北九州で指定管理業務の全部停止処分&山口市・大分市で指定管理者の指定に関する議案の撤回

中国新聞から。http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200612110135.html

指定管理者、談合で辞退 '06/12/11

 山口市は、開会中の市議会定例会に提案していた体育施設の指定管理者を決める2議案を撤回する。北九州市発注の談合事件に絡み、指定予定の事業体に関連する社員が逮捕されたためで、事業体から辞退の申し入れがあった。撤回したのは「市スポーツの森」と「やまぐちリフレッシュパーク」の管理者を決める議案。議案が可決されれば2007年4月から3年間、2施設の管理運営をする予定だった。

スポーツの森,リフレッシュパークとも,市民の心身の健康増進及び体育の普及振興を図ることを目的とする施設です。指定管理者の業務内容は,利用受付,利用料金に授受,施設の維持修繕など。
コンソーシアム「元気フィールドやまぐち」が,選定委員会の審査を経て候補者となっておりました。
しかし,このコンソーシアムの構成員については,webでは情報が出てきません。
(12月13日追記 ある報道によると,この事業体は大阪市のスポーツ施設施工会社「奥アンツーカ」等によるもので,奥アンツーカ側から辞退の申し入れがあったということです。
「元気フィールドやまぐち」は奥アンツーカとNPO法人ポラーノやまぐちのコンソーシアムのようです。なお「NPO法人ポラーノやまぐち」の連絡先は,山口市中央4丁目3番4号 TEL083-924-6208 FAX083-923-3822ですが,これは,奥アンツーカ(株)山口工事事務所の住所,FAX番号だけでなく,電話番号も同一ですので,事務組織は重なっているものと思われます。)
北九州市の事件とは,ここには談合事件と書かれていますが,むしろテニスコート整備工事を巡る威力業務妨害事件と言った方がよいと思われます。11月21日に奥アンツーカ(株)社員と指定暴力団四代目工藤會三代目林組幹部組員が逮捕されています。これは,厚冨スポーツ施設(株)の受注した工事(12月13日誤りにつき修正済)に対する威力業務妨害及び器物損壊容疑容疑です。その後さらに12月5日に厚冨スポーツ施設(株)と奥アンツーカ(株)の社員が談合容疑で逮捕,12月7日には北九州市議が奥アンツーカ社員と共謀して工事妨害を行ったとのことで,同じく威力業務妨害と器物損壊容疑容疑で逮捕される事件に発展したものです。
なお,奥アンツーカは,北九州市の本城公園(本城球場,本城陸上競技場,本城運動場)の指定管理者にもなっていましたが,11月29日付けで,北九州市から,地方自治法第244条の2第11項の規定に基づき,「管理の業務の全部の停止」の行政処分を受けています。
山口市同様大分市でも。西日本新聞の記事から。http://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/politics/20061208_local_O_001-nnp.html

大分市 指定管理者議案を撤回 社員逮捕 内定企業辞退申し出

 大分市は7日、同市営陸上競技場の指定管理者として来年4月から管理を委託する予定だった福岡市の企業に逮捕者が出たため、今議会に提案していた議案を撤回した。同競技場を管理する市教育委員会スポーツ健康教育課は「詰めの段階だっただけにショックは大きい。今後の対応については白紙状態」と、委託直前のトラブルに困惑している。
 議案は管理費削減のため、同競技場の管理運営を来年度から3年間、民間の指定管理者に委託する内容。同市陸上競技協会と福岡市博多区の運動施設工事会社「奥アンツーカ九州支店」で構成する管理団体「オアックスまいづる」が管理者に内定していた。
 奥アンツーカ九州支店は営業課長が5日、北九州市発注の公共工事の入札に絡む談合にかかわったとして福岡県警に逮捕されたため、翌6日、大分市に管理者の辞退を申し出た。
 同市議会は7日の本会議で議案撤回を全会一致で承認した。同市議会で議案が撤回されるのは34年ぶり。
=2006/12/08付 西日本新聞朝刊=

なお,奥アンツーカについて調べてみると,
大阪市の靱テニスセンター及び靱庭球場の指定管理者である「うつぼグループ共同企業体」も,(社)大阪スポーツマンクラブと奥アンツーカ(株)とのコンソーシアム。
広島県広島県総合グランド野球場の指定管理者である「ポラーノグループ特定共同企業体」も,NPO法人ポラーノや奥アンツーカなどによるコンソーシアム(ちなみにNPO法人ポラーノの副理事長は奥アンツーカの中国支店長:理事長は広島経済大学NPO法人ポラーノの所在地は広島市西区天満町6-12で奥アンツーカ中国支店の所在地と同じとなっています)。
和歌山県紀三井寺公園等(紀三井寺公園紀三井寺緑地,秋葉山公園県民水泳場,県営相撲競技場)の指定管理者である「はまゆうグループ」が奥アンツーカ,近畿電設工業,(株)ヘッズのコンソーシアム。
松山市の別府第一市民運動広場、別府第二市民運動広場、拓川市民運動広場及び空港東第四公園テニスコートの指定管理者が奥アンツーカ単独。
金沢市金沢市民野球場等20の屋外スポーツ施設の指定管理者が金沢市スポーツ事業団・奥・米沢共同事業体((財)金沢市スポーツ事業団、奥アンツーカ(株)、米沢電気工事(株))。
長崎市総合運動公園かきどまり野球場の指定管理者が「かきどまりグループ」で長崎緑地公園管理事業協同組合・奥アンツーカ西九州営業所・島崎電業のコンソーシアム。
福岡市名島運動公園の指定管理者が「名島グリーンサポート」で宗像緑地建設㈱・㈱環ヴィトーム・奥アンツーカ㈱のコンソーシアム。
廿日市市の佐伯総合スポーツ公園の指定管理者が「ポラーノグループ特定共同企業体」で,奥アンツーカ(株)中国支店,三栄産業(株),NPO法人ポラーノのコンソーシアム。
また,品川区のしながわ区民公園の管理業務委託契約も奥アンツーカが請け負っているようです。

福岡県警が県内市町村に指名停止要請 12月28日追記

工事妨害依頼会社 福岡県警が指名停止要請
12月27日17時7分配信 西日本新聞

 北九州市発注のテニスコート整備工事をめぐり、社員が暴力団組員に工事妨害を依頼したとされる運動施設工事会社「奥アンツーカ」(大阪市)について福岡県警は27日、県内の市町村など計67機関に指名業者からの排除を要請した、と発表した。指名停止の要請は今年4件目。
 このうち、九州地方整備局と福岡県が同日付で、同社をそれぞれ12カ月と6カ月の指名停止処分にした。福岡、北九州両市は、すでに指名停止処分にしている。
 県警によると、同社を指名登録している全市町村のほか、福岡防衛施設局福岡北九州高速道路公社などに要請。
 この事件では、同社北九州営業所長(38)や北九州市議の清田真容疑者(47)、暴力団組員らが威力業務妨害容疑などで逮捕されている。同県警によると、同営業所長は暴力団組員に工事妨害の報酬として50万円を支払ったという。

=2006/12/27付 西日本新聞夕刊=

すでに,福岡県内のみならず,様々な県・市で指名停止処分(1年以上の停止を行っているところもあるようですが)がなされています。それにしても,警察が指名停止要請というのも何だか不思議な気がします。
行政処分と刑法上の関係がどうなっているのか,個人と会社の扱いの関係がどうなるのか。
談合は企業ぐるみでしょうけれども,暴力団構成員に依頼して相手の工事現場を破損したという威力業務妨害については,一種の破廉恥罪で,個人が責をまず負うような気もします。まあ,組織ぐるみでしょうけれども,いまのところ裁判は開かれていないのだから。
 本件については指名停止処分も尤もだとは感じてしまいますが。

判決が出ました。2月27日追記

毎日新聞に,テニスコート整備妨害事件に関し,判決が出たことが載っていました。奥アンツーカ元社員,暴力団構成員,実行犯の3人に対する判決で,市議については,まだのようですね。

北九州テニスコート整備妨害:3人に有罪判決−−地裁小倉 /福岡

 北九州市発注工事を巡る威力業務妨害事件で、地裁小倉支部は23日、前市議、清田真被告(47)の指示でテニスコートに塗料をまき散らしたとして威力業務妨害罪に問われた暴力団幹部ら3人に有罪判決を言い渡した。三浦隆昭裁判官は、市議と業者の癒着や暴力団とのつながりを指摘し「市の暗部が噴出した悪質な事件だ」と述べた。
 三浦裁判官は、指定暴力団工藤会系組幹部、本田義昭被告(38)に懲役2年(求刑懲役2年6月)▽指名業者「奥アンツーカ」の元北九州営業所長、武藤大祐被告(38)に懲役2年6月、執行猶予5年(同)▽瓦業の福田章被告(47)に懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
 判決によると、3人は05年3月9日、小倉南区の文化記念公園でテニスコートに塗料が入った液体をまき散らし、工事を妨害した。他の議員の口添えで別の業者がテニスコート整備工事を落札したことに腹を立てた清田被告が武藤被告に嫌がらせを指示。武藤被告が本田被告に相談し、福田被告らが実行役になった。
 〔北九州版〕
 2月24日朝刊

「かきどまりグループ」の一員 島崎電業破産 4月23日 追記

長崎市総合運動公園かきどまり野球場の指定管理者が「かきどまりグループ」を構成している一社の島崎電業株式会社が,破産していたようです。
今年2月20日に,弁護士に委任し,事実上の事業停止。負債総額は4億7600万円内外。建設不況下,業容は縮小の一途をたどり,年商はピークから半減し、4億円前後になっていた。そこに焦げ付きの発生が重なり,事業継続を断念したとのこと。4月4日に地裁で破産手続きの開始が決定。

NPO法人ポラーノの事務所が移転 2007年4月27日 追記

奥アンツーカ中国支店と同じ住所となっていたNPO法人ポラーノの事務所が,2007年4月25日付けで移転しています。新たな事務所は広島市中区鶴見町12番13号になります。

清田元市議にも判決が出ました 追記

2007年5月21日に福岡地裁小倉支部で判決が出ました。懲役2年8か月執行猶予5年(求刑懲役2年8か月)とのことです。「奥アンツーカ」の元北九州営業所長よりちょっとだけ重い量刑ですが,執行猶予付きですね。

2008年9月17日追記 少し粘着ですが

ポラーノは現在広島市中区鶴見町12-13。これは(株)ユニサスand(株)地域パートナーズ広島と同じ所在地ですね。ちなみに,(株)ユニサスはNPO法人ポラーノとともにポラーノグループとして三原運動公園と東広島運動公園の指定管理者になっています。(株)地域パートナーズ広島はNPO法人ポラーノ等とともに,広島県立びんご運動公園の指定管理者になっています。
 ポラーノとくしまは設立時は奥アンツーカ(株)東四国工事事務所と同じ所在地でしたので,奥アンツーカが社会貢献の一環として支援していたと考えられます。現在は,ポラーノとくしまは別の場所に移転していますが。
 ポラーノやまぐちは奥アンツーカ(株)山口営業所と同じ所在地で,設立時は電話番号も同じでしたが(上記の通り),いまは別な電話番号になっています。
 ポラーノしまねは奥アンツーカ(株)と同じ所在地にあります。また,ポラーノおかやまも奥アンツーカ(株)岡山営業所と同じ所在地にあります。ポラーノえひめは奥アンツーカ(株)西四国工事事務所と同じ所在地にあります。
(株)ユニサス,(株)地域パートナーズ広島,奥アンツーカ(株)とも社会貢献として,非営利活動法人を支援し,またPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携事業とも訳す)の一環として,指定管理者にも積極的に取り組んで来られた歴史の現れなのでしょう。きっと(ry

2008年10月8日 メモ

四代目工藤會関係掲示板 jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/6659/1164814091/ jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/6659/1207213207/ changi.2ch.net/test/read.cgi/4649/1220687616/ changi.2ch.net/test/read.cgi/4649/1215652810 など
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/48182