ファームパークの話題

http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060823#p1でも触れた株式会社ファームが進めているファームパーク。
「長崎あぐりの丘」からの撤退,「山口ニュージーランド村」の休園,「四国ニュージーランド村」の休園に触れていましたが,愛媛県東温市の「愛媛わんわん村」(旧:足立の庄)も8月31日で閉園したとのことです。
また,株式会社ファームも出資する第3セクターの赤城高原開発から,前橋市が手を引くとのニュースも。

前橋市:赤城高原開発との資本関係解消へ ドイツ村出資金返還で合意 /群馬

 前橋市は7日、同市が出資する第3セクターで、赤城高原牧場クローネンベルク「ドイツ村」(前橋市苗ケ島町)を経営する赤城高原開発(久門渡社長)との資本関係を年度内に解消することを決めた。市は「行財政改革の一環」としており、4日に旧宮城村(現前橋市)が出資した500万円の返還について同社と合意した。
 ドイツ村は94年オープンの牧場型テーマパーク。90年に旧宮城村赤城山南面の開発を請け負う同社に全資本の1・25%に当たる500万円を出資し、以降、総面積約35万平方メートルのうち村有地7400平方メートルを無償貸与してきた。同村の前橋市との合併により、職員の同社への出向を廃止し、05年6月からは無償だった土地使用を年約6万円の賃貸に切り替えていた。
 ドイツ村では8月以降、食肉加工施設の責任者の事実上の「名義借り」や、塩素滅菌されていない井戸水が上水道に混ざっていたことなどが発覚。食品衛生法違反などの疑いで県が調査・指導してきたが、市財政課は「提携解消は不祥事が原因ではない」としている。
 同市は行革の一環として、ケーブルテレビ「ジェイコム群馬」(高崎市)との提携も年度内に解消することを明らかにした。【桝谷敦子】

毎日新聞 2006年9月8日

名義借り事件については,同じく毎日新聞が報じていた。

ドイツ村:食品衛生法違反の疑い、県が立ち入り調査 衛生管理者勤務実態なし /群馬

 県食品監視課と前橋保健福祉事務所は30日、食品衛生法違反の疑いがあるとして、前橋市苗ケ島町の赤城高原牧場クローネンベルク「ドイツ村」の食肉加工施設を立ち入り調査した。食品衛生法で定める食品衛生管理者として同施設が03年1月から登録していた男性にはほとんど勤務実態がなかったことが判明。県の指導を受け同施設は同日から営業を自粛している。
 食品衛生法では、調理場や加工工場など食品を加工する施設に対し、助言や監督指導をするため専任の食品衛生管理者の配置が義務付けられている。しかし県によると、ドイツ村が管理者として登録した男性はソーセージなどの製造工程も把握していなかったという。男性は管理者資格はあるものの、県内で別の仕事に就いていたらしい。
 県は「具体的被害はなかったが、衛生管理の上で不適切」として、ドイツ村に対し、肉製品の製造と販売を自粛するよう指導。一方、ドイツ村は「男性との契約状況を知る者が退社したため詳細は不明だが、何らかの助言をもらっていると聞く」として「名義借り」を否定。「指導を厳粛に受け止めて、営業再開に向けて対処したい」と話している。【桝谷敦子】

毎日新聞 2006年8月31日

また,大阪府堺市の「堺・緑のミュージアム ハーベストの丘」については,堺市第3セクター堺農業公園(株)と(株)ファームの関係について,市の監査委員による指摘と是正がなされています。詳細はhttp://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_kansa/hous171027_2.html。及び堺ジャーナル163(平成17年4月号)号http://www.sakai-journal.co.jp/163/02.htm
兵庫県南あわじ市の「イングランドの丘」についても,第3セクターの淡路ファームパーク・イングランドの丘と株式会社ファームの間のお金の流れの不透明さがちょうど市議会で取り上げられている様子。詳細はhttp://0bbs.jp/minamiawaji/1181/http://0bbs.jp/minamiawaji/1187/http://0bbs.jp/minamiawaji/1198/

岩手県奥州市の「とうほくニュージーランド村」では,園内の1施設の閉鎖をきっかけとして,施設全体の閉園の噂が流れたらしく,http://www.touhoku-nzmura.com/menu.htm

ワンワンふれあい館について
先月末、メールや掲示板で「ワンワンふれあい館が閉館、とうほくニュージーランド村が閉館」という噂が流れ
当園にもメールや電話でお問い合わせを多数頂戴しました。
もともとワンワンふれあい館は当園内で開催しているイベントで、主催は仙台の業者にお願いしていました。
その業者の関係者からの情報として広まってしまったようです。
当園といたしましても大変困惑いたしましたが、先方に確認し、検討いたしました結果
今期のワンワンふれあい館の営業は終了する事といたしました。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、当園は今まで通り営業いたしますので
今後ともご愛顧の程お願いいたします。

いろいろと大変なご様子です。

京都府京丹後市の「丹後あじわいの郷」も横須賀市議会議員の木村さんの視察報告http://www.h3.dion.ne.jp/~m-kimura/0311-3.htmlを読むと,苦戦の様子。
茨城県稲敷市の「ポティロンの森」も同じく横須賀市議会議員の藤野さんの視察報告http://www.hide-fujino.com/problem/nagaiuminote/040501potiron.htmで苦戦の様子がうかがえます。

http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060823#p1でも書いたように,ファームパークというコンセプトはまだまだ可能性もあると思います。地域の雇用改善にも,地域の価値の再発見にも,そして青少年の教育や人々の癒しの空間の場としての役割が期待できます。とはいえ,現在のモデルでは多額の初期投資,運営経費がかかります。それぞれの自治体がファームパークを設置,公開する理念をもう一度中心に据え,透明性のある効果的な運営を実現してほしいものです。
#ほんとは,こんな公園を新たに造成するより,コア施設を作った上で地域の資源を活かすエコ・ミュージアム的な発想の方が良いと思うんですけれどね。