「リンネの教え」

国立科学博物館メールマガジンから

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【カール・フォン・リンネ生誕300周年記念小冊子について】
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 2007年に開催しました特別展「花 FLOWER 〜太古の花から青いバラまで〜」
の第2会場にてご紹介をしましたスウェーデンのカール・フォン・リンネ。
 植物学・分類学で大きな業績を残した彼の生誕300周年を記念し、ウプサラ
大学とスウェーデン王立科学アカデミーが中心となり「リンネの教え−知識へ
のインスピレーション」という冊子を作成しました。

 http://www.bioresurs.uu.se/skolprojektlinne/info_jap.html

 こちらのサイトからダウンロードが可能です。ご興味のある方は、是非ご覧
頂ければと思います。(サイトは英語表記になっていますが、冊子は日本語です)

ダウンロードしてみましたが,96ページ,かなり質の良い写真も含まれ,結構読みごたえのあるものです。

「はじめに」から(省略した部分は「・・・」で表しています)

カール・フォン・リンネはスウェーデンで最も著名な科学者です。・・・リンネ学校教育プロジェクトは、この年を記念し企画された5つの国家プロジェクトのひとつで、スウェーデン学校教育発展庁の援助を受け進められています。・・・この本はもともとスウェーデンの学校の先生たちのために作成されたものですが、さらに多くの人びとに読んでもらうために英語版、そして日本語版が発行されることになりました。
カール・フォン・リンネはごく小さなものから巨大なものまで、自然界のありとあらゆるものを観察し、記録しました。これらの観察は彼の科学研究の中心となり、今日の生物の命名法と分類法の基礎となっているのです。
本誌「リンネの教え」はリンネの生涯と仕事、彼の生きた時代を振り返ってみて、そこを出発点に私たちが生きている現在、さらに将来について深く考えてほしいという願いをこめて作成されました。私たちもリンネのように、私たちの周りの自然の中に生きている、ふだんはあまり気がつかない大小さまざまな生き物に目を向けてみましょう。自分自身の体験を通して、生命を持つものを大切にする心と環境や生物の多様性を守り続ける心を育て上げてほしいと願っています。
それぞれの章は、はじめにリンネ本人が登場しあなたを彼の世界へと案内します。そして同じテーマをさらにいろいろな観点から詳しく掘り下げたテキストが続きます。・・・
テキストの内容はスウェーデンの状況を元に書かれていますが、ほかの国においてもそれぞれの置かれた現状について考えるための手がかりとなると思います。・・・
「リンネの教え」が、日本の教室で大いに活用されることを願ってやみません。

人間が観察して認識できる属性から,ヒトという生物を含め自然を体系化しようという「壮大な」構想,これはあの時代だから生まれたものというのは,ある意味フーコーが指摘しているところですし,リンネではない同時代の誰かもいずれ実現しようとしただろうとは思います。しかしそれでも,やはり生物を対象とする学問を考えるうえで,リンネの業績を忘れるわけにはいかないでしょう。

言葉と物―人文科学の考古学言葉と物―人文科学の考古学
ミシェル・フーコー 渡辺 一民 佐々木 明

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