京都市の恣意的な懲戒処分を裁判が否定

しばらく前の話。京都新聞の3月26日の記事から

処分取り消し命令 京都地裁
犬や猫の死骸(しがい)収集業務で住民から受け取った手数料を着服したとして懲戒免職処分を受けた京都市環境局の元職員の男性(53)=右京区=が、着服は事実無根だとして、市に処分取り消しを求めた訴訟の判決が二十五日、京都地裁であった。中村隆次裁判長は、手数料を渡したとする住民の証言があいまいなことなどから「処分は適法といえない」として、取り消しを命じた。
 判決によると、男性は西京まち美化事務所に勤務していた二〇〇四年七月、伏見区の住民の依頼で犬の死骸の引き取りに行った際、手数料として受け取った四千六百円を着服したとされ、昨年二月に懲戒免職処分を受けた。
 中村裁判長は「住民の記憶に疑問がある。男性は〇四年度だけでも四十三件の手数料を受領しており、この件だけ横領するのはおかしく、受領しなかったと考える方が整合的」と結論付けた。
 男性は勝訴判決に「ただただ、うれしい。後は職場復帰を求めるだけ」と話した。市総務局人事部は「主張が認められなかったのは残念。判決を分析し、対応を検討したい」とコメントした。

原告は,もともと2006年8月19日に上司に呼び出され,2004年7月24日の出来事を詰問されたという。
 京都市の上司側は,市側が作成した陳述書案に住民にサインさせたものを唯一の証拠とし,否認にたる記憶の欠如を根拠として,懲戒免職処分を行った。
 ところが,地裁の証人尋問において,住民自らが,市にサインさせられた陳述書を否定する証言を行い,懲戒免職の根拠が崩れてしまったという事件。
なお,この判決に対し,京都市控訴期限の4月8日に大阪高裁に控訴手続きをとっている。

9月14日追記 その後の経緯

高裁では7月3日に口頭弁論があり結審。7月17日の控訴審判決では京都市側の控訴を棄却。
7月23日付けで市の職員(総務局付け)に復帰し,8月1日付で前職に復帰となりました。