新しい時代の博物館制度の在り方について(報告)の反響

博物館法改正にからみ,どんな反響があるのか。
6月15日の産経新聞の記事から。

「博物館法」56年ぶり改正へ 形骸化…全国施設8割が対象外

 博物館や美術館、動物園、水族館などの発展を図る博物館法を、大幅に改正しようという動きが強まっている。昭和26年に制定された同法は、いまの実態とそぐわなくなり、全国の施設の約8割が対象外となるなど、有名無実と化していた。文部科学省有識者会議を設置して抜本的な法改正を検討。登録基準の緩和や学芸員制度の見直しなどを内容とする同会議の最終報告がきょう15日にもまとまる。形骸化(けいがい)した法律は再生されるのか−。(猪谷千香)
 博物館などの施設は全国に5614館(平成17年10月現在)あるが、博物館法が定める「登録博物館」は865館、登録に準じる「博物館相当施設」は331館しかない。
 ユニークな改革で全国トップクラスの来園者数を誇る北海道旭川市旭山動物園も登録外。同市商工観光部の管轄で、公立施設の場合は登録を教育委員会所管に限った現行法の対象にならないからだ。株式会社や大学の施設、国立博物館も登録されていない。
 かつては、登録された公立博物館には国から補助金が出たが、平成9年度を最後に補助金制度がなくなったため近年は、公立博物館もあえて登録を目指さなくなっている。全日本博物館学会の鷹野光行会長は「博物館法は公立博物館振興が目的だったが、財政面での補助がなくなり、登録する意義がなくなった」と指摘する。
 文科省有識者による「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議」を設置し、昨年10月から法改正を検討してきた。会議では、多くの博物館が登録できるように登録基準を緩和することや学芸員の質向上のため資格制度を見直すことなどを議論。最終報告としてまとめる。
 登録のメリットについては、議論の過程で、公的な“お墨付き”によって信頼できる施設だと利用者に分かることなどが挙げられた。しかし博物館にとっては、減収や行政改革による予算縮小が最大の問題で、関係者からは「十分なメリットを感じない」との声もあがる。
 文科省は最終報告をもとに中教審生涯学習分科会で法改正に向けた審議を始める。

現行の博物館法が,博物館振興(登録制度による優遇措置&専門職員としての学芸員養成)という目的から見て,形骸化しているというのは否定しきれないところですね。
今日,最終報告が出るということですが,社会,行政,博物館の反応はどんなんでしょう。