横浜市が設置する博物館等に見直しの動き

10月23日の東京新聞の記事から

文化財5施設のあり方検討 横浜市教委 3館統合にも含み
横浜市教育委員会が、文化財の保存や展示をしている市内の五施設について、施設の統合や役割など今後のあり方の検討に入っていることが分かった。うち二館は、入場者数が低迷していることなどから、抜本的な見直しに着手するという。二十二日開かれた外部有識者による市外郭団体等経営改革委員会で、明らかになった。
五施設は、「財団法人横浜市ふるさと歴史財団」が指定管理者として運営。このうち、横浜都市発展記念館と、横浜ユーラシア文化館は、みなとみらい(MM)線日本大通り駅出入り口と接続する同じ建物(中区)に入居しているが、二〇〇八年度の一日当たりの入場者数は、ともに五十人台。近接する横浜開港資料館は、二百二十八人だった。
委員から「この入場者数で、開館しておく必要があるのか」「三館の統合は考えていないのか」などの質問があり、市教委の担当者は「抜本的に考えを整理する。(統合は)資料の寄贈者の意見もあるので慎重に検討していく」と述べた。
会議後、市教委生涯学習文化財課の担当者は「資料が重複している部分もあり、三館の役割を含め検討する。統合ありきではない」と説明した。
都市発展記念館は〇三年に開館し、戦前を中心に、市民の暮らしや市の歴史などを紹介。ユーラシア文化館も同年開館で、考古学者の故江上波夫氏が、収集した陶器や民族衣装などの寄贈を受け、展示している。 (荒井六貴)

横浜都市発展記念館とユーラシア文化館ですか。はい。実は私も入ったことがなかったです。
横浜都市発展記念館は,条例によると,設置趣旨は

開港期以降の横浜の都市形成の歴史、市民生活の変遷及び横浜がはぐくんだ文化に関する資料(以下「資料」という。)を収集し、保管し、展示し、及び調査研究して市民の利用に供するとともにその学習の調査等のため必要な事業を行うことにより、ふるさと意識の醸成、国際平和等に資するとともに、市民の学習、学術及び文化の発展に寄与するため、横浜都市発展記念館(以下「記念館」という。)を横浜市中区に設置する。

ユーラシア文化館は

ユーラシアの文化に関する資料(以下「資料」という。)を展示し、及び保管し、並びにこれらの資料を中心としてユーラシア諸地域の文化交流に関する調査研究等を行い、その成果を広く市民に公開することにより、国際文化都市横浜の発展に寄与するため、横浜ユーラシア文化館(以下「文化館」という。) を横浜市中区に設置する。

展示すら実際に見たことはありませんから,現段階でコメントしてはいけないと思います。まあ,ただ,いろいろと設置にいたる経緯とともに,現在の活動からも,統合しないで済めばその方が良いだろうとは思いますが,統合ももしかしたらしょうがないのかなという気もしています。でも,資料の収集保存や企画展の開催等の活動が低下しないような形にしてほしい。
それにしても,入館料を取る必要はあるんでしょうか。無料で公開した方がよほど「I♡ 横浜」の装置になるんでは。

12月21日追記

10月22日の第21回横浜市外郭団体等経営改革委員会で横浜市ふるさと歴史財団の概要(歴史博物館,開港資料館,都市発展記念館,ユーラシア文化館,三殿台考古館,八聖殿郷土資料館,市史資料室,埋蔵文化財センター)の資料が出ています。
また,12月17日に開かれた第23回横浜市外郭団体等経営改革委員会の資料である横浜市ふるさと歴史財団「経営改革に関する提言(案)」には,「提言」がいくつか書かれています。気になった「提言」は次のもの。

学芸員については、専門分野以外でも幅広く活用し、柔軟にローテーションするなど、少ない人員で効率的に運営できる体制を整えること。

つまり,本来の学芸の仕事にはほとんど時間は割かせないぞと。。。「改革委員会」の言いたいこともわからんではないけれど,やはり非道い。