屋久島の雑誌「生命の島」廃刊

11月28日の南日本新聞の記事から

「生命の島」終刊へ 名物編集者・日吉さん死去/屋久島 22年間自然と文化紹介
22年にわたり屋久島の自然や文化を紹介してきた季刊誌「生命の島」が来年1月で廃刊する。「余命3カ月」の宣告を受け最後の執筆に当たっていた編集発行人の日吉眞夫さんは、最終刊となる84号を手にすることなく20日、屋久島町小瀬田の自宅で亡くなった。70歳だった。
 東京大学在学中に学生運動を体験した日吉さん(静岡県伊東市出身)は会社経営を経て1975年に家族と屋久島に移住。原生林保護などを訴えた「屋久島を守る会」の運動に参加後、屋久島産業文化研究所を仲間と設立、86年に「生命の島」を創刊した。
 がんが見つかったのは昨秋。胃を全摘出しながらも編集や広告営業に奔走した。今年10月の秋号発行前に医師から余命を宣告され廃刊を決意したという。
 「生命の島」はB5判約100ページ。全国に定期購読者をもち、発行部数は2500−8000部。屋久島を舞台に活躍する学者らの研究発表、合併など地元の問題を考える硬派の企画などのほか、住民が登場する欄や地元食材の紹介も。詩人の故山尾三省さんの随筆も連載された。
 同研究所初代理事長の兵頭昌明さん(67)=同町一湊=は「屋久島の歴史・文化が詰まっていた。問題提起や情報発信で大きな役割を果たした」と功績をたたえた。
 編集者の1人佐藤未歩さん(29)は「亡くなる3日前まで打ち合わせをし最後まで丁寧な仕事だった」。妻洋子さん(65)は「屋久島の情報を地元の視点で発信し続けた。遺志を継ぎきちんとあいさつして終刊にしたい」と話した。

屋久島を訪れた方の中には,この「生命の島」を目にされ,また手にされた方も多いのではないかと思います。
雑誌の記事自体は,いろいろと好き嫌いもありましたが,そういうものの包含性も含め,貴重なものでありました。
合掌。