アトピー商法に関するニュース

アトピー「治療薬」については,2007年11月7日のエントリーで,CSDCC漢方クリーム(2008年6月29日のエントリー「CSDCCクリーム及びローションから長崎県がステロイドを検出」でも触れています。)というものについて書いたことがありました。
今回は,直接それとは関係ないが,非ステロイドを謳った「化粧品」が摘発された件が,全国各地を巻き込んだニュースになっています。
まず,3月3日の産経新聞のニュースから

化粧品にステロイド成分 山梨県が自主回収指示
山梨県は3日、化粧品製造販売会社「ヴェルシーナ」(同県昭和町)が、ステロイド剤の一種「吉草酸ベタメタゾン」を含む化粧クリームを無許可で製造、販売していたなどとして、製造販売中止と自主回収を指示したと発表した。
 県や同社によると、対象は化粧クリーム「エンジェルグレイス モイスチャークリーム」「ピン モイスチャー」「フェアリースキン」の3商品。
 県によると、吉草酸ベタメタゾンはかぶれなどの副作用があるが、健康被害の報告はないという。県が薬事法違反(無許可無承認医薬品の販売)の疑いで調査している。
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同社は「原料は他県の業者から調達しており、吉草酸ベタメタゾンが含まれているとは知らなかった。信頼を裏切って申し訳ない」としている。

同じく,3月5日の毎日新聞のニュースから

自主回収:化粧品に薬品成分 昭和の業者、3品目−−県が指導 /山梨
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県衛生薬務課によると、吉草酸ベタメタゾンは湿しんや皮膚炎などに効果があるステロイドホルモン。使用を突然、中止すると、肌が荒れるなど副作用が起こる可能性もある。
 同ホルモンの含有量は、製品100グラム中0・008グラム。県は、同クリームと同じ成分を含む「ピン モイスチャー」と「フェアリースキン」の自主回収も指導した。04年から「日本エステサービス」(高松市)がインターネットなどを通じ、3製品で計約1万7000本を出荷した。
 同社は「消費者の信頼を裏切る結果になって申し訳ない」と話している。問い合わせは同社(電話055・221・0703)。【小林悠太】

(株)ヴェルシーナ(しばらく前は(有)ヴェルシーナだったようです)と日本エステサービス(株)の関係がもう少しわかりませんが,3月5日の朝日新聞山梨版の記事により詳しいことが出ていました。

ステロイド含む化粧品原料の油脂からも検出 油脂を製造 福井の業者/「従業員ミスで混入」 
昭和町の化粧品製造販売会社「ヴェルシーナ」が医薬品の承認が必要なステロイド成分を含む保湿クリームを製造販売していた問題で、県衛生薬務課などが、クリームと原料を分析した結果、原料の油脂からもステロイド成分が検出されたことが分かった。原料は、高松市に本社がある「日本エステサービス」がヴェルシーナに納入していた。さらにエステ社は、福井県内の業者から仕入れており、この業者は朝日新聞社の取材に対し、「原料をつくる際に従業員が誤って混ぜた」と説明している。(北林慎也)
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ヴェルシーナの製造責任者によると、エステ社から「この油脂を使ったクリームを開発して欲しい」と提案があり、04年7月〜07年11月の間に、3種類の保湿クリーム計1万7千個を製造した。エステ社幹部は、「原料の油脂は福井県内の業者が製造して納入した」と説明。福井県内の業者は、馬油やワセリンなどを含む油脂を自社工場で調合し、エステ社に販売したとしている。ヴェルシーナは、送られてきた原料に防腐剤などを加えてクリームを製造し、エステ社に納入した。
  エステ社は、東京や大阪を中心とする全国のエステ店や、インターネット通信販売業者に販売。同社によると、1万4千〜1万5千個が消費者の手に渡っているという。
 問題のクリームを作った経緯について、エステ社の幹部は「この油脂は、アトピー性皮膚炎の治療実績があり、美肌にも効果があると判断して、油脂を仕入れた」と説明。同社の段階では「原料には手を加えずに、そのままヴェルシーナに直送していた。ステロイドが含まれているとは知らなかった」と釈明している。
 原料を供給したとされる福井県内の業者は、取材に対して、「本日、社内調査をした結果、動物用皮膚クリームの研究用に入手していたステロイドホルモンを含む軟膏を、男性従業員がワセリンと取り違えて調合した。そのままエステ社に出荷し続けていた」と説明した。
 エステ社は「化粧品として売っていた」と主張していたが、アトピー性皮膚炎の患者らからも「アトピーに効く」と感謝の声が寄せられていたという。
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日本エステサービス(株)が福井県内の業者から原料を仕入れ,そのままヴェルシーナに送っていた。
ヴェルシーナではクリームを製造し,日本エステサービスに納入した。
クリームの販売元は日本エステサービスであり,エステ店やインターネット通販業者に製品を卸して消費者に流通した。
といったところですね。
福井県内の業者がステロイド混入の始まりとのこと。
3月7日から,福井県内の業者についての報道も始まります。
3月7日の日刊県民福井の記事から

『化粧品』を無許可製造 ステロイド系成分含む 県、自主回収を指示 鯖江「ピュアライン」
ステロイド系の成分を含む保湿クリームを無許可で製造・販売していたとして、県は六日、鯖江柳町二丁目の「ピュアライン」(山本清美社長)に対し、商品の製造販売の中止と自主回収を指示した。同社は医薬品と化粧品の製造販売について国の承認や知事の許可を得ておらず、県は薬事法違反の疑いで調査している。
自主回収の対象は「ゆずりん」「ピュアインハーブ」「ぬればわかる」の三商品。二〇〇六年十一月からこれまでに、少なくとも計約三千九百個が、主にインターネットの通信販売で全国に流通したとみられる。県内での流通量は不明。
 三商品は「化粧品」として販売されていたが、ステロイド系成分が検査で確認されれば、「医薬品」の無許可製造、販売に当たる。このため、今後の処分について県は「刑事告発も含め、厚生労働省と協議していく」としている。
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同社は「製造を委託していた工場がなくなったため、違法と知りながら作っていた。ステロイドについては知識がなかった」としている。
 県外でステロイド系成分入り医薬品の無許可販売が発覚し、厚労省の指示に基づいて県が五日、その材料の納入元だったピュアラインに立ち入り検査し、調査を進めていた。
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さらに3月7日の朝日新聞山梨版の記事から

「医師」として信用 福井の業者を発売元
昭和町の業者が医薬品の承認を得ずに、ステロイド入りのクリームを化粧品として製造、販売していた問題で、原料の油脂を製造・供給していた福井県鯖江市の業者「ピュアライン」(山本清美代表取締役)の岡田芳浩・元取締役が、発売元の「日本エステサービス」(高松市)に油脂を売り込む際、アトピー性皮膚炎の治療の話など「医師」のような説明をして信用させていたことが、関係者の話で分かった。岡田氏は、朝日新聞の取材に対し、「売ろうとしたため、医師を名乗っていたかもしれない」と釈明した。(北林慎也)
山梨県衛生公害研究所の分析で、医薬品成分のステロイドホルモン「吉草酸ベタメタゾン」が検出された保湿クリーム「エンジェルグレイス モイスチャークリーム」と原料は、エステ社を経由して、福井県鯖江市のピュアラインから提供された。
 エステ社幹部は、朝日新聞の取材に、このクリームを製造、販売するきっかけについて「『非ステロイドでも、肌がきれいになる原料』として、福井県の業者(ピュアライン)から馬油やワセリンなどの原料を仕入れた」と説明している。問題となった原料の油脂については、「油脂の成分表や安全データシートも見せてもらっていたので、信用してヴェルシーナに油脂を渡していた」と話している。
 さらにピュアラインと取引するきっかけについては、「仲介してくれた人がいて、その人は『岡田さんから医師免許のコピーを見せてもらった』と言っていたので信用した」という。また「岡田さんは『自分で作っている』と言っていた。『医者としてアトピー治療の一環でクリームも使っていた』とも聞いたので、肌にいいと判断して売った」とし、「医師」としての説明が信用する理由の一つであったという。
 これに対し、岡田氏は、エステ社に油脂を供給するきっかけについて、「自分から売ってくれる人を探していた。それが日本エステサービスだった」と主張。医師免許については、「東洋医学をやっていて医者ではない」「医師免許のコピーを見せたことはない」と否定した。ただ、エステ社への売り込みについては、「医師を名乗ったかもしれない。悪いことだった」と、医師のように語って相手を信用させていたことは認めた。
 ピュアラインは、04年3月3日、福井県鯖江市で設立。岡田氏によると、設立当初は取締役をしていたが、原料のゆずを調達して発酵させる別会社を設立したため、ピュアラインでは現在「嘱託社員」だという。ただ「自分が責任を持って調合している」とし、実質的な製造責任者である、としている。
 今回のステロイドの混入について、岡田氏は「自分のためにステロイドの研究用に薬品を作り、漬けものたるに入れ、社屋に置いていた。男性従業員が、古いワセリンと間違えて混ぜて出荷した」と釈明した。「日本エステサービスに卸したのは、(福井県が6日、自主回収指導をした自社製商品の)『ゆずりん』と同じ成分を出荷していたつもりだった」と話している。
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岡田芳浩さんは社会文化功労賞を受賞された方ですね。。
ピュアラインと蘇生院については3月8日の朝日新聞山梨版のニュースが詳しい。

ゆず発酵液が40個・アトピーにも効く
JR北陸線鯖江駅から、数百メートル入った住宅街。2階建てのクリーム色の建物がある。青い文字で「有限会社 ピュアライン」。玄関のガラスには、同社が自ら販売し、福井県から自主回収を指導されたクリーム「ゆずりん」の文字が張られている。
 フェラーリのミニカーが飾られた応接室で取材に応じた岡田氏は現在の立場を、「嘱託社員」としつつも、04年の会社設立以来の「実質的な代表で、クリーム製造の責任者」と述べた。
 「製造現場」に案内してもらった。敷地内にびっしりと約40個の漬けもの用のポリ容器が並ぶ。開けてもらうと、オレンジ色の液体からゆずの香りがする。発酵液だという。
 別棟には、「誤ってステロイドを混入してしまった現場」と言う調合の作業場があった。「どくだみ」「アロエ」「たんぽぽ」「ヨモギ」などと張り紙がされたカゴのような入れ物が並んでいる。ずん胴のような器には、白い液状の油脂が入っていた。ここに発酵液を混ぜて保湿クリームを作っていたのだという。
 福井県から商品の自主回収の指導を受けたことに、岡田氏は「別の原料の出荷先を探すなどして、また世に出したい。新たに健康食品を売る構想もある」と語る。
山梨県から自主回収を指導された保湿クリームの発売元の日本エステサービス幹部は、「岡田氏を治療実績のある医師として信用して取引を始めた」と話している。「治療」をしていたという場所について、岡田氏は「01年から04年ぐらいまで開設していたカイロプラクティックの施設」と説明した。施設は越前市にある「蘇生院」という治療院。
 蘇生院は土蔵などが残る静かな住宅街にある。平屋建ての建物で、今も「自然医学クリニック 東洋医学療養所 中国国立北京鍼灸骨傷大学推奨整体治療院 蘇生院」と書かれた看板を掲げている。
 岡田氏は、「整体や整骨のかたわら、アトピー患者、だいたい100人の相談に乗り、『アトピーにも効く』と自分のクリームを勧めていた」と話した。そして「今は社員が住んだり、倉庫になったりしている」と付け加えた。

さらに,具体的なことは不明ですが,経歴虚偽の疑いも。
3月11日の朝日新聞山梨版のニュースから

業者HPに虚偽 商品、ネット販売中心
医薬品成分を含むクリームなどが無許可で製造、販売されていた問題で、山梨、福井両県が自主回収を指導した「ヴェルシーナ」(昭和町)と「ピュアライン」(福井県鯖江市)の商品の多くが、各地の通販業者を通じてインターネットで販売されていたことが、関係者の話で分かった。通販業者のホームページ(HP)は、「皮膚トラブルを克服」「クリニック」などとうたい、ピュアラインの製造責任者岡田芳浩元取締役の経歴も虚偽の記載がされていた。
「『ぬればわかる』を扱っているクリニックは全国でもココだけ!」「西洋医学に見捨てられた患者の駆け込み寺!」
 福井県が自主回収を指導した「ピュアライン」が製造販売していた3種類のクリームの一つ「ぬればわかる」を、インターネットで通信販売する業者のサイトだ。そのネット通販会社は、福岡県嘉麻市市営住宅の一室にある。
 「東西結合医療学院 公式ホームページ」と称する通販サイトを開くと、「蘇生院院長」岡田氏のプロフィルとして、「東京大学医学部卒業」とあり、白衣を着た岡田氏が写っている。「1年保障の継続治療費(目安)」が「アトピー 軽度30万円程度 重度100万〜200万円程度」などとうたう。
 「ぬればわかる」の説明には、「化粧品としての規定を受けます。(医薬品ではないので)治療効果を保障するものではありません」と書いてあるが、文字が小さい。
 ネット通販会社代表取締役の男性(25)によると、HPは約2年半前に開設した。内容は岡田氏から送られた資料を元に作成したという。「医師と信じており、取引先からの情報をそのまま載せてしまった」と言う。
 問題のHPは、山梨県がヴェルシーナに自主回収を指導した4日、朝日新聞社の指摘を受けて閉鎖。7日、利用者に返品を呼びかける内容に差し替えられた。
 岡田氏は、このHPの内容について虚偽があることを認めた上で、「クリームの効能に信頼性を持たせるため、学歴や治療内容を誇張してしまった」と説明した。
ピュアラインから仕入れた原料でつくったクリームにステロイドが含有していた「エンジェルグレイス モイスチャークリーム」。発売元の「日本エステサービス」(高松市)は今、回収の難しさに頭を抱えている。
 同社代表によると、商品は関東や関西を中心とするエステ店などのほか、自社の関連会社を含めて複数のインターネット通販業者に卸していた。「通販商品は全国に出回り、流通の経路を把握するのは困難。回収がここまで大変とは思わなかった」とこぼす。
 「エンジェルグレイス」でネット検索をすると、通販会社によるとみられる同商品のPRと、ネット通販の案内につながっていく。ここにも「天然成分」「非ステロイド」を強調し、アトピー性皮膚炎の患者らが利用し、効果があるような記載も目立つ。
 代表は、白衣姿の岡田氏に蘇生院を案内され、アトピーの治療実績を信じ込んでしまい、仕入れを決めたという。「ベッドもあり、アトピー患者らしき人たちも出入りしていたが、どんな治療をしていたかは知らなかった」と打ち明ける。
 同社代表はヴェルシーナと連名で、関連会社の通販HPに「回収に関するご報告とおわび」を掲載。フリーダイヤルの問い合わせ番号を載せ、皮膚科専門医による健康被害相談の受け付けを始めた。
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(北林慎也)

そして,ピュアラインが否定していた化粧品「ゆずりん」からもステロイドが検出されたというニュースも出ました。
3月11日の産経新聞の記事から

化粧品からステロイド検出 薬事法違反容疑で告発も
福井県は11日、無許可で化粧品を製造、販売したとして販売中止などを指示した化粧品販売業「ピュアライン」(同県鯖江市)の保湿クリーム「ゆずりん」から、医薬品のステロイド剤を検出したと発表した。県は薬事法違反容疑で刑事告発も検討している。
 県によると、県内4つの美容院から回収した製品から、皮膚炎などの副作用の恐れのあるステロイド剤の一種「吉草酸ベタメタゾン」が、1グラム当たり0・12〜0・23ミリグラム検出された。健康被害の報告はない。ピュアラインは平成18年冬から「ゆずりん」を全国約1600の美容院などに出荷していたとみられる。

3月12日追記

3月12日の福井新聞の記事に,検出量と,ピュアラインのコメントが掲載されていました。

回収品にステロイド 県、刑事告発を検討 鯖江無許可化粧品
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県医務薬務課によると、3商品のうち、県が独自に県内美容室4店から回収した内容量50グラムと10グラムの「ゆずりん」5個を県衛生環境研究センターで8日から10日にかけて検査。1グラム当たり0・12ミリグラムから0・23ミリグラムの「吉草酸ベタメタゾン」が検出された。一方、同社から提供された3個からは検出されなかった。
 また残りの2商品は現在回収されておらず、検査は行われていない。
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製造責任者を務めていたピュアラインの岡田芳浩元取締役は「信じられない結果だが、受け止めたい。今回の事態には責任を持ち、全面回収など対処していきたい」としている。
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同じく3月12日の読売新聞福井版の記事から

鯖江の化粧品会社無許可製造医薬品成分を検出
鯖江柳町の化粧品製造販売会社「ピュアライン」(山本清美社長)が無許可で化粧品を製造・販売していた問題で、県は11日、同社の保湿クリームから、医薬品成分「吉草酸ベタメタゾン」を検出したと発表した。ステロイド剤として用いられ、製造・販売に際しては薬事法に基づき、県の許可が必要な成分だが、同社は許可申請をしていなかった。
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県の発表に対し、同社の製造責任者は「(吉草酸ベタメタゾンの検出は)事故による混入としか考えられず、故意ではない。ただ、行政処分や、刑事責任を問われた場合は受け入れるつもり」と話していた。
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なお,現在,この問題で回収中の製品等については,下記が業者側の連絡先となっているとのことです。
「ゆずりん」「ピュア・イン・ハーブ」「ぬればわかる」 (または福井県のページ)
 「エンジェルグレイス モイスチャークリーム」「ピン モイスチャー」「フェアリースキン」

6月13日追記

中日新聞の6月13日の記事から

別商品にもステロイド 化粧品無許可販売問題 福井県が公表せず
福井県内の業者が医薬品で副作用の恐れがあるステロイドホルモン成分を含む化粧品を無許可で製造販売していた問題で、県が5月上旬に同社の別の商品にも同成分が含まれているのを把握しながら、公表していないことが分かった。
 新たに成分が検出されたのは、同県鯖江市の「ピュアライン」製の化粧クリーム「ぬればわかる」。
 県は3月、同社の化粧クリーム「ゆずりん」からステロイドホルモンが検出されたと発表。その後、購入者から同社の他商品の提供を受けて調査していた。
 県によると、5月上旬までに「ぬればわかる」の検査結果が出ていたが、12日現在、公表していない。
 県は「寄せられた検体が多く、結果を慎重に扱っていた。担当者の手違いもあり、消費者には心配を掛けた」と釈明している。
 商品を3月に県へ提供した名古屋市中川区の男性(49)は、何度も問い合わせ、6月11日に「ステロイド成分が含有していた」との文書が郵送されてきたという。
 男性は「子どもに効果があり、問題が発覚する3月まで大量にクリームを使っていた。結果は早急に知らせるべきではないか」と話している。

「ピュアライン」でもすでに「ぬればわかる」を自主回収していましたが,それは「ぬればわかる」の一部に無許可で化粧品を製造していた時期にあたるものがあるからという理由でした。
 ステロイドは非常に優れた作用を持つ医薬品ですが,きちんとコントロールして使うことが必要で,化粧品の中に含まれるべきではないでしょう。

10月2日追記

9月30日の中日新聞福井版の記事から

ステロイドホルモン押収 鯖江の業者捜索 県警  医薬品無許可販売の疑い
アトピーに効くと称し医薬品の承認を受けていない化粧品を無許可販売したとして、県警生活環境課と鯖江署の合同捜査班は二十九日、薬事法違反(無承認無許可の医薬品の販売)の疑いで、鯖江柳町二の化粧品卸業者「ピュアライン」や、越前市内の四十代の実質的経営者宅など数カ所を家宅捜索した。
調べでは、同社が二〇〇八年三月までの数年間にわたり、国の承認や県知事の許可を得ずに「アトピーに効く」とチラシなどで宣伝し、県内外の消費者に保湿クリーム「ゆずりん」を販売した疑い。
 捜査班は午前七時ごろから約十時間にわたり三十人態勢で捜索。「ゆずりん」などの商品やチラシ、購入記録簿など段ボール七箱分を押収した。保湿クリームに混ぜていたとみられるステロイドホルモンもあった。
 この問題では、県が三月上旬に立ち入り検査し商品などを回収。購入者から提供された「ゆずりん」からはステロイドホルモンの吉草酸ベタメタゾンが一グラム当たり〇・一二−〇・二三ミリグラム検出された。ステロイドホルモンは緑内障などの副作用を引き起こす可能性があるとされる。
 同社は〇六年十一月から少なくとも計約三千八百個の「ゆずりん」などを製造し、県内の美容院や全国に通信販売で流通させていたとみられる。

9月30日の読売新聞福井版の記事から

ピュアライン 薬事法違反容疑で捜索  県警 製品、薬品など押収
県の許可を得ずに医薬品成分を含んだ化粧品を製造、販売したとして、県警生活環境課と鯖江署は29日、鯖江柳町の化粧品製造販売会社「ピュアライン」(山本清美社長)を薬事法違反容疑で捜索した。
 捜査関係者などによると、同社は2006年11月ごろから、県の許可を得ずに、ステロイド剤として用いられる医薬品成分「吉草酸ベタメタゾン」を含む保湿クリーム「ゆずりん」を製造し、今年3月までに中国地方や九州地方など全国で約1万500個を出荷、販売した疑い。
 この日は捜査員約30人がが同社や社長宅など数か所を捜索。製品や薬品、書類などを押収した。
 県医務薬務課によると、県が同社に提出を求めたゆずりんから、1グラムあたり0・12〜0・23ミリ・グラムの吉草酸ベタメタゾンを検出。県は3月、免疫力の低下といった副作用の恐れがあるとして、ゆずりんなどクリーム3種類を自主回収するよう同社に指示した。ゆずりんの回収数は26日までで582個という。

ちょっと遅かったようにも思いますが,アトピー商法に用いられた「化粧品」が薬事法違反でやっと刑事事件となってきました。
 「規制緩和」という耳あたりのよい言葉に惑わされることなく,人々の生命と健康を守るためにも,県行政や県公安委員会に頑張ってほしいと思います。

2009年5月29日追記

「ピュアライン」の山本清美代表取締役と岡田芳浩元取締役が5月29日に逮捕されました。2009年5月29日のエントリーで簡単に触れてあります。