横浜こども科学館のネーミングライツ

横浜こども科学館の愛称命名権ネーミングライツ)については,5年前,2007年12月12日のエントリー「博物館にネーミングライツ?」で触れたことがあります。
2008年4月から5年間,1年間3,000万円の契約で横浜銀行が取得し,横浜こども科学館に対して「はまぎんこども宇宙科学館」という愛称を命名しました。横浜市としては契約上,条例で定められた名称である「横浜こども科学館」でなく,横浜銀行が独占的に取得した愛称命名権による愛称「はまぎん こども宇宙科学館」を,市民に対して使うこととなったわけです。
その愛称命名権の契約が2013年3月で切れることとなっていました。 科学館のネーミングライツとして先行していた栃木県子ども総合科学館(年間2,000万円の契約)は,命名権契約の更新のため,今秋,公募を行っていましたが,応募されてきた入札価格は栃木県の希望価格(1,800万円)を大きく下回り,「ネーミングライツパートナー」の選定を見送ったばかり。 横浜市はどうするんだろうと思っていましたが,神奈川新聞で報道がありました。
12月27日の神奈川新聞の記事から

横浜こども科学館命名権、浜銀が3年間継続へ/神奈川
横浜市は26日までに、横浜こども科学館磯子区、はまぎん こども宇宙科学館)の命名権ネーミングライツ)について、スポンサーの横浜銀行と契約更新する方針を決めた。契約期間は2013年度から3年間で金額は現行契約の半分となる年1500万円。市は計4500万円の収入を見込む。
 市こども青少年局によると、08年度にスタートした命名権については、12年度末までの5年間、年3千万円で横浜銀行と契約していた。
 市はことし6月から、横浜銀行と契約更新について協議。景気が低迷し、他の施設でも命名権の契約金額が引き下げられている状況なども踏まえ、契約期間の短縮や金額の引き下げに合意したという。
 13年3月に更新契約を結ぶ方針。

横浜こども科学館では,公募ではなく,現在の「スポンサー」横浜銀行と,6月以降協議を行ってきたとのこと。 横浜市が設定した私権を売るのであれば,本来,随意で契約するのではなく,公募することが望ましいはず(なお,新たな「スポンサー」に決まったときは,愛称が変更することに伴う事務経費等が当然発生するため,それに関する条件設定も必要)。それにも関わらず,一者と随意で契約に向けて協議を行ったということは,横浜市としては商契約ではなく,あくまで寄付してくれるスポンサーとして取り扱ったということでしょう。
ネーミングライツスポンサー」という横浜市のタームと,「ネーミングライツパートナー」という栃木県のタームの違いもここにあるかもしれません。
でも,
外にも横浜こども科学館に寄付や支援をしている人(法人,個人問わず)がいると思うんですが,横浜銀行という寄付者にだけ,別格の便宜供与をしているようにしか見えないんですが。

それとも,やはり,寄付のふりをした商契約? それなら,随意でやるのがおかしい。 年間2,000万円で契約するという者もいたかもしれないのに。