コレクションの価値という点で図書館と同様な問題を図書館以上に抱えている博物館
なお,上記問題の内,二点目,コレクションの価値の減少については,博物館についても同様の問題があります。標本購入費が半数以上の公立博物館でゼロに追い込まれる(4月16日の朝日朝刊,水嶋さんの提言より)状態で,また学芸員の数が減らされ,学芸員の標本収集,調査研究への無理解が教育委員会事務局や市長部局行政に依然として根強い状況の中で,博物館のコレクションは充実をできず,古い状況のままでの保存管理が求められています。
保存管理はもとよりコレクションの価値を守るためには非常に重要なことですが,コレクションの価値を守る最大の方法は,コレクションの拡充です。
例えば,自然史資料(動物や植物などね)であれば,明治維新以降に日本で研究が始まり,二ホンオオカミなど,日本各地の動植物等自然に関する資料が各地の自然史博物館で収集されてきています。
日本の生物研究,生物学的多様性研究の基礎資料となっています。
そして,今の博物館の状況は....
10年後,50年後に至りようやく,2000年代初頭のコレクションが異常に少ないこと,または欠けていることが反省されるのではないかと危惧してしまいます。