博物館のマーケティングatオランダ

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オランダの博物館協会Netherlands Museums Associationで全国的なレベルで「来館者の意向調査」を実施している。名称はMuseum Monitor。

費用は文部省と宝くじ財団からの助成もあるが,同時に参加館からの参加料もあてる。5万人以下の入館者の館で2250ユーロ,50万人以上だと6750ユーロかかるという。

2003年1月に開始し,現在の参加館は32館。ただし,全ての国立館は定期的なマーケットリサーチを2005年から始めなければならないという義務もあるため,今後参加館は増えていくことだろう。

参加は1月または7月。参加すると,博物館協会からマーケットリサーチや必要事項に関する説明を受け,6か月後に自館の調査結果と,nationwideな全体概要を得ることができる。また翌年,より詳細な全体の結果を得ることができる。協会では,結果を考察できるのかについてのワークショップなども開催する。

実際の調査の計画や集約は協会の委託を受け,TNS Nipo社が行う。来館者が書き込むアンケートという形で行われる。アンケートのお願いなどはコスト削減のため博物館の職員(守衛など)が担当していることが多い。
アンケートは記入に20分ほどかかるもの。なんらかの特典・お礼をつけることで,お願いされたほとんどの来館者は積極的に協力している。

質問の60%は入館者の行動にかんするもの。個人かグループか。滞在時間,交通手段,来館回数,来館理由,情報入手手段など。
30%は博物館活動・サービスについての感想。展示(コレクション)。解説,イベント,利用のしやすさ,駐車場,サイン,ショップ,食堂,入館料,こどもなどの利用のしやすさなど。
10%は来館者の社会・経済的なこと。住所,年齢,性別,人種,国籍。

2週間ごとに博物館は埋められた調査票をTNS Nipo社に送る。

協会では,個々の博物館にかかわるデータについて,当該館以外に公表することはない。

参加館にとってはのメリット。
自館の成果を他と比較して考察することができる。
入館者の属性や行動について比較的安価で基礎的なデータを得ることができる。このことをもとに館独自のマーケティングリサーチを別途行うこともできる。
評議会や地方公共団体,国行政に対する説得材料としても使うことができる。
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これまでの結果

来館者は女性,しかも50歳以上が比較的多い。このうち,40%の来館者は年間3回博物館を訪れている。35%は6回以上。
来館者の半数以上はその館への初めての来館。20%は1年以内に訪れた経験がある。

平均滞在時間は小規模な博物館で1時間15分。大規模館で2時間。
など。
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Anita van Mil,2004. National service. Museum Practice, summer 2004.
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