神奈川県博物館協会の快挙

11月16日の神奈川新聞の記事から。

博物館の仕事考えるシンポ
県内に百以上ある博物館や水族館、動物園などの取り組みと今後の課題を紹介するシンポジウム「のぞいてみよう博物館の仕事」が十六日、横浜市中区の市開港記念会館で開かれ、訪れた市民ら約百五十人が貴重な報告に耳を傾けた。
 来年の横浜開港百五十周年の記念企画で、県博物館協会の主催。開港による「国際化」をキーワードに、横浜マリタイムミュージアムやシルク博物館、市立金沢動物園、県立近代美術館の代表らが講演した。
 シルク博物館の坂本堅五部長は、開港以来八十二年にわたり生糸が横浜港の輸出品一位だったことに触れ、「養蚕は近代日本の経済発展に大きく寄与した」と強調した。現在は養蚕技術の伝承に力を入れていることや、特別展などの企画で客を呼び込む一方で歴史や伝統を大切にする工夫も必要と、博物館に共通する課題も報告した。
 市立金沢動物園の松岡良樹飼育担当係長は、知的娯楽としての役割以外に希少種の保護にも力を注いでいることを紹介。海外の絶滅危(き)惧(ぐ)種のカンムリシロムクを国内で繁殖させ、現地のバリ島に放鳥する取り組みなどについて紹介し、「動物園が協力し合い、世界規模で希少種の保護事業に取り組んでいる」と報告した。
 主催者の一人である県立歴史博物館学芸員の嶋村元宏さんは、「開港を機に西洋から伝わった博物館について、それぞれの特色や取り組みを広く知ってほしい」と話していた。

博物館自体が広義の公共財であること,そして教育その他の側面から国と国民にとって(法的にも)価値財の位置にあることが,市民に広く理解され,支援される。そんな関係性ができればと思っています。
指定管理者とか,命名権(ネーミングライツ)という,その前提を覆しかねない制度によって,博物館が破壊されないためにも。