鹿児島県男女共同参画課長のジェンダー・フリーに関する発言

毎日新聞より
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/news/20041214ddlk46040433000c.html
鹿児島県議会生活厚生委員会での発言
同委員会委員である県議からの「ジェンダー・フリーという言葉を使う人の中には思想的に偏った人がいる」「思想が偏った人による講演はないか」という質問に対し
堀之内青少年男女共同参画課長は「県の主催ではないが,女性団体が上野千鶴子氏を呼んだ講演会が1回あった」と回答したという。
くだんの県議ですら「(課長の発言に)大賛成だが,課長の発言として適切かどうか。議事録に残すことがいいのかどうか」とフォロー。結局,委員の県議10人全員が議事録に残さないことに同意したという。

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県行政の男女共同参画についてのページはhttp://www.pref.kagoshima.jp/home/seijyoka/kyodo/index.htmlにある。一生懸命,創ったのかもしれないが,担当課長がこれでは「男女平等を徹底する」と言いながら,底が透けてみえる。

鹿児島と売春防止法

そういえば,歴史的に見ると,江戸時代,鹿児島の,薩摩藩の武士社会は(薩摩藩だけに限らないだろうが),とくに男が享楽にふけり,軟弱となることを卑しむ社会だったらしい。一昔前の言葉で言えば,男は軟派ではなく,硬派であれと言ったところだろうか。
そのゆえか,男色が盛んだったらしい。
ところが,近代以降はかなり変化した。遊郭鹿児島市内に誕生し,栄えていたという。
昭和期,第二次世界大戦後しばらくしてから,売春防止法が施行。遊郭は鹿児島はもとより全国から消えることとなる。
その売春防止法成立の大きなきっかけとなったのが,この鹿児島で起きた事件だった。
いわゆる「まつもと事件」である。建設土木会社が引き起こした事件であり,贈賄として女性を県行政や県議に差し出していたといわれる事件である。この松元事件については
http://www.ops.dti.ne.jp/~heiwa/peace/report/re086.html
http://web.archive.org/web/20040217103350/http://www.minaminippon.co.jp/sanga/ka20-000124.htmに詳しいので参照されたい。
まつもと事件は,完全な真相解明には至らず,多くの「名士」は胸をなでおろしたらしい。
このつけが,今に尾をひきずっているのかもしれない。
鹿児島県議会では,昨年(2003年),ジェンダー・フリー教育反対の陳情を採択し,推進を求める陳情を不採択とした。ジェンダー・フリー教育反対の陳情を見てみると,「ジェンダー・フリー教育が進むと,男女を同一の部屋で着替えさせるようになる」など,頭が腐っているんじゃないかと思うような表現!
ようは,女性は付属物であれとか,一歩下がっていろとか,議を言うなとか,という考えで,人間の尊厳を尊重しようという考えがそもそも存在しない頭で考えているんだろう。
近世から,近代,現代に至るまでの長い歴史の中で染みついたもののなかで。