銚子の市立病院で逃散が進むか

3月20日朝日新聞千葉版の記事から

銚子市の岡野俊昭市長は19日,同士立総合病院の佐藤博信院長が「退職願」を提出したことを明らかにした。医師確保や赤字経営批判などに疲れた,と話しているという。市は慰留に努めたが決心は固く,後任人事などの対応に苦慮している。
 岡野市長によると退職願が出されたのは17日。同市長は急遽,日大医学部や旭中央病院,千葉大医学部を訪れ,後任の推薦や,現在勤務している医師の継続派遣を求めた。
 佐藤院長は・・・週3,4日は診療にあたるほか市議会での答弁や医師探しなども行ってきた。
 同病院は06年4月に35人いた常勤医が,大学の派遣医師引き揚げなどに伴って17人に減少し,産科,呼吸器科が休止に追い込まれた。内科系と婦人科,小児科は,救急患者受け入れの一時休止を余儀なくされていた。
 また,病院事業会計への繰り入れは2年で31億円に達し,来年度も一般会計から9億円の繰り入れが予定されるなど,経営難は厳しさが続いている。佐藤院長は市議会の一般質問などでも突き上げられ,新管理者の選任を求める陳情が出されるなど,批判の矢面にも立たされていた。昨年から精神的に苦しんでいたという。

ちょっと分量が多いのですが,2007年6月14日の銚子市議会定例会から


◆阿部美明
 おはようございます。・・・病院長が欠席ということは、これは私の長い議員生活の中でも議会軽視と言われてもいたし方ないと。何を考えているのかと。要するに議会というものをですね、全く無視している。・・・・決算委員会でも何か理由があって出てこない。そして、聴診器を握ってですね、患者を診るのも結構ですけれども、今この病院問題については非常に市民の関心が高まっておりますし、議会でも連日この問題について協議をしているわけです。・・・その責任の当事者がおらないということはですね、これはもう本当に回答がないのと同じでございます。もし本当に事業管理者として責任を果たさないとするならばですね、私はやめざるを得ないんじゃないかと言いたくなります。・・・

◎市長(岡野俊昭君)
 おはようございます。阿部議員の質問にお答え申し上げます。
 最初に、阿部議員からお話ありましたように、市立病院の院長の不参加ですが、体調を崩していますので、これは認めました。また、やめざるを得ないということに関してはですね、阿部議員にぜひおやめになっていただきたいのはですね、こういうことによって、例えば今院長がやめたら、10名くらいの医者が数日のうちにいなくなるということなんです。・・・それから、チラシによって院長を初め数名の医者がやめると言ったときに、それをとめるのにどれだけ力を図ったかということです。・・・ぜひ阿部議員にはですね、それから周りの関係者にぜひですね、そういうようなことはまずやめていただきたい。銚子市が今そのチラシによってどれだけ痛手をこうむっているか。選挙でやるのは大いに結構でございます。しかし、それによってですね、住民の福祉が損なわれる、命が損なわれる、安全が損なわれるという問題に関しては、私は大変な憤りを感じております。・・・この銚子はですね、今瀕死の状態にあるんです。病院問題は大変な問題なんです。医師の確保が、あらゆる方面で医者に逃げられては困るということが最大の問題であります。そこで、やめていただきたいなんてことになりましたら、これはですね、ぜひ撤回していただきたいのは、これによってどれだけ何か月も苦労してきたか。これは大変なことなんです。こういうチラシや、あるいは文書が出たために、このまちにはいられない、それからもう一つは日大からAランクからBランクに下げられた。医者の給料を、議会で否決したにもかかわらず、専決によって行われたためにBランクに引き下げ、医者が来なくなった。あのまちは医者も病院も大切にしてくれないまちだということを言われた。ぜひ皆さんこれを聞いていただきたい。こんなまちであっていいのか。とんでもないことなんです。我々が何か月も歩き回ったことがだめになってしまうんです。ぜひそれをですね、皆さん知っていただきたい。議会軽視になります。議会というのは、市民の命を守ること、幸せを守るために議論する場所です。中傷や讒言によって議会を運営しては決してならないと思います。よいことはいい、是は是、非は非、これをきちっと論議してですね、そして後で握手して、もうこれ終わったら、さあみんなで行こう、病院に対してみんなで力を出していこう、そういうことが最も銚子に問われていることなんです。・・・年とった方も、あるいは大人もですね、おれたちはこんなに真剣にまちを愛し、一生懸命努力しているよと。そして、まちを守り立てているよと。選挙公約でも皆さんがそうおっしゃっているわけです。ですから、それはですね、銚子のまちの将来、存亡にかかわること、命にかかわること、安全にかかわることですから、ぜひそういうようなことはやめていただきたい。・・・

◆阿部美明
 誤解しないでほしいのはね、私はやめろと言ったわけじゃないんですよ。要するに今やっているあの佐藤院長がですね、病院長と事業管理者を両方引き受けた。それで、こういうとこ出てこられないというんだったら、それは分けたらいいだろうと。何も兼務してやる必要はないわけですよ。医療に専念していただければ、それでもいい。そのほかに事業管理者をやっぱり置く必要があるだろうと。そういう意味で私申し上げているんです。医者をやめろとかなんとかと言っているんじゃないです。そう言わざるを得ないでしょうと。誤解しないでくださいよ。事業管理者が出られなければ、ここに事務局長が座るのもいいけども、やっぱりこれだけの議会の中でね、市民も傍聴に来ている中で、やはり責任あるという言葉というのはあとは市長になっちゃうわけだ。やっぱり事業管理者が来て、その説明をしなければおかしい。それから、事業管理者はね、はっきり言ってお医者さんですから、自分の病院を経営するならまだわかるけども、あのような人間もたくさんいる中でですね、そういう管理職をするというのはなかなか大変なことであって、恐らく大学ではですね、患者に接する方法というのは講義するでしょう。しかし、経営までね、踏み込んでは恐らく講義していないはずですよ。ですから、マネジメントはちょっと荷が重過ぎると。したがって、前市長のように公募でですね、事業管理者みたいな方に来てもらうということの分け方をしないと。・・・こういうふうになってしまうと、両方考えるというのは無理なんです。おれが見ていてもね、診療午前中にやって午後からマネジメントやるといったって、それは大変ですよ。だから、私はそういう言い方をしたんです。体調を崩すということはわかるけども、これはある団体のチラシですけどね、各戸に配られている。6月28日、市民センターにおけるシンポジウムですかね、ここに院長が出席する予定になっている。そういうチラシがまかれている。議会軽視だと僕は言いたいけどね。要するにこういうところ来られないで一団体の方へ行くということだとするならばですね、これは議会軽視も甚だしい。ここに議会運営委員長がいますけども、議長もおいでになりますが、どういうふうに考えるのか。きょう来られないということは、体調を崩したということでしょう。だから、私も渋々了承したわけですよ。議会運営委員会も開かれて、オーケーだというから。そういう中でですよ、そういう一団体の、あるいはどこかの団体の主催のですね、会合に院長がのこのこと出ていくと。・・・そちらが市民なんですか。議会なんですか。そこのところ市長よく言ってくださいよ。そうしないと頭の中ごっちゃになってしまう。我々のとこに出てきて話するなら、我々だって選挙で出てきているんですから。市民の信託を受けて出てきているんですからね、これはいいかげんなもんじゃないの。でも、一団体のとこへ行って説明するなら、まずここへ来て説明するというのが義務じゃないでしょうかね。私は、そういうふうに申し上げておきたいと思います。ですから、もし無理だったらですね、事業管理者を別に置くとか、アメリカはみんなそういうふうになっていますからね、だんだんそうなると思いますよ。特に破綻状態になって立て直しの病院ということになってくるともっと大変だということを私は申し上げておきます。・・・

◎市長
 病院の問題ですが、市民みんなが病院には関心を持っていると思います。ですから、これにはですね、非常に温かい雰囲気で持っていかないと私はだめだと思います。・・・先ほどのやめざるを得ないとか、そういう問題については私はあえて申し上げません。これをやっていたら、また水かけ論やったりですね、非常に活字になってどう飛んでいくかわかりませんので、銚子のマイナスになりますので、避けます。ただですね、一つだけ、病院の院長が6月28日の会合に参加するのは夕方の6時でございます。しかも、5,000名の署名を持ってこられて、私が聞きました。それに対して、私はこう答えました。・・・明るい雰囲気の中で市民によい話題を提供するために、まず医師と看護師と夢中で病気になりそうで働いている人をたたえてください、感謝をしてください、それからいろんな話をしましょうということを言いました。そうしませんと、攻撃型の話というのは、もう地域住民、特に若い人は受け入れてくれません。何やっているんだ、あの大人たちはということになります。一番大切なのは協力型なんです。協働のまちづくりですね。ですから、そういう意味で今後の展開はですね、そういうふうにしていかなくちゃいけない。例えばですね、先ほどの明るく希望を持たせるということは非常に医療の問題では重要な問題なんでございます。ですから、私はその辺を特にやっていきたい。今ですね、暗い問題を、今病院赤字で困って、どうするんだ、どうするんだといって、それで直るわけでもない。何よりも大切なのは医師確保であるし、今いる医者に逃げられないことなんです。ですから、その医者を大切にすれば残ってくれるんです。前の問題も話しましたように、配られたビラに名指しで載った人は涙こぼしているんです。その人がやめると一斉に内科医も外科医もいなくなるというんです。そうしたら一瞬にして銚子の市立病院はなくなるんです。なくなることを皆さんやっていいんですか。満足ですか。私は、それをまず訴えたい。これは、相手とか味方とかの問題じゃないんです。そういうことはよしていかなくちゃいけない。ただ、私なり病院長が、医者がですね、あるいは看護師が不正を働いたりなんかしたら、いかに攻撃受けても結構です。テロでも受けます。しかしですね、住民のためで、夢中で動いているときにですね、後ろで鉄砲で撃ってはいけない。やっぱりこれはね、人間としての基本の問題です。生き方の問題です。私たちは、住民に安全安心を提供したいんです。だから、休みもなく夢中で頑張っているんです。ただそれだけなんです。その信念だけです。・・・中にはですね、市立病院は要らない、もうじきつぶれるって言って回っている人、もう一つ、銚子電鉄は1月15日でつぶれるって方々で言っている。そのときに何人の人が不安になったでしょうか。電鉄動いていないでしょうか。3月で病院がつぶれたでしょうか。大切なことは、自分が人間としてどういうことをしたか、どういう協力をしたかの問題だと私は思います。ですからですね、こういうことに関してはですね、真剣に当たらなくちゃいけない。今ですね、私たちはいずれ死んでいきます。子孫に負の財産を残さない。私だってあす死ぬかもしれません。しかし、きょうまで清らかに動いたよということが最も大切なことであると私は考えます。ですから、私はですね、こういうことに関してはやはり慎重に、そして温かく見守っていかなければならない。しかも、強くですね。また、議論は大いに結構です。どんどんやりましょう。それから、病院を守るという信念がなかったら安心安全が伝わらないです。私がどうなるかわからないって言ったらどうなりますか。そんなことは口裂けても言えません。頑張りますしか言えません。やはりそれが市長としての責務です。そういうことで私は動いています。・・・

2008年3月の市議会定例会の議事録がアップされたら,もう一度,他の人の分も含めチェックしてみますが。。。

2008年3月30日追記 院長が日勤医として引き続き勤務。

3月27日の毎日新聞千葉版の記事から

銚子市立総合病院:院長辞職願提出問題 院長が日勤医で来月以降診療へ /千葉
銚子市立総合病院の佐藤博信院長が院長職の辞職願を提出していた問題で、同市は25日の市議会本会議で、佐藤院長が「日勤医」として、4月以降も診療に当たることを明らかにした。岡野俊昭市長の説得に応じた。
 佐藤院長の辞職願提出を巡っては、市議会の9議員が連名で留任を求める要請書を岡野市長に提出している。【新沼章】

6月5日追記

佐藤元院長の「日勤医」としてのお仕事も5月下旬までだったようですね。
銚子市立総合病院の外科のページが5月29日に更新され,お名前がなくなっています。

6月7日追記 2008年3月の市議会会議録から

上に銚子市議会議員の阿部美明氏の2007年6月銚子市議会定例会での質問から引用したところですが,2008年3月の会議録も出ていますので,一部引用します。なお,かなり恣意的に引用していますので,ちゃんと読みたい方は全文をお読みください。


◆阿部美明
 ・・・行財政改革について質問いたします。・・・私が常に主張している民間で委託できるものは民間でやるという方向はどうなのか。・・・岡野市長の病院を守る公約が1年7か月で合計 31億円の金をつぎ込み、投入は赤字の垂れ流しであって、市民の健康を維持できたかというと、1,200人の患者を市内の開業医に紹介したら、ほとんど帰ってきていないとされております。32人いた医師が、市長以下、病院の内部の報告でも、20年1月1日で18人、常勤ですね、と報告されている。・・・市立病院の一向に改善されない改善計画、医師不足を補えない事業管理者、病院関係者、開設者である市長は、存続するのにどのような方法を考えているのか、伺いたいと思います。

◎市長(岡野俊昭君)
 ・・・地域医療の認識、これは命と財産、命あっての物種ですから、命と健康を守るという意味で、できる限り地域医療は確立しなければいけないと思っています。ただ、そのあり方については、今後の問題だと思っております。医師確保、これは全く見えないと言うけれども、病院の必死の努力、私どもも方々にお願いして、ある程度の確保はできているし、地方自治体病院としては、同じレベルでは頑張っているところも多く見られます。一番大切なのは、医師が疲弊しているので、その地方の人たちが人格を持ってその人たちに感謝をしているかどうか。経営のまずさは言われても仕方ない。これは私初め、幾ら言われてもいいが、そこの医療機関で働いている人たちに対してモチベーションを下げるような言動は、市民として現に慎まなければならないと思っております。明るい希望、明るさ、希望、3ないと言いましたけれども、これは今後、私も頑張っていきたい。元気だけが取り柄ですから。次に、トップダウンでやる部分とやらない部分がありますから、それについてはまた述べていきたいと思います。・・・

◆阿部美明
 ・・・財政問題と病院問題絡まりますけれども、やはりこの病院問題が解決いたしませんと、議会の議論もそこにとどまって、次の議論、次の飛躍のための議論、それこそ市長が言っているように、明るい展望を持った名門銚子という言葉が今なくなっちゃったんですけども、名門銚子に復活するかどうかというのは、もう少し先の話になる。・・・言うならば、岡野市長、4年間で、この病院問題決着できるのかどうか、これが大きなかぎですね。ですから、この行政効果も 32億円、23年度まで考えた収支報告ですね。財政収支見通し。とするならば、足りない部分はどうするのか。・・・例えばですね、病院の経営を、9億円つぎ込んでいるのを5億円でやっていただいたら、4億円余るじゃないですか。・・・むしろ5億円で病院の経営をやってもらって、そして限られた、例えば縮小するとか、再編するとか、場合によっては廃止か、あるいは売却かと、こういう厳しい意見もあるわけですから。・・・この31億円の病院につぎ込んだ垂れ流し、・・・この病院は一つも返ってこない、こういうことですね。・・・それから、病院長、事務局長も来ておりますけど、私申し上げましたけど、改善計画5か年計画、この中で、市のほうはそれとは別に、例えば5億円で経営できるのかどうか。18人の常勤しかいないわけですから。あとはアルバイトで稼ぎに来ているわけですよ、時間的に。そうするとですね、もうこれは普通の状態では、32人の医師が18人に減ったということ、また3人くらいの医師が開業し、減るという予測がされているわけです。・・・ある医師がおやめになると、300人以上がいなくなるだろうと。どうしてこれで医業収益がふえるんですか。この間の全員協議会でも、2億円ぐらいの目減りがすると。ですから、毎年15億円から16億円のマイナス、それも一つも取り返せない。・・・垂れ流し。いわば職員の給与が医師の給料で消えているわけですよ。・・・命を守るって一言で言うけど、それは大変なサービス、医業のサービスが必要です。それを今の総合病院、市立病院のスタッフでは到底これは処し切れないだろうというふうに、玄人筋、一般的なお医者さんも含めて、そういう見方をしているんです。ですから、そういう中で、改善計画幾ら出したって、そんなものはペーパーだけであって、現実に、じゃ本当に旭の中央病院に応援を求めるような財政計画とか協力ができるような話ができていれば別ですけども、今このままでいくと、250 人ぐらいの看護師抱え、医師を抱えて、そういう方たちが十分働きのないまま放置されている、こういうことになると思うんですけど、病院事務局長、何かありましたら反論していただきたいと思います。

◎市長(岡野俊昭君)
 ・・・病院が今5億円渡して、これでやってみろといって、できるかどうか。・・・銚子というまちは、何か強い意見があると、それが間違っていてもそのままいっちゃうまちですから、非常に気をつけなくちゃいけないと私は考えております。ですから、今病院のまず働いている人たちは、かなり頑張っているのも事実だけども、うまくいっていないのも事実です。おっしゃるとおりです。それから、受け入れて改良するという点でも、病院はうまくいっていないのも事実です。ただ、中で本当に疲弊しながら、くたくたになりながら頑張っている人もいるということも事実です。ただ、それが経済と、今おっしゃるとおり、即結びついていないというところで大きな反省点は我々あると思います。今後生き方をまた探っていって、これつぶれてから騒いでいてもしようがないですから、その前の方策ということで、今いろいろお願いしているところでございます。・・・

◆阿部美明
 ・・・危機を乗り切るのには、病院経営を9億円つぎ込んでおりますけども、これを5億円で経営していただくと、そして・・・例えば病院へ派遣している職員、市から派遣している、出向している職員も引き上げるとか、そういう最小限の効果。・・・全体の財政の中で、今まで甘えていた250億円以上の金をつぎ込んだ病院、        (33文字分削除)                こういうことでは、やはり不安になります。私自身は、ちゃんと旭の中央病院に話をしていただいて、私自身の体はちゃんと守ってもらえるようになっています。そういう医療としてのやつは必要ですけども、やはり命まで預けられるような医療施設ではないと思います。・・・
          〔「動議」と呼ぶ者あり〕

○議長(岩井文男君)
 阿部議員、動議成立です。
 加瀬庫藏君。

◆加瀬庫藏君
 今の一般質問中の発言について、やっぱりこれは議運開いてもらってね、きちんとしていただきたい。以上です。

○議長(岩井文男君)
 ただいまの動議に賛成の諸君の挙手を求めます。
          〔挙手多数〕

○議長(岩井文男君)
 挙手多数です。暫時休憩いたします。
          午後 3時41分  休 憩
          午後 3時59分  再 開

○議長(岩井文男君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。休憩中、議会運営委員会を開催いたしましたので、議会運営委員会委員長からその報告を求めます。
 石上允康君。

◎石上允康君
 それでは、議会運営委員会を開催いたしましたので、報告いたします。
 先ほどの阿部美明君の一般質問中の発言について、加瀬庫藏君から提出されました動議の取り扱いについて、議会運営委員会で協議した結果、不穏当と認められますので、議長の職権で取り消されることが適当であると判断いたしました。
 以上のとおりでありましたので、議事運営についてはよろしくご協力くださいますようお願い申し上げまして、委員長報告を終わります。

○議長(岩井文男君)
 以上で議会運営委員会委員長の報告は終わりました。阿部美明君の一般質問中の発言中、一部不穏当な部分については取り消しをいたします。

○議長(岩井文男君)
 一般質問を続行いたします。
 阿部美明君。

◆阿部美明
 ・・・5億円で経営をしたらどうなのかと。そうすれば4億円余りますから、その分は財政投融資はできる。今後もそういう形でやっていったほうが、例えば32人の医師が、先ほど18人、19人と言われましたけども、半分、もうこの3月、4月に来て、もっとおやめになる方が見込まれている。そうなりますと、常勤医師の半分が、いや医師の半分が常勤医師、半分以下が常勤医師ということになってくると、病院の経営そのものが一体、あとはアルバイトの先生方で7万円から13万円と言われている相場ですね、そういうものを払っていかなければならんということになれば、これは1日来て何時間でしょうから、大変なマイナスになってくると。・・・

7月8日追記 残念です。

7月8日の東京新聞千葉版の記事から

銚子市 市立総合病院が休止へ 医師不足解消できず
銚子市は七日、市立総合病院(三百九十三床、菅谷雄一・病院事業管理者職務代理)を九月末で休止する方針を明らかにした。約百六十人の入院患者の転院を進め、九月末で公設公営病院としての営業をやめる。今後は、管理運営を委託する指定管理者制度の導入や民間譲渡による病院の再開を図るとしている。 (小川直人、小林孝一郎)
行政改革推進室によると、今月末に医師二人の退職が予定され、入院患者の受け入れや救急対応が困難になるほか、千葉大や日本大などからの医師派遣も難しい状況だという。大幅な経営改善を実施しても、自治体からの多額の追加支援が必要なため、休止に踏み切ることになった。
 市は「患者の転院などに全力を挙げ、市民の不安解消に努める。できる限り休止期間を短くするよう努力したい」としている。
 同病院は一九五一年九月に開設。八四年に総合病院名称使用の承認を受け、市立総合病院に改称した。
 しかし、医師不足などから、昨年、産科の休止、精神神経科病棟の閉鎖など病院機能を縮小していた。・・・
 県市町村課の担当者は「経営改善の見通しが立たない中で、財政支援は難しい」と話している。
 堂本暁子知事は「医師確保など市と協力して取り組んだが、経営悪化の流れを止めることができず残念だ。市と連携して市民の医療を守るため、できるだけのことをする」とコメントした。

地域医療の状況を考えれば,何らかの形で総合病院を再開できれば良いのですが。

8月18日追記 銚子市立総合病院を休止したがっているのは誰?

銚子市立総合病院絡みで,本日から臨時市議会が開催されるとのこと。議会の議論は見ていきたいところです。
それにしても,市立総合病院休止の発表以来,市長に「公約破り」との批判の声も一部あるようです。
しかし,どうも病院を休止したがっているのは市長ではないのでは。むしろ,議会でのやりとりを見ると,「命まで預けられるような医療施設ではない」などの発言のある一部議員を含む人たち(チラシを撒いているような)が「後から」医師や看護師を攻撃しているようにも見えます。
 この一ヶ月,市民の署名運動が起こりましたが,署名自体は公立行院の存続には全く力になりません。ただ,署名運動が「一部議員」の振る舞いを変える力になるのであれば,署名をやった甲斐もあるというものでしょう(ただ,署名運動が「一部議員」の政争目的に利用されてしまうのではないかという危惧も個人的には...)。
医師や看護師,その他病院を支えるスタッフが,住民とともに,希望を持って医療サービスを続けていける,そんな方向性に向かって,市民の代表たる市議会で建設的に話し合われることを期待します。

8月19日追記 看護師数

銚子市立総合病院休止問題を取り上げたブログ等で,「看護師数が多すぎる」「看護士はベッド10床に対して1人が一般の平均なんです。」などというコメントを見かけました。銚子市民の方かどうか分かりませんが,なかなか恐ろしいコメントですね。
とりあえず,病床1床あたりの看護師数の国別統計です。
 Hero-Bayさんのサイト「医療制度の国際比較(5) 医療資源」のページからです。データのもともとの出典は「世界の保健医療 OECDインディケータ 2005年版」とのこと。
 それにしても,Hero-Bayさんの「独り言」のページ,データの量が半端ではありません。参考になります。

2013年4月23日追記

銚子市議会で上記のひどい発言を行った阿部議員。野平前銚子市長のお友達だったのか。
平氏のブログより 阿倍のひらミクス
阿部氏のポジショントークでこんな発言が行われ、巻き込まれた病院スタッフそして市民が悲劇であった。
阿部氏のお友達の野平前市長は「特殊市民」などの発言も行っていた人でしたが、2013年4月21日の市長選で落ちたのも、さもありなんと思います。