府中市郷土の森で「代官 川崎平右衛門」展

1月24日から3月8日まで府中市郷土の森博物館で「特別展 代官 川崎平右衛門」を実施するとのこと(リンク先は,府中市郷土の森博物館の特別展のトップページなので,終了後はコンテンツが変わりそうです)。
川崎平右衛門は,府中押立村の名主で,大岡越前守に見いだされ,武蔵野新田にて「野の国」をつくり,美濃国にて「水の国」を治め,石見銀山にて「山の国」を富ませたという人とのことで,それなりに面白そうな内容です。
それにしても,府中市郷土の森博物館を少し調べてみたら,学芸員は8人程度と市立にしては多めながらも,たいへんな数の仕事をこなしている様子です。

府中市郷土の森博物館の概要

1968年の府中市立郷土館をもとに拡大発展させ,1987年に府中市郷土の森として開館。
博物館を取り巻き,広場や樹木園,古建築の復元などがあって,全体の面積は約13.7ヘクタール。
復元建築物としては,学校の校舎(昭和初期),役場庁舎(大正期),郵便取扱所(明治期),ハケ上の農家(江戸中期),ハケ下の農家(江戸後期),商家(明治期),府中宿の大店(江戸中期),敷石住居跡(縄文中期)など。
ハケの復元,雑木林の再現,水田・畑の再現,県木園,梅園,ふるさと体験館,水遊びの池,野外ステージ,茶室など,様々な施設。
研究や資料の収集,寄贈受入などはもちろん,特別展や教育普及活動も多数展開しています。2007年度に実施された特徴的な博物館活動としては,次のようなものが挙げられます。

  • 特別展「宮本常一の足跡〜旅する民俗学者の遺産」
  • 特別展「世界の昆虫博」
  • プラネタリウムの投影
  • 歴史講座・古文書講座・天文講座・自然講座・博物館体験講座
  • 自然観察会や考古学体験講座,星空観望会,その他種々の体験講座
  • ティーパーティーやお話し会,あじさい祭り,梅祭り等の市民との共催事業
  • 学校団体を受け入れた体験講座や学校への出前授業
  • 博物館ボランティア活動の推進
  • 研究報告の出版 等

様々な取組を反映して,府中市郷土の森博物館の2007年度の公式入場者数は41万6千人。これは都内の比較的大きな市の博物館であることを考慮しても,大変な数の利用者のように思います。

ちょっと仕事に追われているのではないかと心配してしまうほどです。学芸員が調査研究もしっかりやって,教育普及活動もしっかりやって,市民との対話もきっちりこなしたら,これはこれで素晴らしいので,言うことはないのですが,折々振り返る余力だけは残していってほしいと,外野からのささやかな願いです。