普天間基地関係

2010年5月3日の解放新聞(部落解放同盟の機関紙です)のコラム「荊冠旗」から

普天間基地移設」「沖縄」という文字が,連日,商業紙の紙面を躍る。5月末までに普天間の米軍基地移設問題の決着をつけるとした民主党を中心とした連立政権がらみの記事のかずかずだ。
 連立政権は県外・国外移設を公約としてきた。しかし,国内のどこもが移設を受け入れない現実が明らかになってきた。
 宜野湾市にある普天間基地は,密集した町の中心部を占領し,墜落事故を起こすという世界一危険といわれる。これをどうするのか。移設先が沖縄では問題だ,というのが商業紙の精一杯のキャンペーン。しかも連立政権バッシングが付随する。
 国内に米軍基地を置くことが,日米安保条約の前提。ならば,どこの自治体も拒否するということは,前提が崩れてきていることを示している。だからこそ問われるべきは日米安保体制そのものなのだ。
 「米軍が沖縄その他の琉球諸島の軍事占領を継続するよう希望する」「米軍の軍事占領は,日本に主権を残したままでの長期租借−25年ないし50年あるいはそれ以上−の擬制にもとづくべきである」とは,昭和天皇ヒロヒトがGHQ最高司令官,マッカーサーへ1947年9月に伝言した言葉だ。
 歴史と現実を直視することが重要なのは言をまたない。敗戦後も天皇によって捨て石にされ,アジア侵略の拠点とされているのが沖縄の現状だ。
 安保はいらない,基地はいらないと声をあげ,沖縄の人びとと連帯するときはいまだ。