メディア・バイアス他
メディア・バイアス
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 (298)) 松永 和紀 光文社 2007-04-17 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本当に,見ない,買わない運動を進めなければ「大変なことになりますよ」と思います。
さて,この『メディア・バイアス』読みやすくて面白い本です。お勧めです。
遺伝子組み替え食品のリスクの基準は大きく自分と異なります(ただ,実際の判断については,リスクとベネフィットを考慮に入れれば,ほぼ同様の判断基準となるなと感じましたが)。
メディア・バイアスにも関係して10月29日追記
10月29日の朝日新聞,田村建二記者の記事から。
「ワインが体にいい。特に赤ワインの含まれるポリフェノールが,,」というのがいわゆるフレンチ・パラドックスに関してのこの数年の理由付け。
一方,2006年のデンマークの研究グループによる調査(朝日新聞ではオランダの調査と書かれているが,これは明らかにデンマークの間違い。田村記者さんが科学部の記者ならぜひ原本にあたって欲しかったところです)などからは積極的に別な解釈が導き出せる。
大手スーパーマーケットの協力を得て行った調査では,ワインを購入した人は低脂肪チーズや野菜,果物,鶏肉などを,ビールを購入した人はソーセージやバター,マーガリン,豚肉などが一緒に買われることが多かったという。すなわち,ワイン購入者はビール購入者よりも健康的な食品を購入するという傾向があるということである。
二つの変量に相関関係が認められるとき,恣意的にそこに因果関係を持ち込む報道も多い。朝ご飯を食べると成績が良くなるとかね。自分も,うっかりして,その罠にとらわれてしまうことがある。注意が必要なことを示す好例ですね。
ちなみに,元論文はイギリスの医学誌BMJの2006年1月20日号に掲載されたFood buying habits of people who buy wine or beer: cross sectional studyというもの。著者はDitte Johansen, Karina Friis, Erik Skovenborg, Morten Grønbæk。pdfファイルがここにあります。
ビール飲みとワイン飲み,そんなに大きく違うわけではないんですけれどね。傾向の違いがまあ確かに見られるというかんじです。
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なお,『日本人のこころ3』では,土蜘蛛や国栖,隼人,熊襲,蝦夷などについて書かれているようです。
「『古事記』にしても,『日本書紀』にしても,先住民たちが天皇軍の謀略によって滅ぼされるという話が多い」
「『五木さんは九州出身だから,差別の問題を実感として感じることができるでしょうが,われわれ東京人は,理論としては差別を理解できても実感がないんですよ。なんといっても,関西や西日本と違って,東京にはあまりそういう現実がなかったものですからね』 そんな場面に出くわしては,私は『えっ,本当にそうですか?』と聞き返したものだった。東京の人たちが『東京には差別がない』と思っているのとは対照的に,江戸・東京こそが差別の原点だ,と私は考えてきたからである。 かつて『弾左衛門』と呼ばれた人物がいた。」
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