丹波竜―太古から未来へ
カラー版で読みやすい本です。市民による
丹波竜の発見から
人と自然の博物館による発掘,発見された恐竜化石の概要,地域で発見された価値を高めるための様々な市民の動きなどが,コンパクトにまとまっています。
博物館は地域の価値の再発見,保存と継承,交流促進に優れた装置であって,
学芸員はその中心的な役割を果たします。今回の
丹波竜のような恐竜化石の発見と価値創造は地域の自然史博物館−しかも,
学芸員が充実している
兵庫県立
人と自然の博物館−の本領発揮というところですね。
兵庫や大阪,滋賀あたりは,公立博物館と市民の連携が特に強いように思います。
2009年10月15日のエントリーで紹介した
佐用町昆虫館の運営や復興についても,
人と自然の博物館の
学芸員が積極的にかかわろうとしています。横道にそれるとは思いますが,市民と
地方自治体がやりあい,またともに考えて動いてきた反差別運動の歴史も一つの要因でなかったかと個人的には考えています。
中の人ではなく,「
ミュージアム・フリーク」だからなのか,資料の保管の話などはほとんどでてきません。
でも,気軽に博物館を楽しもうということを,一部気を負っているところもありますが,気軽に伝えたいという感じで書かれています。
戦争の見せ方―そういうことだったのか!戦争の仕組み
政治的スタンスは違うな〜と思いつつ,読了。
ベトナム戦争時の米国軍隊は,それ以前にも,それ以後にもないくらい,マスコミに或る程度オープンしていたであろうことは肯定します。とは言え,
ベトナム戦争でもオープンされていない情報は山のようにある。況や
イラク侵攻等のその後の戦争では。
写真が多い本です。「この写真が入っていてもいいのに」と思うようなものが抜けたりしています。
遠くの声に耳を澄ませて
| 宮下 奈都 (5) 今後も最も注目すべき作家の一人であろう 旅に出たくなる 此処でない何処か。けれども、此処と繋がった何処かへ。 儚げなんだけど、慈しめる12の短編 最初からもう一度読み直したくなりました |
宮下 奈
都氏の本は何度か紹介しています。
自分の知り合い,またその知り合い。それぞれの人は,それぞれの想いがあり,また歴史と出会いがある。世界の,全く離れた場所での物語は,その物語の中及び周辺にいる人によって紡がれ,それらの物語がまた人々によって紡ぎあわされる。
沙羅は和子の名を呼ぶ
| 加納 朋子 (9) クリスティー『死の猟犬』の二番煎じ。 玉「宝」混淆 心にするりと入り込んでくる物語 オススメ♪ ファンタ ジーであり、ミステリー |
加納朋子氏の本も何度か紹介しています。本書は短編集。短いものやちょっと長いもの。ミステリもあればファンタ
ジーもある。ちょっと統一感がなく,ストーリーが上すべりしている感があります。加納氏の小説は好きなので,私自身は大事に読み終えたところですが,氏の作品の中ではもう一つの部類。
トモ、ぼくは元気です
| - 香坂 直
- 発売日 : 2006/08/24
- 出版社/メーカー : 講談社
- おすすめ度 : (3 reviews)
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児童書。悪役が型どおりすぎる点もありますが,小学校高学年には読んでほしい本ですね。統合教育,最近ではインクルーシブ教育と言われたりしていますが,その推進のためにも。
裁判長!これで執行猶予は甘くないすか
| - 北尾 トロ
- 発売日 : 2007/04
- 出版社/メーカー : 文藝春秋
- おすすめ度 : (5 reviews)
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『
裁判長!ここは懲役4年でどうすか』に続く北尾氏の裁判傍聴もの。TBSのラジオでコーナーを持っている「裁判傍聴芸人」
阿蘇山大噴火氏の裁判記録も興味深く(webコラムは
ここ。
podcastは
ここ),良く聞いたりしていますが,本書も気軽に読めます。
阿蘇山氏のものは,被告人や検事,裁判官といった人に焦点をあてた傍聴記ですが,一方北尾氏のものは,事件自体に焦点をあてています。