解放同盟第63回全国大会

部落解放同盟第63回全国大会が3月3日から5日まで九段会館(東京)で開催された。
ここでは大会スローガンをメモ

地域からの日常的な協働のとりくみを活性化させ,戦争への道と弱者切り捨ての小泉路線と対峙し,「人権・平和・環境」を機軸とした人権立国建設に向け部落解放運動の総力をあげよう!

  1. 憲法・「教育基本法」改悪を策動する巨大与党の横暴を許さず,「人権侵害救済法」の早期制定をはじめとする「人権の法制度」の総合的確立を横断的な人権NGOの統一した力で実現しよう!
  2. 最高裁の理不尽な特別抗告棄却を断固として糾弾し,証拠開示の公正なルール化をはじめ司法改革を強く求め,狭山第3次最新闘争勝利に向け広範な市民運動を展開しよう!
  3. 政治反動,経済不況,社会不安のもとで,悪質・頻発化する差別事件への糾弾闘争を教化し,今なお生きている「部落地名総監」への徹底的な糾弾闘争をおしすすめよう!
  4. 「特別対策」的な施策に依拠した要求から,現実の差別実態に即した要求へと転換し,「自助・共助・公助」の視点からの日常的な要求闘争と行政闘争を活性化させよう!
  5. 被差別の当事者主権の立場から生活と仕事を守り,ユニバーサル社会,男女平等社会など,地域活性化と人権文化の創造につながる「人権のまちづくり」運動を全国的に進展させよう!
  6. 「人権教育のための世界プログラム」の具体化や「職業と世系にもとづく差別」の撤廃に関する原則と指針の作成への積極的関与を行い,アジアをはじめとする世界の被差別当事者との国際連帯を強化しよう。

共生と連帯を!!!
そういえば,自民党からも来賓が来ています。解放新聞から自民党公明党与党来賓の発言を紹介。
松浪健四郎 「『人権擁護法』は抵抗勢力のために厳しい試練があった。党内であらためて議論を深め,一日も早く立派な法を制定する。永住外国人地方参政権に関する法案も成立させたい。世界的に人権問題が遅れているという批判を背にして,緊張した闘いをくり広げたい。」
岩永峯一 「『人権擁護法』は,一部反対勢力によって,上程を挫折せざるをえない憂き目にあった。達成に向け検討したい。」
西博義 「平和と人権は立党の柱。『法』について全力でがんばる。格差が広がると言われる中,教育問題に力を入れたい。国連人権小委員会が理事会に昇格する動きがある。国際的な流れのなかで国内の人権をどう確立するか。教育と啓発は法ができた。最後の一点である救済法を完成させたい」
また野党からも。
仙石由人 「日本は人権尊重の観点からは遅れた国。いまこそ人権救済の制度を確立したい。格差拡大は問題ないと小泉首相は言うが,経済格差にとどまらず,教育,住環境,健康保護などの格差が拡大し,固定化し,再生産されている。このような社会を許してはならない。法成立に抵抗する人が多いが,ここは日本の正念場。救済を成し遂げることで生活,思いが尊重される社会をめざす」
福島瑞穂 「大会スローガンが素晴らしい。今の政治の問題と対峙したもの。小泉首相は現状を突きつけると,格差社会を悪いことではない,『成功した人間をねたむことは慎むべき』とまで言う。競争を越えた共生社会が必要。」
人権侵害救済法案は,パリ原則から見ても,人権委員会の独立性,権限に問題が大きすぎる。松浪,西両氏の主張されるよう,国際的な流れの中でどのように人権侵害への救済を図るか,また国,地方行政等の権力による人権侵害にどう対処するのか,ぜひ与党内で議論を深め,また国民的な議論へと繋がることを期待する。そして,差別は人権に対する犯罪であり,その救済が国のまたは国民的課題であることを明記した法律が成立することを望む。