八千代市の保育園

朝日新聞千葉版6月7日の記事から

八千代市 3保育園民営化案を提案

 八千代市は、市立11保育園のうち3園を来年度から順次民間に移管するとの条例改正案を6日、開会した市議会に提出した。保護者らは「性急だ」と反発している。保育園の民営化を巡る訴訟では、大阪府大東市横浜市に対して、それぞれ保護者らへの賠償を命じる判決が出たばかり。判決を受けて慎重姿勢に転じるなど、県内自治体の間にも波紋が広がる中での、条例改正案提出となった。
 八千代市の計画では、市立高津西、大和田西、村上南の3保育園をそれぞれ07、08、09年度に社会福祉法人に移管する。豊田俊郎市長はこの日、公立園と民間園の役割分担を強調。「(民営化の一方で)在宅親子の支援を進めるため、七つの圏域に子育て拠点となる(市立)保育園各1園を指定して、人的資源を集中する」と提案理由を説明した。
 これに対し、市内12園の保護者でつくる市保育園父母会連絡会は「民営化で何がプラスになるのか、納得いく説明がない」と反発、拙速な民間移管をしないよう求める陳情書を同日、市議会に提出した。
 同連絡会の鈴木京子会長は「親子ともども不安がいっぱい。損害賠償を命じた横浜地裁の判決もあるのに、なぜ方針を決定する前に説明してくれないのか」と話す。疑問点として、市内七つの圏域では、未就学児は350人から4千人まで地域差があり、一律に公立を1園に削っていいのか▽公立保育士の3分の2が数年で退職しコスト減になるのになぜ強行するのか、をあげる。
 同市子ども部は、判決について「最高裁で確定していないのでコメントできない」と説明。議案が可決されれば保護者の要望を入れて7月に法人を募集し秋に決定。来年1月から引き継ぎ保育を行うとしている。
 公立保育園の民営化を巡っては、移行に際して自治体が保護者や園児への配慮を怠ったことを認めた大阪高裁、横浜地裁判決に、県内各市でも波紋が広がっていた。
 07年度に1園民営化を検討している旭市は、第1回の保護者説明会を横浜地裁の判決直後の5月下旬に開いた。「納得してもらうまで話し合いを続ける」姿勢を示し、欠席者にはアンケートを配り、要望を書いてもらった。担当者は「遅れてもかまわないので、よく意見を聞いて進めたい」と話す。07、08年度に1園ずつ計画がある野田市も、慎重に対応する姿勢を強調した。07年度の園については、3月と4月に既に保護者説明会を開いたという。
 船橋市は今年3月、財政健全化プランに「08、09年度に一部園に指定管理者制度を導入」との方針を盛り込んだばかり。角田孝雄保育課長は「判決は真摯(しん・し)に受け止め、父母の同意を極力得なければいけない。たとえ1年遅れても、行政経費がそれで失われるわけではない」と話す。
 また、習志野市の荒木勇市長は「早急にやるべきでないとの判断。住民と十分に対話をしていきたい」としている。

指定管理者かどうかわからないが,横浜や大東市の判決が出た段階で,ちょっと早急にも思う。
ちょっと調べてみましたが,「民間移管方式」。市有地は民間法人(社会福祉法人:新設,既設を問わず)に無償貸与。建物や設備は民間法人に譲与。移管したら,後戻りはできません。
そういえば,http://shitei.seesaa.net/article/19044463.html毎日新聞東京版6月1日の記事が載っていますが,民営化した保育園で大量退職があったとのこと。これも千代田区練馬区江東区大田区等行政側のの拙速な判断が原因かもしれません。住民や利用者の理解を得られなかったため,住民はもとより,受託者もいい迷惑ですね。委託する行政側のガバナンス責任が問われます。