人体の不思議展沖縄展で那覇市・市教委が後援取消

もう,2月10日に那覇市公式webでも発表していて,
この日記でも紹介していますが,
やはり,ここは一つ新規エントリを立ち上げましょう。

人体の不思議展の後援取消について
      健康推進課 - 09/2/10(火) 13:24 -
平成21年3月20日から沖縄県立博物館にて開催される「人体の不思議展」について、掲示されているポスターや配布用のチラシ、それにすでに販売されているチケットには後援団体として那覇市那覇市教育委員会の名義が使用されております。同展につきましては、那覇市は平成21年1月28日付け、那覇市教育委員会は平成21年2月4日付けで、後援の取消をしましたことをお知らせいたします。
市民・県民ならびに関係者の皆様に対しましては、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

                   平成21年2月10日
                   那覇市長 翁長 雄志
                   那覇市教育委員会 教育長 桃原 致上

県は展示資料の出所が説明できるのでしょうか?

そもそも,主催者の琉球新報はどうなの?

2月14日追記

主催者の琉球新報さんのサイトには,依然として人体の不思議展について何の情報もアップされていません。紙面及びテレビでの広告のみですね。
全く違うことで,ちょっと気がついたのですが,琉球新報のサイトのトップページの右側に「文芸社主催『沖縄の戦争』原稿募集」という広告が出ています。文芸社というと,協力出版というか共同出版自費出版では,今あるところの中では老舗で有名なところですね。
ただ,共同出版等については,「共同出版・自費出版の被害をなくす会」のページに,こんな会社もあるようなことが書かれています。

出版社は、本がほとんど売れなくても著作権者から支払ってもらった費用で利益を得ることができるために、販売が困難な本でもこの出版形態を推奨することができます。このために販売に期待のもてない作品であっても、意図的に高く評価する、あるいは書店に並べることをメリットとして説明するなどして契約を誘います。多くの契約をとるために出版賞を設けて作品を募り、応募した大半の作品に共同出版を勧誘している出版社もあります。

こんなページも。

2月21日追記 週刊金曜日金曜アンテナ掲載

週刊金曜日(2009年2月20日)の記事から

人体の不思議展」 後援団体が続々辞退
本誌「疑惑の『人体の不思議展』」(二〇〇六年九月一五日号ほか)で取り上げた、各地を巡回中の同展の沖縄展にて、後援団体が趣旨への不賛同を理由に名前を取り下げる事態が起こっている。しかし、主催者側はなおも三月二〇日から開催するとしている。
 同展の公式ホームページには現在、主催の「人体の不思議展実行委員会」(琉球新報社沖縄テレビ放送)と運営会社の「マクローズ」の名前のみが記され、後援諸団体の名前は書かれていない。
 那覇市は一月三〇日付で後援を取り消した。市によると、「昨年一二月に申請を受けた際には各地の行政団体が後援しているということで後援を決定したが、献体団体や大学の解剖学者から『趣旨には賛同できない』という情報が入った。それで『人体展』について調べたところ疑問を持ち、また市民の中には不快感を持つ人がいるのではないかと考えた」ためだと言う。
 また那覇市教育委員会は、「日本医師会などの各後援団体が意思統一をしない状況で、私たちも後援を取り消した方がいいと判断した。教育委員会内部でも、『子どもたちには少し早い』という意見があった。また琉球大学の解剖学の教員からも『献体と言われる展示物にちょっと疑問がある』と言われた」として、二月四日に後援を取り消した。他にも沖縄県教育委員会が後援を辞退している。
 これに対して同展実行委員会は、「今のところ開催する予定」とする。
 相次ぐ後援辞退について「『人体の不思議展』に疑問を持つ会」の末永恵子さんは、「後援団体には同展への批判を受けて反応していただきありがたい」と話している。
 小林拓矢・ライター

琉球新報社沖縄テレビ放送は展示資料が法的に正当に入手されたものであることを,まだきちんと説明していないように思います。

3月17日追記

上記,2月14日追記で紹介しました琉球新報社webサイト上の文芸社の広告ですが,本日時点ではまだ残っています。
でも,広告先に飛んでみますと,当該広告は3月中旬で終了とのことです。(魚拓)

3月17日追記

琉球新報社のwebサイトに,初めて,同社主催の「人体の不思議展」関連の記事が掲載されました。

人体の不思議展 展示作業を開始
那覇市の県立博物館・美術館で20日から開催される「人体の不思議展 からだ=未知なる小宇宙」(琉球新報社沖縄テレビ放送主催)で展示される標本の展示作業が16日、始まった。
 16体の全身標本や臓器、消化器系の標本など約150点の展示物は前日までに搬入された。18日までの展示作業で、臓器標本は人間の頭部から足元に向かうように並べられ、内容に合わせて末梢(まっしょう)神経系などの全身標本が展示される。展示会場では作業員が展示内容に合わせて展示物を所定の位置に並べていった。同展の問い合わせは人体の不思議展沖縄事務局(電話)098(865)5522。



死体解剖保存法第19条第1項

・・・死体の全部又は一部を保存しようとする者は、遣族の承諾を得、かつ、保存しようとする地の都道府県知事(地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項の政令で定める市又は特別区にあつては、市長又は区長。)の許可を受けなければならない。

同法第20条

死体の解剖を行い、又はその全部若しくは一部を保存する者は、死体の取扱に当つては、特に礼意を失わないように注意しなければならない。

4月23日追記

4月22日のロイターの記事から

フランスの裁判所、人体標本の展示に中止命令
[パリ 21日 ロイター] フランスの裁判所は21日、パリで開催中の巡回型の人体展に対し、中止を命じる判決を下した。判決は、2008年に制定された死体の処置に関する新しい法律に基づくもの。同展示だけでなく、フランスのすべての博物館にある人体標本や骨に適用することができる。
 判決によると、人体展「Our Body」の主催者は、24時間以内に展示を中止しない場合、1日当たり2万ユーロ(約250万円)の罰金を支払わなければならない。また、人体標本を当局へ提出することも求めており、従わない場合は1日当たり5万ユーロ(約640万円)の罰金が課せられる。
 同展示を主催するイベント会社のパスカル・ベルナルダン氏は、判決を不服とし上訴する構えを示した。同氏は「この展示はショーではなく、解剖学などの教育を目的としたものだ」と話し、パリの美術館からもミイラの展示を撤去することになるのかと、疑問を投げかけた。
 これまでに世界中で開催された同様の展示には、合わせて約3000万人が来場している。

「死体の処置に関する新しい法律」というのがどういうものなのか,はっきりしないので,とりあえずのメモのみ。