原子力発電所

1997年に逝去された原発被曝労働者救済センター代表の平井憲夫さんの文章が紹介されているサイトです。
原発がどんなものか知って欲しい
最初だけ引用してみます。

私は原発反対運動家ではありません。

 二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。
はじめて聞かれる話も多いと思います。どうか、最後まで読んで、それから、原発をどうしたらいいか、みなさんで考えられたらいいと思います。原発について、設計の話をする人はたくさんいますが、私のように施工、造る話をする人がいないのです。しかし、現場を知らないと、原発の本当のことは分かりません。
私はプラント、大きな化学製造工場などの配管が専門です。二○代の終わりごろに、日本に原発を造るというのでスカウトされて、原発に行きました。一作業負だったら、何十年いても分かりませんが、現場監督として長く働きましたから、原発の中のことはほとんど知っています。

核分裂や冷却水,タービンなど,科学的・技術的な部分は,様々な原子力発電関係の本やサイトで紹介されています。ただ,実際の現場がどれだけ知られているのでしょうか。

新潟中越沖地震で,柏崎刈羽原子力発電所の実態*1が出てきていますが,システム自体の不具合,そしてシステムと現場の不整合がその原因でしょう。

原発ぶらぶら病*2についても,一時期,話題となりましたが,最近はそれほどマスコミには取り上げられることはありません。
最近の現場からのルポルタージュとしては,もう6年も7年も前の文章ですが,鎌田慧さんの「原発列島を行く」ぐらいしか思いつきません。

原発列島を行く (集英社新書)原発列島を行く (集英社新書)
鎌田 慧

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知ること,自ら判断するだけの材料を得ること,これが大事です。自分もそうだし,今後の社会を作り上げていく子どもたちも。
そのためには,単に与えられる知識だけではなく,自ら知識を求めようとする意欲,または動機が必要です。
一人一人の人権が,実は積極的に守らなければ,奪われていくという実感を持つ。
また,人権を守るために共感を持ち,また連帯していくという体験を持つ。
そんなことが大事だと思います。

とりあえず雑感のみ。

*1:柏崎刈羽原子力発電所のサイトに,地震以後の発表が出ています。これらの発表が,きちんと柏崎刈羽原子力発電所のサイトにアクセスしやすい形で残すことが大事ですね。

*2:原発ぶらぶら病については,こちらのサイト(janjan)も参考になります。