横浜市の動物園の経営統合

神奈川県の地域新聞「タウンニュース」の9月13日の記事から

横浜市立3動物園 来春、経営一元化へ
 (財)横浜市緑の協会が運営 9月末に計画案提出
 横浜市は、よこはま動物園ズーラシア野毛山動物園金沢動物園の市立3動物園の平成20年度統合を目指した最終的準備を現在進めている。経営母体を一元化することで管理・運営の効率化、入園者サービス向上を図る計画だ。
 3園一元化に向けた動きは、平成15年度の包括外部監査(※注)で、経営改善や経営形態見直しが必要との指摘がきっかけ。この指摘を受けて、専門的立場、市民や利用者の視点から検討し、また意見を仰ごうと学識経験者らで組織された「横浜市立動物園のあり方懇談会」を平成16年7月に立ち上げた。7回の会合を経て翌年4月、「横浜市立動物園の改革に向けて」と題した報告書が提出されている。
将来的には民間委託も
 報告書によると、他の大都市と比較しても横浜市の3園体制(規模、数、立地)、内容、質は遜色ないとしながらも、入場者数の減少に言及し抜本的な見直しが必要、と結論づけた。
 具体的には、市の動物園行政はこれまで、個々の動物園をそれぞれ整備・管理していたが、今後は3園の業務提携を図り、金沢と野毛山の直営をやめ、財団運営に一本化すべき、と指摘。さらに報告書では、指定管理者制度と業務委託による民間事業者の参画可能性を積極的に検討し、一部もしくは全施設の中核業務以外の業務を専門事業者に外部委託すべき、としている。
12月議会で最終結
 現在進められている経営統合に向けた動きは、この提言を受けてのもので今年5月には、市会で動物園条例の一部改正が議論された。その結果、平成20年4月1日からよこはま動物園(ズーラシア)と一体として管理するため、現在ズーラシアの指定管理者となっている(財)横浜市緑の協会が、野毛山、金沢両動物園も併せて経営管理する方向が決まっている。契約は3園が足並みをそろえるため、平成20年4月1日から3年契約になるものとみられる。9月末に指定管理委員会が市緑の協会から提案書を受け、適切かどうかの判断をするという。12月議会で指定議案が上程され最終結論が出される運びだ。
 いずれにせよ、3園をめぐる経営環境は存続の可否も含めここ数年のうちに大きく変化することになり、今後の議論が注目される。

金沢動物園は知らないのですが,野毛山動物園は1951年に開園した歴史ある博物館。入園料も無料で,子どもたちをはじめ市民の学習の場であるとともに,憩いの場ともなっているところ。
ズーラシアは,もちろん国内の動物園としては一級の施設で,単に動物園として並べると,野毛山動物園は見劣りがするかもしれません。
それでも,野毛山動物園は,動物園を取り巻く地域,人々に対し,特色を活かした活動を行って来たところです。
経営統合で,どれだけ効率化ができるのかはわかりません。ただ,せっかく経営統合するのであれば,それぞれの動物園の連携を強めることも大事ですが,むしろ,それぞれの特色を活かし,地域住民に支持される動物園運営を期待したいところです。