四日市市公害資料館実現に向けた市の姿勢。

2008年10月19日のエントリーで、四日市市のwebサイト上の公害資料館について、わずかに触れました。
また、同年12月13日のエントリーで、四日市市環境学習センターの指定管理者問題について、触れたところです。
四日市市では、その後も、公害資料館の実現に向けて検討を進めていたようで、10日ほど前に次のような報道がありました。
2月9日の中日新聞三重版の記事から。

四日市市、公害資料館に7000万円 当初予算案
四日市市は、2014年度の開館を目指す四日市公害の資料館整備で、一般会計当初予算案に関連事業費7000万円を計上した。11年度のほぼ7倍で、四日市公害に関する資料の調査や収集、展示計画の策定が本格化する。
環境保全課によると、既にコンビナート企業や弁護士など、40年前の四日市公害訴訟の関係者を中心に保存資料の照会をしており、新年度には内容確認や整理台帳作りに移る。整理作業や展示計画の策定は、外部の専門業者に委託する。
市は、裁判当時の写真や空気清浄機などを保管しているが、公害防止用のマスクなどは持っていない。資料収集では、広く一般市民に提供を呼び掛ける手法も検討していく。
資料館整備では、立地候補の塩浜地区連合自治会が地区内立地の反対を決議した影響で、11年度中を目指していた基本計画の策定見込みが12年度にずれ込んでいる。(福岡範行)

2014年度開館ということは、現在の財政状況の中で、かなり積極的なものと見受けられます。また、資料収集では広く市民に提供を呼びかけていこうとしていることもすばらしい取組でしょう。でも、
そもそも、展示計画の策定を外部の専門業者に委託するさいに、どれだけ被害者の声が反映されるか心配です。


塩浜地区自治連合自治会が地区内立地に反対していることについて、同様に中日新聞に記事がありました。
 同じく1月25日の記事から。

地元自治会が反対決議 四日市公害資料館候補地の塩浜地区
四日市市が整備を進める四日市公害の資料館を、三重北勢健康増進センター「ヘルスプラザ」(同市塩浜町)内に開設する市の方針に地元の連合自治会が反対決議をし、田中俊行市長らに提出した。
市によると、資料館の開設場所は、公害が発生した状況と大気が改善した現状が見られる場所として、四日市石油化学第1コンビナート近くで検討。既存の公共施設の有効活用も考え、複数の候補地から運営難で規模縮小の方針だったヘルスプラザを選んだ。
塩浜地区連合自治会の伊藤力会長(76)は、資料館建設の反対ではないとしながらも、「公害と名の付く資料館ができると、塩浜が公害の町と思われる」と述べ、若者の地区離れの傾向が進むことを懸念。県道近くでトラックが行き交う交通事情から来館者の受け入れ態勢にも疑問を投げかけ、ヘルスプラザは福祉施設としての活用を求めた。
塩浜地区に住む四日市公害訴訟の原告患者野田之一(ゆきかず)さん(80)は「決議の真意は分からない。資料館は市内には欲しいが、塩浜にこだわる理由はない」と述べ、資料館の中身も含め、「四日市市民全員で考え、結論を出すべきだと思う」との考えだ。
田中市長は取材に「資料館の全体像で十分理解いただけていない部分がある」と述べ、塩浜地区への説明を尽くしながら話し合いを進める考えを示した。 (福岡範行)

塩浜にこだわる必要は無いだろうが、塩浜は、象徴でもあった。


そういえば、富山県イタイイタイ病資料館も、今年4月29日に開館します。