指定管理者の情報公開

kei-zuさんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060914/p1)で,岩手日報の9月13日の記事が紹介されていた。

 三菱総合研究所は、指定管理者制度について、公募で選定された事業者の提案書がインターネットなどで公開された場合、提案内容をまねて利用する悪質なケースがあるとして、自治体に公表を控えるよう求めた提言を発表した。
 三菱総研は「低コストで良質なサービスの提供を実現した提案書は知的財産」と指摘している。

とのこと。
指定管理者の選定は,住民サービスに直結するものであり,議会はもとより,住民への情報公開は必須のこと。
また,効果的,効率的な情報公開のために,インターネットによる公開も,もう不可欠のものとなっている。
それは,住民サービスに携わる指定管理者たる事業者も前提とすべきことであり,「知的財産」との物言いはちょっとどうかなと思う。
一方,他の提案内容をまねて,逆に住民サービスの低下や,そもそも事業者が仕様通りのサービスを提供できないという危惧はあり得るであろう。
地域に応じて,施設に応じて,それぞれの理念,住民のニーズは異なる。
行政は,選定された事業者の提案書の公表は続けるべきであろう。そしてそのうえでむしろ,それぞれの施設がどのような理念を持ち,どのようなサービスを提供していくかを行政が仕様書で明確にして行く必要があるだろう。それこそ,他の地方自治体の仕様書内容を「流用」するのではなく,自治体自らが仕様書を一から書き上げる気概を持つべきではないか。

横須賀市の長井海の手公園ソレイユの指定管理者について,http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060913#p1でも触れたが,横須賀市議会議員の藤野さんのページhttp://www.hide-fujino.com/problem/nagaiuminote/040501potiron.htmでも書かれているように,稲敷市の『ポティロンの森』とそっくりとの指摘がなされている。長井海の手公園が市民にとってどのような施設であるべきかという行政側の理念が不在だったのではという疑問を抱かされてしまう。