倉敷チボリ公園と指定管理者制度

岡山日々新聞の4月25日の記事から

チボリ・ジャパン 提携契約更新を断念 新規投資めぐり溝埋まらず

 倉敷チボリ公園倉敷市寿町)の運営をめぐるチボリ・ジャパン(TJ)社とデンマークのチボリ・インターナショナル(TI)社との提携協力契約の更新交渉が24日、事実上決裂した。TJ社と岡山県は引き続き、指定管理者制度を導入しての同公園の「県民・市民公園」化を目指す方針を堅持しているが〝破談〟に伴うTI社とのさまざまな権利関係に関する話し合いが控えており、先行きには不透明感も漂う。
 TJ社は岡山市内で24日に開いた臨時取締役会で、公園の魅力アップに向けTI社から提案されている5年間で36億円余りにも上る巨額な新規投資の認識をめぐり、こう着状態が続いていた両社の提携協力交渉を打ち切り、新たな契約を結ばないことを全会一致で確認し、TI社に通知した。 臨時取締役会終了後、TJ社の坂口正行社長と同社の会長を務める石井正弘知事が記者会見。坂口社長は「交渉を長引かせるのではなく、公園の次の姿についての議論に早く入ろうということで取締役の意見が一致した」と説明した。
 今後は新たに両社による権利関係に関する話し合いが行われることになるが、最大のテーマは「チボリ」の名称使用について。TJ社によると「両社の別の契約によりチボリ・ジャパン社が運営する限り名称は使用できる」としているが、提携協力交渉の不調から、TI社側が名称の変更などを求めてくる可能性は十分ある。ほかにも公園の施設や意匠、デザインなど調整が必要な事項は数多い。
 倉敷チボリ公園は7月18日に開園10周年を迎え、記念行事なども予定されているが、節目の日が「再出発」に重なる。長期低落傾向にある入園者数や、資本金を食いつぶしつつある累積赤字など経営課題も山積している。
 石井知事は、指定管理者制度の導入による「県民・市民公園」化など今後の方針について「今のところ変更する考えはないが、両社の権利関係に関する話し合いは言わば(交渉決裂を受けた)和解交渉的なものになり、その内容いかんによっては判断を変えていかねばならない可能性もある」としている。

さかのぼって調べてみると,山陽新聞の10月25日の記事では,次のように。

倉敷チボリ 指定管理者制度に疑問 TI社が回答要求
正式契約不透明に

 倉敷チボリ公園倉敷市寿町)を運営するチボリ・ジャパン社とデンマークのチボリ・インターナショナル社(TI社)の契約交渉で、TI社が「指定管理者制度について疑問点があり、現時点では直ちに同意できない」とし、ジャパン社に制度上の疑問点について回答を求めていることが25日、分かった。岡山県石井正弘知事が会見で明らかにした。
 予定していた12月中旬までの正式契約締結は不透明な情勢になった。
 同制度は、来年度からの県民・市民公園化に伴い、県が同公園に導入する予定。地方自治法では、期間を定めて管理者を指定し、利用料金(入園料)は自治体が承認するよう定めていることから、TI社は「ジャパン社の公園運営にどのような制約を及ぼすか」「ジャパン社が継続運営することは可能か」などと質問している。
 先月行われた両社の交渉では、提携関係を維持することで基本合意したものの、同制度に関してはデンマークに類似制度がなく、TI社が態度を保留。18日にファクスで返答があったという。

第三セクターチボリ・ジャパンが運営している倉敷チボリ公園を県営公園とし,その指定管理者としてチボリ・ジャパンを選定する形のようですが,求める方向性がもう少しよくわかりません。どうも,これまでのTJ社への管理運営委託が法的にグレーだったことから指定管理者制度を導入しようとしているようですが。
いずれにせよ,観光であり,住民の福祉でありという「公園」という性格に立ち戻らなければならないということでしょう。