震災資料室がオープン

1月10日の日経ネット関西版の記事から

助け合いで復興、長田の歩み発信──住民団体が「資料室」、写真や映像「風化防ぎたい」
阪神大震災でボランティアの活動拠点となった神戸市長田区の教会に、写真や映像などで復興の歩みを伝える「震災資料室」が17日オープンする。ボランティアらが利用し、台湾大地震の被災地に昨秋移設された再生紙の柱でできた集会所の模型も展示。開設の準備に奔走してきた地元住民らは「震災でまちの多くが焼失したが、力を合わせて再建した道のりを知ってほしい」と話す。
  新たな情報発信の拠点となるのは、40人を超える犠牲者が出た長田区の野田北部地区にあるカトリックたかとり教会。地域の清掃や交流の催しなどに取り組んできた住民団体「野田北ふるさとネット」が企画した。
 木造長屋や商店などが集まる地区は7割の家屋が全壊したり、焼け落ちたりする被害に遭ったが、教会に集まったボランティアらが救援物資を配給するなどの支援の輪が広がった。区画整理された新しい町並みとなり、同ネットなどによる地道な町づくりが続く。
 約2年前にメンバーから「住民らが持つ当時の写真や資料を眠らせておくのはもったいない。多くの人の目に触れるように展示して風化を防ごう」という声が上がり、設置先は被災者らが苦楽を共にした教会に白羽の矢を立てた。教会側も快諾し、入り口付近の約25平方メートルのスペースが「野田北部・たかとり震災資料室」に変身する。 << 
記事中にあるように,資料室の主体は野田北ふるさとネット。
国王であり,また貴族や富豪の私的コレクションの公開が,博物館の起源の一つ。
でも,住民自らが,自らの地域や仲間内(コミュニティ)で大事に思うものを持ち寄り,地域や仲間内の団結の象徴として,または対外部との接点として公開することも,現在の博物館のもう一つの起源。