空港に引き返した。エンジン内部のコンピュータに不具合があったという。

8月3日追記

7月31日,日本航空の県営名古屋(小牧)発山形行きのボンバルディア機(CL-600-2B19)が富山県上空を飛行中,高度や速度の表示画面に不具合が発生したため,名古屋空庫に引き返した。

8月28日追記

8月27日に発表された国土交通省運輸安全委員会の報告によると,2009年3月25日の事故はプロペラの回転を制御するギアシャフトに製造過程で混ざった不純物が原因で、金属疲労が発生した。この金属疲労のためギアシャフトが2つに割れて飛び散り、左側のエンジン全体を壊したものだという。

9月2日追記

8月24日,日本航空の伊丹発福岡行きのボンバルディア機(CRJ200)が離陸直後,車輪を格納できなくなり,伊丹空港に引き返した。同機は欠航した。
8月25日,日本航空の県営名古屋(小牧)発熊本行きのボンバルディア機(CL-600-2B19)が離陸してまもなく,パイロットがオートパイロット(自動操縦)システムに切り替えたところ、機首が左にずれるトラブルが起きた。同機は名古屋空港に引き返した。
8月31日,アイベックスエアラインズの成田発小松行きのボンバルディア機(CRJ200)が離陸直後,前脚の格納扉が閉まらないことを操縦室の計器が示したため,成田空港に引き返した。
9月1日,全日空の高知発伊丹行きのボンバルディア機(DHC8-Q400)が出発準備中,点検作業中の整備士が右エンジンから油圧オイルが漏れているのを発見した。同便は欠航した。

9月3日追記

9月3日午後9時40分頃,着陸中の飛行機が,成田空港B滑走路中央付近に縦約2m,横約3mの異物を発見した。異物は,エンジンカバー。調査によると,直前に着陸したアイベックスエアラインズの小松発成田行きのボンバルディア機(CL-600)の右翼エンジンから脱落したものと判明。B滑走路は15分間閉鎖された。また,同ボンバルディア機を使用する折り返し便は欠航した。

9月8日追記

9月7日,全日空の中部国際発松山行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が離陸直後,自動操縦システムの不具合で機種が水平に戻らなくなった。自動操縦を解除して目的地を変更し,伊丹空港に着陸した。全日空によると、同社が使用する同型機では2006年に同様のトラブルが4件あったとのこと。

9月17日追記

9月16日,国土交通省航空局の飛行検査機のボンバルディア機(BD-700)が宮古空港に着陸しようとした際に,主脚や前輪が通常操作で下りず,手動で下ろした。トラブルに気がついたのは午後0時20分頃。手動操作で着陸したのはその約1時間30分後となった。また,手動操作で前輪を下ろした場合,着陸後に左右に曲がることができなくなるため,牽引車で移動するまで約25分間滑走路は閉鎖された。

9月21日追記

9月20日全日空の新千歳発中標津行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が離陸直後,発電機の不具合を知らせる警告灯が点灯したため,新千歳空港に引き返した。同機は着陸後に部品を交換。

9月28日追記

9月27日,全日空の大阪発高知行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が,紀伊水道上空を飛行中,水平尾翼の異常を示すライトが点灯したため,大阪空港に引き返した。同便は,機材を交換し,約2時間半遅れで高知に到着した。

10月6日追記

10月3日,日本エアコミューター大阪発隠岐行きのボンバルディア機(DHC-8-402)が,鳥取空港南約22kmの上空(高度約5,500m)を飛行中,客室前方の緊急脱出用ドア付近から空気が漏れるような異音がするのに客室乗務員が気づいた。同機は大阪空港に引き返した。
なお,海外でも,ボンバルディア機の着陸車輪の不具合が続いています。
9月25日,アメリカのDelta ConnectionのAtlanta発White Plains,NY行きのボンバルディア機(CRJ900:Altantic Southeast Airlines運航)が,右側車輪が降りないため,JFK国際空港に緊急着陸した。コンロイド機長による無事な着陸は,ハドソン川の奇跡にも比較されている。→乗客が撮影した着陸時の様子
9月28日,アメリカのSkyWest航空のOmaha発General Mitchell国際空港行きのボンバルディア機(CRJ200)が,左車輪が出ない状態で着陸。
9月30日,ニュージーランドAir New Zealand航空のWellington発Nelson行きのボンバルディア機(DHC-8-Q300:Air Nelson航空運航)が,悪天候のため行き先を変更し,Blenheim空港に着陸しようとした際に前輪が破損した。

11月4日追記

11月2日,日本航空の県営名古屋発秋田行きのボンバルディア機(CRJ200)が着陸の際に,フラップが作動しないことを知らせる警告灯が点灯。同機は,フラップを出さず,通常より早い速度で着陸した。
11月2日,オリエンタルエアブリッジの福江発福岡行きのボンバルディア機(DHC8-201)が着陸時,フラップの異常を示すランプが点灯した。着陸後の点検でフラップを動かす金属棒が折れていたことが判明した。
11月3日,日本航空の県営名古屋発秋田行きのボンバルディア機(CRJ200)が着陸の際に,フラップが作動しないことを知らせる警告灯が点灯した。

11月8日追記

11月6日,日本航空の県営名古屋発秋田行きのボンバルディア機(CRJ200)が着陸の際に,フラップが作動しないことを知らせる警告灯が点灯した。オイルが上空で凍結し,着陸時に作動しなかったもの。同機は,修理後,県営名古屋空港行きの便として就航。11月2日,3日にも同様のトラブルを起こしており,同空港で整備後,当面フライトを見合わせる予定。

11月15日追記

11月12日,全日空の大阪発石見行きのボンバルディア機(DHC-8-314)が離陸直後,方向舵を動かすシリンダーが正常に働いていないことを示す表示が出たため,伊丹空港に引き返した。同便は,機体を変更し再運航した。

11月17日追記

11月16日,日本航空の新千歳発いわて花巻行きのボンバルディア機(CRJ200)が出発前点検中,コックピットのアクリル製窓(4枚の内,左端のもの)に約30cmの折れ線状のひび割れが見つかった。同便及び折り返し便はアクリル板交換のため欠航した。アクリル板の厚みは,約1.8cmとのこと。

11月29日追記

11月29日,日本エアコミューターの大阪発出雲行きのボンバルディア機(DHC8-402)が出発準備中,コックピット内の高度計と速度計が正しく表示されない不具合が生じた。同便および折り返し便は欠航した。

12月14日追記

12月13日,ジェイエアの名古屋発松山行きの便としての運航を予定していたボンバルディア機(CRJ100)が大阪空港で機体点検中,油圧装置からオイルが漏れているのが発見された。同便をはじめ,同じ機体を使う予定だった4便が欠航した。

12月22日追記

12月18日,日本エアコミューターの大阪発出雲行きのボンバルディア機(DHC8)が,エンジンをかけた直後,油圧系統の不具合を示すランプが点灯した。調査の結果,タイヤの出し入れなどをする油圧系統の補助装置に故障が見つかった。同便及び折り返し便が欠航した。
12月21日,アイベックスエアラインズの大阪発福岡行きのボンバルディア機(CRJ100)が明石海峡上空を飛行中,右エンジンカバーの防氷装置の作動不良を示すランプが点灯したため,大阪空港に引き返した。同便及び折り返し便が欠航した。

12月26日追記

12月25日,日本エアコミューターの鹿児島発徳之島行きのボンバルディア機(DHC8-Q400)が,離陸直後,客室の世暑気行きが不具合を示した。同機は鹿児島空港に引き返した。同便及び折り返し便が欠航した。

2011年1月8日追記

12月27日,アイベックスエアラインズの小松発川内行きのボンバルディア機(CL-600)が仙台空港に着陸した際に,全隣を動かすステアリングがロックし,誘導路で停止した。滑走路は約10分間閉鎖された。これは,同機の翼を温める防氷装置に不具合があったためであった。不具合のため,雪が右主脚格納庫に入り,手動で右主脚を下げたことにより,前輪ステアリングが自動的にロックされたものである。
12月27日,ジェイエアの県営名古屋発秋田行きのボンバルディア機(CL600―2B19)が岐阜県上空5500mを飛行中,発電機の不具合を示す表示が出たため,名古屋空港に引き返した。
なお,2011年については,新たにエントリーを立てています。→「ボンバルディア機のトラブル2011