奨学金制度についての国の考え

独立行政法人日本学生支援機構(もとの日本育英会ですね)の見直しを,行政改革推進本部が求めているようですね。
2007年9月26日に行われた行政改革推進本部の行政減量効率化有識者会議の議事概要を見ると,奨学金について行政改革推進本部は「無利子貸付はやめるべき」とのお考え。まあ,文部科学省では「憲法教育基本法の教育を受ける権利とのバランスを図っていく必要」とは回答していますから,文部科学省では無利子のものも必要だとは思っているようですが。
実家の家計が貧しく,自分も,高校,大学と無利子貸与を受けたクチでありますから,日本育英会には恩義があります(15年間で返済完了しましたが)。
教育を受けるということは,人間の権利。
また,経済的側面から見ると,教育をより長期間受けることで,生涯賃金も上がる傾向にあります。これは生産性が高いと評価されてのこととも思われます。
権利的側面からだけでなく,社会全体の発展を考えてみても,教育を受けられる環境整備は大事なことだと思います。
このままでは,経済的に余裕のある家(行政改革推進本部にいるような人はみんなそうなのかもしれませんが)では,子供に高校,大学,大学院へと進学させることができ,経済的に余裕のない家では,それがかなわなくなってしまいます。
一部裕福者は,格差を固定した方が,富の収奪を行いやすいのでしょうが,社会全体から見れば,それはマイナスだと思うんですけれども。


国会議員一人ひとりの考えを聞きたいところですね。


※諸外国の高等教育の支援状況等について,文部科学省簡単にまとめたものが見つかりました。

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毎日新聞 大阪版 9月18日)