差別と貧困の外国人労働者他

ルポ 差別と貧困の外国人労働者

安田 浩一 (10)
5衝撃
4労働の現場に横行する脱法行為
5考えさせられます
5研修制度の実態
5日本はこのままでいいんですか?
中国からの外国人研修生,及び日系ブラジル人に対する搾取と人権侵害の迫真のルポ。そして,この搾取により利益を受けているのは,ルポ中に出ている縫製会社や巨大自動車産業だけではない。おそらく,私も受益者。だからこそ,それが不法行為と人権に対する罪に支えられていることを知ること,人権回復に動くことが必要。

木下川地区のあゆみ・戦後編―皮革業者たちと油脂業者たち

かつて弾左衛門がいた東京・浅草周辺。都市開発の中で,皮革産業は当時郊外の木下川に移転させられる。そして,都市の中での差別被差別の関係は隠蔽させられている。白日のもとにさらす,告発するといった行為は個人では困難。連帯して告発すると数を頼んだ暴力とされる。
 イデオロギーでも,象徴でもなく,人権侵害の現場で働き,遊び,暮らす人がいて,一方,その人に対する差別と搾取により益を受けている人がいる。
 本書も,気軽に読める本です。

五龍世界(WOOLONG WORLD)

パワースポットばやりですが,その背景には現代にも強く根付く道教の歴史。風水や八卦はもちろん,おみくじ,閻魔大王,浦島太郎など,神道,仏教,民間信仰にも道教は入り込んでいて。
 本書も道師(みならい)が主人公になるもので,キャラもたっているように思う。結構話題になっているようなんだけれども,アマゾンのレビューが現時点で一件もないのが不思議です。話はまだ始まったばかり。恋愛成分が少なくって本来のターゲットである若い読者の支持が少ないのかもしれませんが,続編を強く希望します。

グーグルに異議あり!

グーグルに異議あり! (集英社新書 537B)
おすすめ度の平均: 4.5
4俺の本を勝手にするんじゃない! とばかりに個人で挑んだら、こうなった
5これまた新手の本の殺し方。
5意外に深い、考えさせる本
5『Do'nt be Evil』 それは誰にとって悪なのか?
5よくわかります
グーグルブック和解問題。世界的にも,アメリカ政府内からも異論が噴出して,日本にはほとんど影響が出ない形で(ですよね?),決着したグーグルブック和解問題ですが,とにかく,最初は訳が分からず,次いで,あまりにも帝国主義的な和解案に怒りを覚えたものです。
 著書の明石氏の著述は,不正確な点が散見されることもあり,もったいないと思っていますが,本書はオーバーな部分もあるものの,その点は安心しながら,怒り,また賛同して読むことができます。お勧めです。

テルマエ・ロマエ

ヤマザキマリ (107)
4意表を突く作品
5おもしろい
5アンティノウス像発見!
4以外に面白かった
1漫画大賞??
横浜美術館ポンペイ展が開かれていた際に,特別展のショップに置いてあったローマのお風呂マンガ。何となく心に残っていましたが,このたび見つけて読破。面白いといえば大変面白いが,アイデア勝ちの面もあって,立ち読み程度でも良いかも。

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

小惑星探査機 はやぶさの大冒険
おすすめ度の平均: 5
5泣ける理系の本
5このはやぶさプロジェクトのメンバーから、リスク管理や問題解決のための多くの材料を教えてもらった。
5はやぶさと一緒に大冒険
4一気に読めました
5偉大なる日本の宇宙技術! 
前から取材を積み重ねてきた強み。さすが「メタルカラー」の人。

七人の敵がいる

加納 朋子 (9)
4やり手女性編集者の敵とは!?
5恋愛ものでなくとも、こういう作品こそ、大人の女性に向けたものだと思います
4子育てママ必見!
5兼業主婦のPTAドタバタ奮闘記?と思いきや…
5一気に読める痛快本
加納朋子氏の本は,ずいぶんこのブログでも紹介しています。本書もとてもお薦め。働く女性にはたくさんの敵がいるのだなと。
 最近,2ちゃんねるの「真のエネミーは配偶者」スレまとめを見ていたせいもあり,相乗効果で面白い。そして,妻帯者として,ちょっと怖い。



まあお勧めのもの。
動かないコンピューター ― 情報システムに見る失敗の研究
ガラスの巨塔』←ちょっと気持ち悪い本ですが。暴露小説にナルシズムがかかっています。