政党が操る選挙報道他 - 風のまにまに(by ironsand) @hatenadiary.jp

政党が操る選挙報道

政党が操る選挙報道 (集英社新書)

集英社 2007-06
おすすめ平均

郵政選挙時のコミ戦が主な話題。「コミュニケーション戦略」に効果がないとは言わないが，あまり重きを置くのも見誤る気がする。とは言え，お勧めの本の一つ。まあ，この本で出ている地平程度は，最近民主党も自民党もうまくなっているけれど。比例制ならともかく，小選挙区では，コミュニケーションというまじないが若干実効性を持ち始めているのだろう。

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
	おすすめ平均よく研究しています！涙ぐましい武士の生活楽しめました。江戸を当時の家計簿を通して伺える良書。涙ぐましい節約生活 Amazonで詳しく見る by G-Tools

実証的かつ読みやすい。今回一押しの本。江戸末期の武士の暮らしのみでなく，明治初期の変動期，また日本近世の封建制の特色など，手堅いながらも話題が広い。掘り下げられてはいないが，掘り下げていたら，読みづらくなっている。

Barbarians at the Gates of the Public Library: How Postmodern Consumer Capitalism Threatens Democracy, Civil Education and the Public Good

Barbarians at the Gates of the Public Library: How Postmodern Consumer Capitalism Threatens Democracy, Civil Education and the Public Good

Library Juice Press 2006-10-30

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未読。邦訳が『公立図書館の玄関に怪獣がいる−ポストモダンの消費資本主義は、どのようにして民主主義、市民教育、公益を脅かしているのか』(川崎良孝・久野和子・藤野寛之訳)というタイトルで，京都大学図書館情報学研究会から発行されます(2009年10月)。邦訳に関しては，「公立図書館」でなく「公共図書館」と訳すべきではなかったかとも思いますけれども，中味を読んでみないとなにぶんわかりません。

追記

読みました。「公共図書館」ではなく，「公立図書館」の訳語の方が妥当でした。一方，邦訳のタイトルにある「恐竜」というのは，あまり適切ではないでしょう。Barbarianをどう訳せば良いか，代案があるわけではないですが，「恐竜」ではミスリーディングを招きやすい。
　文章上は読了したものの，「公益」とか「パターナリズム」「啓蒙主義」「民主主義」「国民国家」「独占資本主義」「ネオリベ」等々，様々な概念が積み上がったままで，自分の中で整理・展開が全くできていません。
　博物館では，「啓蒙〜参加」「Excellence and Equity」というような枠組みの中で，「消費資本主義」に対峙してきているところで，当初はその枠組みに引き寄せながら読んでいたため，すっと落ちていかなかったというのが本音です。
　とはいえ，博物館においても，「公益」や「民主主義」「パターナリズム」を整理していかなければならない状況にあることだけは同じ。
　訳文がこなれておらず，また原著から存在する様々な修飾語にも読みづらいところがありますが，問題提起の書として刺激的なものでした。