薬事法違反のCSDCC漢方クリームの書き込み

Yahoo!知恵袋アトピーや乾癬についての質問があった際,10月の中旬頃から,CSDCC漢方クリームを宣伝する回答が書き込まれています。
これまでのところ,回答しているのはskuda986氏,wushanoffice氏,kureku42氏の3人。skuda986氏が書き込みをしなくなったころ,wushanoffice氏が登場し,wushanoffice氏が書き込みをしなくなったころ,kureku42氏が登場。役割分担しているのか,一人の書き込みなのか。
skuda986氏の回答も宣伝そのままですので,ほとんどYahooが削除していますが,数少ない残ったものを見ると,「2歳4か月の娘の乳児湿疹に効いた」という体験談だったり,「子ども時代10年煩っていたアトピーが沈静化していたのに,サプリメントを飲んだらぶり返した。その症状に効いた」というものだったり,「ものごころ付いた頃からアトピーで,大学時代,社会人になって,また会社を辞めてとずっとアトピーに苦しんだ長い歴史の末ようやくCSDCCに出会って効いた」というものだったりと,「2年前から乾癬にCSDCCを塗って効いた」というものだったりと,明らかにskuda986氏が自分のものとして捏造した体験談。
wushanoffice氏の回答も,宣伝そのままでだいぶん削除されていますが,これも「15年の乾癬歴」だったり,「ものごころ付いた頃からアトピーで,大学時代,社会人になって,また会社を辞めてとずっとアトピーに苦しんだ長い歴史」だったり,「2歳4か月の娘の乳児湿疹」だったり,「18歳の娘がアトピー」だったり,「旦那が長くストロフルスや汗疹や湿疹」だったり,「自分が長くストロフルスや汗疹や湿疹」だったり,「子ども時代10年煩っていたアトピーが沈静化していたのに,サプリメントを飲んだらぶり返した」ものだったり,「季節の変わり目だけ症状が出る」ものだったり,,,はあ。これがwushanofficeさんの体験談だそうで,捏造のオンパレードですね。
新たに登場したkureku42氏。「小学生の子どもがアトピー」だったり,「高校時代に完治した皮膚炎が1年前に再発」したり,「ものごころ付いた頃からアトピーで,大学時代,社会人になって,また会社を辞めてとずっとアトピーに苦しんだ長い歴史」だったり,「季節の変わり目だけ症状が出る」ものだったり,と,まだ登場して間もないためkureku42さんの症例は少ないようです。今後,きっと充実していくことでしょうが。

捏造体験談を誰が書き込んでいるのかはわかりません。ただ,宣伝目的であることは明らか。

さて,薬事法から

第66条
 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
第68条
 何人も、第14条第1項又は第23条の2第1項に規定する医薬品又は医療機器であって、まだ第14条第1項若しくは第19条の2第1項の規定による承認又は第23条の2第1項の規定による認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
第85条
 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
  4 第66条第1項又は第3項の規定に違反した者
  5 第68条の規定に違反した者

2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金という違法行為を犯しての宣伝行為ですね。

これだけリスキーな宣伝行為を行わなければ売れない代物と推測することができます。

なお,これらの回答等からのリンクがwww.csdcc.comというWebサーバーに貼られています。

csdcc.comというドメインの管理者は whois.paycenter.com.cnによると上海箭峰贸易有限公司ということです。

Registrant:
csdcc
shanghai jianfeng maoyi youxian gongsi
200436
上海箭峰贸易有限公司
−snip−
Registration Date: 1999-10-08
Update Date: 2002-09-28
Expiration Date: 2010-10-08 

ただ,www.csdcc.comというサーバー自体は日本国内で,ライド株式会社(レンタルサーバー専門会社,Radix CGの子会社)にあるようです。(2008年7月22日追記 7月22日現在では米国のCalifornia Regional Intranet, Inc.にサーバーを置いてあるようです)
ちなみに,www.csdcc.comのindex.html(英語のページ)のソースを見ると,日本語版のMS-WORDで作成されたこともわかります。(2008年7月22日追記 これも,もう違います。というか,基本的に閉鎖されています)

http://www.sptrade.net/companylist/view817205605748959.html (魚拓)を見てみると,「上海箭峰贸易有限公司」の主要産品は食品,健康茶とのこと。また,住所は上海上海市上海锦秋花暑・区109号。担当者は郑克非先生(销售部经理=販売部マネージャー)。ネット上の住所はhttp://www.donasis.co.jpとのことです。
donasis.co.jpのドメインの管理者は株式会社ドナシス生薬研究所ですから,csdcc.comと上海箭峰贸易有限公司とドナシス生薬研究所(千葉県千葉市稲毛区)は関連があることがわかります(そもそもwww.csdcc.comのindexj.htmlには,株式会社ドナシス生薬研究所の商品が掲載されているので,明らかではあるのですが)。株式会社ドナシス生薬研究所(中国語では株式会社多纳希斯生药研究所)の代表者は鄭克非(Ke Fei Zheng)氏とのことですね。

お詫び;unicodeタグを使用していますので,環境によっては中国語部分がきちんと表示されていない方もいらっしゃるかと思いますが,ご容赦を。
11月9日追記

11月8日から,dteo24氏が知恵袋に登場し,体験談を捏造しながら宣伝を繰り返し始めています。
ある掲示板にCSDCC何たらクリームの宣伝書き込みがやはりありました。リモートホストを見てみると,0.37.83.218.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cnとか,08.193.170.61.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cnなど。
 中国本土から書き込みをしているようですね。

このクリームもきちんと検査されたものではないかもしれません。
無許可医薬品にはご注意ください。何が入っているか,誰も保証してくれません。

東京都の健康安全研究センターが行った「アトピー治療薬を標榜する無許可医薬品の分析」という研究では,「今回報告するアトピー性皮膚炎の治療を標榜した無許可医薬品は,インターネットを利用して広告を行い,個別販売していた製品で,『天然成分のみ,副腎皮質ホルモンなどの医薬品は一切使用していない』と明言されていた」が、調べたところ53検体のうち、52検体からステロイドが検出されたということです。

2008年3月15日追記

Yahoo知恵袋に新たな投稿者。zxrzxreye氏。CSDCCのローションとクリームやアトピークリームの体験談を投稿されています。
氏の体験談は,本人,妹がアトピー持ちで,7月に生まれた甥(妹の子)の湿疹に効いたというものと,19歳の息子のアトピーに効いたというものと,小学生(10歳)の子どものアトピーに効いたというものと,体質改善のサプリメントで10年ぶりに再燃したアトピーに効いたというものと,中1の息子の湿疹に効いたというものと,本人の長年のアトピーと2歳4か月の娘のアトピーに効いたというもの。
体験談が捏造でないとするならば,妹がいて,妹に甥が生まれて,19歳の息子と,中1の息子と,10歳の子どもと2歳4か月の娘がいて,でも子どもは3人しかいない。
 昔は厨房の仕事をしていて,今は美容師。本人は長年継続してアトピーに悩んでいる一方,10年間は症状が出ていなくて,でも昔は症状が出てなくて30歳からひどくなったという,非常に不可思議な症状の人ですね。

2008年5月24日追記 中国製「健康食品」で意識不明に

5月23日の毎日新聞の記事から

<中国製健康食品>服用した70代男性、一時意識不明 横浜
横浜市は23日、中国製の健康食品「七鞭粒(しちべんりゅう)」を服用した市内の70代男性が一時意識不明の重体になったと発表した。錠剤からは糖尿病治療薬の成分「グリベンクラミド」が1日使用上限の6.7倍検出された。この製品による健康被害が疑われる事例報告は国内で初めて。
 市によると、男性は中国に行った友人から七鞭粒(1箱4錠入り)をもらった。4月中旬に1錠を服用し、4日後に自宅で意識不明で倒れているのを訪ねて来た知人が見つけ、病院に搬送された。低血糖で現在も入院中だが、命に別条はないという。
 5月20日に医療機関から市に届け出があった。検査の結果、1錠からグリベンクラミド67ミリグラムと性的不能治療薬「バイアグラ」の成分「シルデナフィル」48ミリグラムを検出した。グリベンクラミドの1日使用量の上限は10ミリグラムで、低血糖や発疹(はっしん)の副作用がある。
 七鞭粒は未承認薬だが、精力増強剤としてネット上で販売されており、厚生労働省は服用しないよう呼びかける方針。【野口由紀】

食品の中で野菜などは基本的に信頼できるものですが,それでも肥料,農薬に何が使われているかわかりません。ただ,農薬など,残留する量は限られています。
ところが,「医薬品」とか「サプリメント」などと言われるものは,何が,どれだけ入っているか,皆目見当が付きません。
わからないものを飲むのは,自殺行為と言われてもしょうがないと思います。

2008年6月29日追記 CSDCCクリーム及びローションから長崎県環境保健研究センターが合成ステロイド「フルオシノニド」を検出。

2008年6月29日のエントリーCSDCCクリーム及びローションから長崎県がステロイドを検出」にも書きましたが,長崎県環境保健研究センターがCSDCCのクリーム及びローションから合成ステロイドを検出したと言うことです。
長崎県から6月27日付で緊急情報が出されています。→こちら(pdfファイル25KB)

2008年12月9日追記

SHANGHAI WUSHAN INDUSTRIAL CO., LTD(上海悟善実業有限公司)の担当者も郑 克非(zheng-keifei)さんです。ちなみに連絡先等は上海市宝山区丰翔路128-120(NO.128-120 FENGXIANG RD. SHANGHAI CHINA),TEL:+86-21-51098176,FAX:86-21-51010173,URL:www.wushan178.com ですね。(会社概要の魚拓1魚拓2)