アトピー商法続報

2008年3月11日のエントリー「アトピー商法に関するニュース」で触れた件について,警察の捜索を受けていた福井県内の業者が逮捕されたというニュースが入ってきました。
5月29日の中日新聞の記事から

化粧品販売会社取締役らを逮捕 医薬品無許可販売の疑い
福井県警生活環境課と鯖江署は29日、医薬品販売の許可を受けずに、保湿クリームを「アトピー性皮膚炎に効く」などと効能をうたって販売したとして、薬事法違反(無許可販売)の疑いで化粧品製造販売業「ピュアライン」(福井県鯖江市)取締役山本清美容疑者(49)=同県越前市=と同社社員岡田芳浩容疑者(45)を逮捕した。
 逮捕容疑は2007年3月ごろから08年2月ごろにかけ、医薬品販売業の許可を受けずに、保湿クリーム「ゆずりん」を医薬品として販売。ダイレクトメールで「アトピー、おむつかぶれ、やけどなど疾患を問わない万能タイプ」「病院の薬に劣ることのない即効性」などと宣伝し、愛知県犬山市の男性美容師(39)ら6人に計10個(約8万円)を販売した疑い。
 2人は29日、逮捕前の取材に「関係者に迷惑をかけ申し訳なく思っている」と話していたが、生活環境課によると、山本容疑者は「違法だとは知らなかった」としている。
 県警は2人が同様の手口で全国の顧客約1500人に約1万5000個を販売、05年からの3年間に約1億円の売り上げがあったとみて調べている。

詳しくは上記3月11日のエントリーを。

6月5日追記

↓このエントリーにトラックバックがつきました。
「情報通販・エステサロン経営・エステティックサロン店舗開発運営経営コンサルタント業・ダイエット健康食品販売・販売代行業務・オンライン出版業務」を行っている「C・S・C出版.com」(港区南青山4-15-19 ハイシティ南青山101 FAX:03-5775-5793)へのリンク(www.atopy-csc.com/top1/)が貼られているブログからのもので,そのエントリーの内容は「稲葉式アトピー完全克服プログラム」(皮膚医の「稲葉葉一先生」によるものらしい)の購入を勧めるものです(atopy-csc.comのドメインの登録者は株式会社デジロック。)
「C・S・C出版.com」については,カリビアンシークラブと併記されているところもあります。代表の方はセラライト対策など痩身ダイエット専門エステ「グラースメール青山」(渋谷区神宮前5-38-11-404,TEL03-6427-8089)とも関係が深いようですが。こんなページもあります。編集部は(港区南青山3-5-4 シティ南青山303)にあると書いてあるページもあります。住所は(有)日本最新美容機器研究所(www.biyoukiki.com)などとも同じところですね。
トラックバック先の内容はよくわかりませんが,直接的には「プログラム」と称するものの販売が目的のブログのようですし,そこからのリンク先もアトピー対策プログラムだかマニュアルだかの販売が直接の目的のようです。
稲葉葉一とかいう医師の本は、こんな売り方をしなければ売れないしろものなんでしょうか。そうとしか思えませんね。

10月27日追記

しばらく前ですが,8月26日産経新聞福井版の記事から

無許可医薬品販売の会社と社員に有罪判決
無許可で医薬品成分入りのクリームを販売したとして、薬事法違反の罪に問われた福井県鯖江柳町の医薬品化粧品製造販売会社「有限会社ピュアライン」と、同、ピュアライン社員、岡田芳浩被告(45)の判決が25日、福井地裁であり、吉岡大地裁判官は同社に求刑通り罰金100万円、岡田被告に懲役1年6月、執行猶予3年、罰金50万円(求刑懲役1年6月、罰金50万円)を言い渡した。
 吉岡裁判官は岡田被告にを実質的経営者と認め、「アトピー性皮膚炎などに薬以上の効果があるが、天然の生薬だけで製造された副作用のないものと明示して販売しており悪質」と判決理由を述べた。
 判決などによると、同社と、岡田被告は医薬品販売業の許可を受けずに平成19年3月〜20年2月ごろ、国の承認が必要なステロイド成分入りのクリーム「ゆずりん」10個を安全な化粧品で効能があるかのように装い、6人に8万1810円で販売した。

取締役の山本氏はどうしたのかと思いましたが,「吉岡裁判官は岡田被告にを実質的経営者と認め」のくだりから見ても,岡田氏のみ起訴,山本氏は不起訴になったんでしょう。(追記:6月18日に福井地検が岡田氏を起訴していましたが,山本氏については「従属的関与で実質的な利益を得ていなかった」として起訴猶予になっています。)