八千代市があぶない

千葉県八千代市。2002年,前市長大沢一治が,業者泰成エンジニアリングから賄賂を受け取っていたことが発覚し,逮捕,辞職勧告,辞職したなどで,悪名を馳せたことがある町だ(大沢はホモだとかだったそうで,週刊誌ネタにもなった)。
その八千代市で,再び市の執行部の不祥事が表沙汰になるかもしれない。

2004年10月21日 朝日新聞千葉版より抜粋
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八千代市内の会社員らが,市監査委員の仕事ぶりが不十分だとして外部監査を請求したのに対し,窓口の監査委員側が「受理も不受理もしない」という異例の対応をしていたことがわかった。
総務省行政課は「書類の形式が整っているなら受理する必要がある」と指摘。
請求を宙づりにしたまま門前払いをねらった監査委員の姿勢が,厳しく問われそうだ。
外部監査は,9月に市民3人が請求した。市内に計画中の東京女子医大病院の誘致問題にからみ,3月に住民監査請求をしたが,「4月に出された結果は市側に都合のいい判断に終始し,職務放棄だ」と主張。監査委員の2カ月分の報酬返還などを求めていた。
弁護士や税理士など第三者が行う外部監査は今春,同市が条例化。監査委員事務局が請求を受け付けた上,外部監査が適当かどうかを監査委員自身が判断する。しかし今回はその判断に踏み込まず,今月初旬,「受理も不受理もできない」との回答を請求者らに口頭で伝えた。
総務省は「受理・不受理は監査の前段階であり,形式的要件が整っていれば,受理しないとまずい」と同市監査委員の対応に首をひねる。

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東京女子医大病院に80億円(土地代金を含めれば100億円超。

収賄で収監された前市長大沢時代から進められてきた病院の誘致。出直し市長選で病院誘致は見直すと公約した現市長豊田俊郎は,公約を翻し,東京女子医大に土地,及び80億円の便宜供与をすることにより,病院を誘致することとした。

不明朗な手続き。本来あるべき公文書の不在。

不明朗な手続きはなぜ起きてしまったのか。
議会に諮ることなく,密かに行われた東京女子医大との合意。密約か賄賂があるのではないかと疑った市民は,他の大学病院でなく,東京女子医大病院に決まった経緯を情報公開や市議会で明らかにするようにせまった。しかし,文書での回答,そして文書の公開はない。文書はそもそも存在しないと言う。
他の大学病院にもあたってみて総合的に決めたと市の執行部は口頭で主張するが,市が主張する大学に確認してみても,八千代市からそのような話はなかったとのことである。
つまり市の主張にはまったく裏付け,証拠がないのである。

カルテ改ざんで苦しんだ東京女子医大病院

すでに大きくニュースに取り上げられた東京女子医大病院。ここも何らかのブレイクスルーと,誇りを求めているのであろう。

東京女子医大から市執行部へ環流か?

80億円が八千代市から東京女子医大へ。その80億円のうちいくらかは環流するのか?

おざなりな監査

前市長大沢には納入業者が多額の賄賂を送っていた。当然市との契約額はその分はねあがっていた。金額はあがるのに,市は随意契約収賄側の泰成エンジニアリングと契約していた。市行政自体でチェック機構が働かなかったのである。そしていままた市の監査委員の業務放棄。

どんな真相があらわれてくるのか。

市の予算は,そして市の財産は市執行部のものではない。市行政の監視を強め,不透明な東京女子医大との合意の経緯を明らかにしていかなければならないだろう。
病院誘致派は病院の必要性を説いている。それはわかる。病院はそれ自体住民の財産ともなるものである。だからこそ,合意の経緯を明らかにしなければならない。
そして,現市執行部はその任務を放棄している。
経緯を明らかにしようとすれは,前市長逮捕に匹敵するような衝撃が走ることもあるかもしれない。しかし,それは必要な痛みなのだろう。病院を誘致するにせよ,誘致しないにせよ,必要なことだと思う。