ぐんまフラワーパーク続報

http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060928#p1http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060925#p1
http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060913#p1http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060823#p1
で触れてきたフラワーパークについて,県議会では9月26日の本会議で行政に対する質問がなされていたが,10月3日には県議会の環境農林常任委員会で県行政のガバナンスについて追求がなされていたようである。
それにしても,指定管理者選定以前に,指定管理者候補者の経営状況についてどう考えるかというのは今後,課題になりそうです。
当然,応募段階では経営状況については判断基準になるが,候補者が提出した資料のみで判断するのか,別途調査を行うのか,もし調査を行うとすればどのような方法でどこまでか。
コンソーシアム,もしくは子会社が応募したときにはどうするのか(今回であれば,どうもはっきりしませんが,(株)ぐんまフラワー管理,(株)赤城高原開発(指定管理者応募時点では第三セクター),(株)ファームという順の資本関係になっているようですので,まだ複雑です)など,喫緊の課題となりそうです。
労働環境ですが,現在も続いている施設のうち,長崎市あぐりの丘(ファームは撤退)と,塩尻市のチロルの森では,議会でも取り上げられています(例えば塩尻市ですと,平成12年9月11日の定例会)。
それにしても,新聞で,伝聞にしろ「莫大(ばくだい)な借金で首が回らない状態」と書かれたのは,大変なことです。

ぐんまフラワーパーク問題:フラワー管理に是正勧告 賃金未払いなど /群馬

 ◇運営委託先、賃金未払いなど
 指定管理者制度に基づいて、県が4月から民間に運営委託した「ぐんまフラワーパーク」(前橋市柏倉町)について、3日の県議会環境農林常任委員会(木暮繁俊委員長)で、委託先の「ぐんまフラワー管理」(同、久門渡社長)が労働基準監督署から賃金未払いなどで是正勧告を受けていたことが明らかにされた。
 県議らは「県の指導が不十分だったのではないか」などと追及、県に6日までの回答を求めた。
 従業員の給与体系の問題や賃金未払いについて、吉田孝男・蚕糸園芸課長は「是正勧告を受け、8月29日に改善状況の中間報告を提出したと聞いており、現在、是正を図っている」と述べた。
 同課によると、8月中旬、フラワー管理から「労基署から同8日に未払い賃金の解消と従業員への労働条件明示について是正勧告を受けた」と申し出があり、同29日に「賃金規定の改善などの中間報告を行った」との連絡があったという。
 大沢幸一県議(フォーラム群馬)らはフラワー管理を指定管理者に選定する前に、同社の親会社「ファーム」(愛媛県西条市、久門渡社長)を「問題が多い」とする情報提供メールが県に寄せられていたと指摘。田中修理事(農業担当)は、選定委員会にこの情報を伝えなかったことを「選定委員に予断を与えてはいけないという判断があった」と説明した。【藤田祐子】
 ◇県は一切調査せず−−情報提供メール、差出人はファーム元幹部
 選定委員会が始まる前の昨年9月、県に届いた情報提供メールの差出人は「ファーム」の元幹部だった。同社について「莫大(ばくだい)な借金で首が回らない状態」などと問題点を指摘。既に閉鎖した同社テーマパークに出資した都市名を挙げ、「管轄する労働基準監督署で話を聞いてみたらいかがでしょうか」と促し、自らの住所や連絡先を明記した上で「何かあれば適切にお答えします」と結んでいた。だが、県から問い合わせは一切なかった。
 一方、「ぐんまフラワー管理」の役員が県蚕糸園芸課を度々訪れ、職員の給与明細に記載された企業名が同社ではなく関連会社名になっていることや、県の許可なく高額遊具を購入したことなどを内部告発し、「協定違反ではないか」と訴えていた。だが、同課は立ち入り調査などはしなかった。
 6月には社員ら計5人が辞職。未払い賃金の支払いを求めて労働基準監督署に申し出た。
 労基署は8月に是正勧告を実施。フラワー管理は同30日に同月1日付の「労働条件通知書」を配布したが、毎月100〜200時間の残業代を基本給に含むとしたただし書きがあり、同署は社員からの聴取など調査を継続するという。【鈴木敦子】

10月4日朝刊(毎日新聞

フラワーパークに県が調査に 10月6日追記

フラワーパーク問題 11日に現地調査

 ぐんまフラワーパーク(前橋市柏倉町)の指定管理者「ぐんまフラワー管理」をめぐる労務管理などの問題で、県議会安全・安心なくらし特別委員会は五日、指定管理者取り消しを視野に県側の対応を求める趣旨の委員長報告を十一日の本会議で行う方針を決めた。また環境農林常任委員会が十一日にフラワーパークを現地調査することになった。
 同特別委で県は、ぐんまフラワー管理に出資する赤城高原開発運営の赤城高原牧場クローネンベルク「ドイツ村」で発覚した食品衛生管理者の「名義借り」や井戸水と上水道の連結など、一連の問題の経緯を報告した。
 県はまた、赤城高原開発の実質的な親会社にあたるテーマパークの運営会社が茨城や長野県などでも同様の問題を起こし、行政指導を受けていたことも明らかにした。
 これを受け、委員から「安心、安全の立場から子供が訪れる施設を管理するのにふさわしくない」との意見が相次ぎ、県側に調査を求めるとともに、委員長報告することを決めた。
 六日正午を期限に、県に指定管理者の選考過程に関する報告書提出を求めていた環境農林常任委員会は同日午後、報告書を踏まえて質疑を行う。

上毛新聞 2006年10月6日

「ぐんまフラワー管理」をぐんまフラワーパークの指定管理者としていた県の姿勢について,県議会では様々な追求がなされています。
まず,食品衛生法がらみで,http://d.hatena.ne.jp/ironsand/20060928#p1でも10月6日付で追記したように,県議会安全・安心なくらし特別委員会で追求が行われています。上毛新聞の記事によると「指定管理者取り消しを視野に」という方向に委員会が向かっているようです。この委員会は行政横断的な委員会で,なかなかきっちりとした決議を出すのは困難なのかもしれませんが,委員長報告はやはり重みがあります。
一方,環境農林常任委員会では,未払い賃金等経営全般について追求が行われています。所管の委員会なので,この委員会の方向性が,実際に指定管理者への委託等に直接関わってきます。
今後の流れが少しずつ形作られ,11日の環境農林常任委員会の視察とともに,横断的な特別委員会の委員長報告を受けて,その流れが決定されるのではと予想されます。