フタバスズキリュウの研究最前線

1968年に福島県いわき市で当時高校生の鈴木直さんによって発見された首長竜の化石。化石が発掘された地層の名称(双葉層)と,発見者の名前にちなんで,フタバスズキリュウという通称で呼ばれていた首長竜に38年ぶりに正式に記載され,学名がつくとのこと。その名もFutabasaurus suzukii
国立科学博物館でも以前常設展示されていて,フタバスズキリュウという名前は当然紹介されていたが,実は学名はなかったということですね。
正式な記載を記念して,短期間ですが,科学博物館で展示されています。
フタバスズキリュウ研究最前線→http://www.kahaku.go.jp/event/2006/05hutaba/index.html
Palaeontologyに19日付で発表される論文の概要はhttp://www.blackwell-synergy.com/doi/abs/10.1111/j.1475-4983.2006.00554.xから見れます。
そう言えば,石川県から福井県に広がる手取層群も,様々な恐竜化石が発見されています。福井県立恐竜博物館が勝山市に作られていて,調査研究と,標本の保存,展示が行われていますが,この手取層からそもそも最初に恐竜の化石を発見したのもやはり高校生の松田亜規さん。
高校生ということに,もし,何らかの意味を見つけようとするならば,それは,高校生が先入観なしに,もしくはポジティブに「もしかしたら,これはとっても大事な発見かもしれない」という積極的な考えや情熱を持っているということでしょうね。
特に鈴木さんの場合は,その裏付けとなる知識・経験も積まれていたとのこと。
さて,科学博物館にしても,いま鈴木直氏のいるいわき市アンモナイトセンターでも化石の発掘会や野外観察会を実施しています。博物館で展示されているのは,どうしても見栄えのよいものが中心になりますが,こんな観察会で,実際に石の中から手ずから化石を取り出すと,そんなに見栄えの良くないものの方が殆どですが,やはり感激します。
アンモナイトセンター(福島県いわき市)の体験発掘へ→http://www.ammonite-center.jp/newpage1.htm
御船町恐竜博物館(熊本県)の体験発掘へ→http://www.mifunemuseum.jp/activity.html
このブログでhttp://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060422#p1で紹介した中国での恐竜化石発掘体験なんていうのもあります。