島根県議会での議論

たまたまの拾いモノ。
自民党県議会議員小澤秀多氏の島根県議会地方分権行政改革調査特別委員会(2006年10月2日)での質問から抜粋。略したところは点点で。
(小澤氏の質問)

この指定管理者制度の御説明の中に、・・すべてを包括的に管理運営するんだというふうに御説明なりましたが、すなわち、普通この・・集客施設いうのは、しまね海洋館、美術館、芸文センターあるいはいろいろ、これはすなわち自己完結型、収入から自分の費用を賄っていく、すなわち独立採算型でないといかんわけですよね。そうですね。
具体的にお聞きしますが・・県立美術館。例えば、そこでいろんな催し物をやりますよね。我々も県会議員さん方も・・何か無料の切符をもらいます、ほとんど行ったことありませんが。なぜ行かないか。・・一見しておもしろくないからですよ。・・それで、今の話で指定管理者制度の内容を聞いたところ、すべてを包括的に管理運営するんだと。すべてを任されてやるんだということですが、本当にそうですか。
・・私聞いたら・・副館長さんに会って・・あんた方、この指定管理者制度になったんだけど、・・どういうふうになっておるんかって聞いたら、ああいう・・催し物を、・・毎月毎月変えるんか、何カ月に1遍変えるんか、それ私わかりません。どのぐらいのスパンで変えるんか。それが、指定管理者はそんなことにタッチさせない。自分らがそれはやってますと。それはどういうこと。
指定管理者制度いうもんを導入したら、民間でも公でもええけど、・・その美術館の運営任すわけでしょう。そうやったら、集客施設ですから、とにかくお客さんに入っていただかにゃいかんわけだ。お客さんの耳目を集中させるような催し物を持っていかんといかんわけ。そういうアイデアいうのは、そういう業者、今は民間ですが、民間がもっとたけておるんですよ。それらに全部を投げ出して任せないかん。そこを本当に任せてない。核のところは、・・自分らが決めて、あと・・中身を任せないで外部、側だけを任せておるような感じがするんですよ。ちょっと説明してください。

(県の回答)

ちょっと説明が足らなくて申しわけないと思いますけれども、指定管理者制度というのは、すべてを一括的にお願いするということもできますし、部分的にお願いすることもできる仕組みになっております。物によって、それをどうするかというのは条例の方で最終的には定めることになっております。料金についても、条例で利用料金制をとる場合には料金は相手の方に入りますし、そうでない場合は県の収入になって、県が必要なものを委託費として払う場合の2つの形があります。御指摘の美術館でございますけれども、美術館については、学芸部門いわゆるそういうイベントをやる部分は、県の学芸員が直営でやっております。指定管理者は館の全体的な施設管理とか、あるいは入場者の整理とか、チケットの販売、こういったような運営部門をやっておりまして、議員御指摘のように学芸部門は直営でやっております。
 それと、おもしろくないから県民が来ないというような御指摘を受けましたけれども、そういったことについては、県民の皆さんのニーズに沿えるようなイベントを打つように、引き続き努力をしていきたいというふうに思っております

(小澤氏の質問)

それでね、今の話で、その企画の部分は・・学芸員が直に企画をやっておるんだということだけども、私かつてロンドンに住んでおったことがあって、そのブリティッシュミュージアムいうところがある、大英博物館。そこにツタンカーメン王のそういうもんがあるわけだ、そういうロゼッタ・ストーンとか。そういうもんでも引っ張ってきなさいよと。あるいは世界的に有名な、本当にみんなが、おお、すごいな、そういうものを引っ張ってきなさいよと言ったら、それは指定管理者の方ではやれませんと。学芸員が、今言われたように企画してますんで。だからつまらん。
学芸員の頭の中いうんかな、それで集客が決まってしまうんですよ。もっとおもしろい、びっくりするようなアイデアを持った人間を採用することが私は指定管理者制度につながっておるんかな思ったら、そうじゃない。前からおる学芸員にそれやらす。それじゃ何の意味もない。全部それ変えにゃ。もっとすばらしいアイデアを企画できるような者を、そういう人に任せんと。私はそう思うよ、ちょっと。

(県の回答)

今回、美術館をどこまで指定管理でお願いするかということについては、一応議会の方にも諮りまして、条例で定めております。17、18、19の3カ年について現在契約をしとりますので、小沢議員の御意見も含めまして、その範囲をもっと広げた方がいいというようなことが、仮に必要になるとすれば、次の更新時にどうするかということも改めて議論させていただきたいというふうに考えております。

さらに,何事かいいかける小澤県議を,手銭長光県議(同じく自民党)がたしなめる。
(手銭委員)

行ったこともないのに実態がわかりますか。
美術関係っていうのは大変なんですよ、そりゃ全国的にどこもね。ブリティッシュミュージアムは無料なんだよ。あなた御存じ。あそこは無料ですよ。

(小澤氏)

無料の場合もあるし有料もある。

(手銭委員)

あそこは無料なんだよ、きちっと。

(小澤氏)

いや、無料の場合もある……。
そりゃいいんだけど、私は実態に即して言うのは、やっぱりこれは集客施設ですから、何でも人間が入ってこんと意味ないわけで。それをどうやっていくんかいうお話でしょう。

さすがに,委員長が引き取る。
(委員長)

今、小沢議員の意見ですね、・・また見直しのときとかそういう美術館との、いろいろな施設がありますのでね、集客についていかに今後、こういう時世ですから、といってそれは甘えておってはいけんわけでね。やっぱり少しでも努力せないかんというようなことで、彼は言うとると思うんですよ。
だから、そういうようなことで、執行部の皆さん方もよく御理解をされて、検討され、議論してください。

県側も,教育委員会側の当事者でなく,行革担当が答えていましたから,ろくな回答にはなっていないですが,小澤氏の発言は,もう可笑しくなってしまいます(鼻で笑うともいいますが)。
けれども,委員長が引き取ったように,こういう意見を持っている人がある程度の割合いるという現状を念頭に置いて,美術館が美術館の役割を積極的に普及していくことは大事でしょうね。