ソニー,佐賀県立宇宙科学館他

The Museum - Sony's Journey

ソニーの創業時からの商品を紹介。1950年のテープレコーダー(G-Type),1955年のトランジスタラジオ(TR-55),1963年のビデオテープレコーダー(PV-100),1968年のトリニトロン(KV-1310),1979年のウォークマン(TPS-L2)などが展示。
開館時間は平日の10:00〜17:00。事前予約が必要(03-5448-4455)
場所はソニーの本社(品川区北品川6-7-35)

佐賀県立宇宙科学館

佐賀県立宇宙科学館が18年4月から指定管理者制度導入。指定管理者は「乃村・松尾宇宙科学館活性化共同事業体」とのこと。これは,乃村工藝社と松尾建設の共同事業体。
参考URL:http://shitei.seesaa.net/article/10574036.html
     http://www.pref.saga.jp/kenseijoho/koho/kisha/archives/200511/11/h437865fb29b95/syokuinka-senteiiin11.pdf
     http://www.pref.saga.jp/kenseijoho/shingikai/result.php?rid=59

National Museum of African American History and Culture

http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20041018#p1でも少し触れた件。
National Museum of American Historyの西隣に建設予定
3〜5億ドルをかけて,約10年後に公開予定。資金は政府から半分,もう半分はスミソニアン協会が寄付金を募るとのこと。
建物はまだだが,制度的には2003年12月19日に法制化されたもの。

日本科学技術振興財団

財団の広報誌(季刊)「JSF Today」が100号。特集として「科学技術館展示史〜日本の科学技術とともに歩んだ軌跡〜」は,簡潔にまとまっている。
副館長の山田英徳氏のコラムもおもしろい。
融解した塩化ナトリウムから食塩の単結晶をつくる展示を徹夜で製作したX博士。明け方完成し,稼働させ,タオルで汗をぬぐいながら「山田さん!ほら美しいでしょう!」のシーン。
同じような話はあちこちでありはするものの,それぞれ,やはり感動的です。
広報誌のこの号は,まだwebにはあがっていませんが,http://www2.jsf.or.jp/ja/about/public/index.html でみれることと思います。2006年4月号のものです。
 コピーを置いておきます。

「山田さん! ほら美しいでしょう!」
1968年(昭和43年)の日本自転車振興会補助事業は4階E室「化学」の部屋に「人工結晶の世界」というコーナをつくることになり、当時人工結晶の研究で世界的に有名だった東芝総合研究所(現研究開発センター)のX博士にご指導を仰ぐことになった。
 博士は超高圧下で合成された人工ダイアモンドや人工サファイア等の実物や電子顕微鏡写真をご提供くださったほか、食塩の単結晶を製造する装置を手作りで制作することになり、すべてのパーツを研究所で博士自ら加工・制作し明日オープンという前夜、設置場所に持ち込んで組み立てが始まった。
 体格のいい博士は空調の切れた館内でまさに全身汗びっしょりになりながら装置の組み立てを続けてくれた。最初のうちは博士の工具さばきを感心しながら眺めていたが、何もすることのない私を見かね、「山田さん、完成したら起こしてやるから、ロビーのソファーで寝ていたら?」と声をかけてくださった。既に深夜を過ぎ、私は明日朝までに装置が完成するか心配ではあったが睡魔に勝てず、博士の言う通りに従いソファーで眠ってしまった。
 「山田さん、できたよ!」の声に飛び起きると、外は明るくなっていた。
 博士に導かれて完成した装置を見ると今まさに800度の電気炉にセットされた小さなるつぼの中で融解した透明な食塩(塩化ナトリウム)の液の中から一本の小さな四角柱のまさに透明な食塩の単結晶がくるくると回転しながらゆっくり引き上げられてくる、その瞬間であった。私はただ呆然と眺めているだけであった。そのとき、博士がタオルで汗を拭いながら引き上げられてくる結晶を見つめ私につぶやいた。
 「山田さん! ほら美しいでしょう!」。
 私はたちまち博士の顔がぼやけてくるのをとめることができなかった。

このX博士の言葉。中谷宇吉郎の言葉(フィクションか実話かわかりません)の「せっかくだもの。自然とおんなじ六花の雪を降らせたいとは思わないか。」と通じるものがありますね。

日野市郷土資料館

http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20050306#p1でも触れた件。
1989年に開館した日野市ふるさと博物館が名称を変更し,旧高幡台小学校の校舎の一角に日野市郷土資料館として開館。移転後「ふるさと日野の歴史と文化」で日野の通史を紹介した後,「日野の化石が語ること」「絵図を楽しむ」などの企画展を開催するなど,新鮮な動きを見せています。
ホームページはhttp://www.city.hino.tokyo.jp/museum/index.htmlに。
去る4月29日に開館1周年を記念して,「みんなの資料館まつり」を開催。
市民による市民のための博物館という在り方を前面に出し,調査研究,展示,講座,体験学習会などの活動を積極的に展開している。
また,新たに体験学習センターを開設したとのこと。
農業体験を通して資源循環型のライフスタイルを体験する「郷土資料館エコ・ライフクラブ」を今年度から開始するなども刺激的である。
「市民のための博物館」を実践する博物館として,関東地方でも,平塚市博物館平塚市美術館,浦安市博物館などは有名であるが,今後の展開が楽しみである。
なお,そういう視点で見るならば,公立の博物館としては,川崎市青少年科学館江戸東京博物館たてもの園なども特色があります。
ただ,この日野市郷土資料館http://museum.jpn.org/hino/のサイトで,考える通信5号などを見ると,標本の収蔵環境は不安です。
「(疑問・意見・要望)資料館の設備は劣悪で,温湿度管理・防虫・防犯・防災などの上で大きな欠陥がある。またそのために展示可能な資料には限りがあり,魅力的な展示はまずできない。これらの欠陥を整備する計画を示して欲しい。」に対し
「(市側の回答)従来のふるさと博物館の資料は収蔵庫などに死蔵されていたが,不十分な施設であってもそれが収蔵展示という形で市民の目に触れるようになったことは評価して欲しい,という趣旨の発言が行政側からあった。施設の改修・整備については明確な回答なし」と。
展示と保存はある意味どうしても相反します。展示も行いたいし,永久を目指した保存も行いたい。行政は,もう少し専門家たる学芸員の判断を尊重して欲しいところです。

新選組のふるさと歴史館

同じくhttp://d.hatena.ne.jp/ironsand/20050306#p1で触れた件。
2005年12月10日に開館。ホームページはhttp://www.city.hino.tokyo.jp/shinsenr/ です。余計なことながら,文字が点滅してとても見えづらいトップページです。
今年,3月4日の読売新聞に新選組歴史館のことがとりあげられていました。記事はhttp://blog.goo.ne.jp/funnyara/e/5866500a56191d07635251fc77aee97a で見ることができます。
「博物館」と名乗ってないだけ,良心的かもしれません。資料の収集ができない,管理ができない,調査研究ができない,展示は借り物とのこと。
記事中でコメントしていた村瀬館長は,もう館長を辞められたとのことですが,彼のブログでも読売新聞の記事のことが触れられています。http://shougo.blog4.fc2.com/blog-entry-108.html

佐藤彦五郎新選組資料館・井上源三郎資料館・土方歳三記念館

その同じ日野市内に,新選組隊士と交流のあった佐藤彦五郎俊正(天然理心流)の子孫による佐藤彦五郎新選組資料館が2006年4月23日に開館しました。土・日・祝日開館
ホームページはhttp://satoshinsen.gozaru.jp/
日野宿本陣文書検討会のブログにhttp://blog.drecom.jp/hinojyukuhonjin_kentoukai/archive/233 詳しく記事があります。詳細はまだよくわかりません。
また,日野には,新選組関連で井上源三郎(新選組六番隊隊長)資料館(2004年1月開館。但し開館日注意。基本的に第1・3日曜日開館)や土方歳三記念館(開館日注意。基本的に第1・3日曜日開館。http://www.hijikata-toshizo.jp/)もあります。
いずれも基本的には個人立の資料館です。
資料にとって,もともとあるべきところにあるというのも大事なことです。ただ,資料の未来への継承が,まったく個人の責任においてのみなされることとなってしまいます。100年先,200年先を見据えて,散逸しない在り方も,所有者,支持者,行政で一緒に考えていってほしいなと思います。ただ,郷土資料館の項で触れたように,日野市の現行政では,100年,200年先までの保存は望めないようですが。
なお,斎藤一(藤田五郎)のその後についてhttp://d.hatena.ne.jp/ironsand/20041230#p2で少しだけ触れています。