第二次世界大戦でどれだけのひとが死んだのか

今年も8月15日が近づく。
政府は8月15日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とし(1982年4月13日閣議決定),全国戦没者追悼式を開催(それに先立つ1963年から実施)している。また,政府関係機関や,一部の地方自治体,教育委員会では,その日,半旗を掲揚し,戦没者の追悼を行っている*1

ところで,戦没者とは何か。
厚生労働省の「全国戦没者追悼式について」という資料(2002年2月1日付け)によると,戦没者の数は310万人。内訳としては,軍人・軍属が230万人,国内・外地で死亡した一般邦人が80万人ということである。
 民間人の戦災死亡者が50万人とは,Under-Estimateのような気もするが(沖縄だけで10〜15万人とも説がある。3月10日の東京大空襲で8〜10万人。広島原爆で14〜25万人,長崎原爆で7〜8万人*2。)
 いずれにせよ,この中には「内地」や「朝鮮半島」でなくなった「朝鮮人(当時は朝鮮を併合していたので,日本人。ただ,半島人と言われたりしていたが)」は含まれていない。もちろん,日本の侵略戦争で死亡した中国,東南アジア等の人々はもとより含まれていないのである。

平和を祈るとき,そういうことでよいのでしょうか。

なお,日本の侵略戦争第二次世界大戦による各国の死者数等被害状況については,「ととと と とと」さんの第二次世界大戦等の戦争犠牲者数が,まとまっていて参考になります。

*1:1982年の閣議決定別紙「全国戦没者追悼式の実施について」を見ると「式典当日は,官衙等国立の施設には半旗を掲げることとし,地方公共団体等に対しても同様の措置をとるよう勧奨するとともに,本式典中の一定時刻において,全国民が一斉に黙とうするよう勧奨する。」となっています。

*2:原爆症で後に亡くなられた方をカウントするかどうかということがある−それにしても,大きな数も数字では簡単にあらわせる。一つ一つ数えていけば,その数の大きさにおののかされるのだが